2018年09月10日

Aestas Horribilis 2018

 いまさっき、米国の臨床医向けポータルサイトでこういう ↓ 書き出しの論説文を見た。
Toward the end of 1992, Queen Elizabeth II of Great Britain referred to a year of misfortune that had befallen the British royal family as “annus horribilis.”

As I write this editorial, I feel much the same about the summer that has just passed − aestas horribilis − with death, misery and destruction wrought upon the Mexican, Caribbean and U.S. populations by a series of hurricanes, earthquakes, gunmen and political extremists.

1992年暮れ、英国女王エリザベス II 世は英王室につぎつぎと降りかかった災厄だらけの一年を回顧して、「ひどい年」だと評した。

 この論説を書く筆者もまた、過ぎ去ったばかりの今夏について、ほとんどおなじことを感じている −− ひどい夏。今年の夏、メキシコやカリブ海諸国、そして米国の人びとはハリケーンに地震、銃撃犯に政治過激派と立てつづけに襲われ、死と困窮と破壊とに見舞われている。

aestas horribilis ―― 今年の夏をひとことで言えば、「今年の漢字」じゃないけど、まさしくこれだったのではないか。ほんとうに「ひどい夏」だった。天候不順、雨が降ればスコール、ゲリラ豪雨にゲリラ雷雨、かと思えば「熱波(ここ静岡県でもほぼ全域で最高気温も軒並み過去最高を記録。これは太平洋高気圧とチベット高気圧の二段重ねが原因とのことらしいが、これはもう、欧州などでここ数年頻発しているりっぱな熱波ですよ)」、そして台風のたまごがオニヒトデよろしく異常発生、昔のギャグアニメの主題歌でもあるまいに東から西へ「逆走」した台風は出るわ(海蝕崖にへばりついて建つ熱海の某ホテルの大食堂の窓ガラスが台風の高波&高潮の直撃を受けて木っ端みじんになった、なんてこともあったが、個人的にはもっとはやく食堂を閉鎖すべきだったと思う。台風が直撃コースをとることはとっくにわかっていたはずで、これは人災的要素が大)、西日本では過去に例のないほどの広域での浸水害や土石流被害が発生。そして追い打ちをかけるように先週の北海道南東部を深夜、襲った M 6.7 の激震。

 東日本大震災のときもそうだったし、毎度、おなじことの繰り返しで申し訳なく思いますが、被災された方には心からのお見舞いと、亡くなられた方のご冥福を祈りたい。地元紙朝刊に大きく掲載された厚真町のひじょうに広範囲におよぶ地滑り的な山体崩壊の航空写真には、しばらく絶句して見入るばかりだった。

 日本の自然は四季がはっきりしていて、四季折々ということばがあるように基本的には昔、さる著名な風景写真家が評したように、「欧米などの大陸の自然とちがってやさしい」。でも同時に台風に代表される風水害や冬の雪害、たまさか発生するも甚大な被害をもたらす竜巻などの突風、そして火山の噴火に、地震、地震に伴う津波や軟弱地盤の液状化。思いつくだけでもこんなにある。ちょっと歴史を顧みれば日本の歴史はそのまま自然災害の歴史でもあり、互いに助け合わなければ生きてゆけない(日本が「超」がつくほどの均質社会と言われるのも、ひとつにはこの自然災害の突出した多さに起因するのはまちがいない。ひとり勝手なことをしようものならたちまち「村八分」になっただろうから)。

 言いたいことはいろいろあれど、やはりなにかお役に立てることを、ということで、「災害への備え」に特化した情報などを提供する Web サイトをここでもすこしご紹介したいと思う。

1). NHK の「災害もしもブック」&「災害もしもマニュアル
2). 無印良品の「わたしの備え。いつものもしも。七日間を生き延びよう[PDFファイル]」
3). 「いつでも持ち歩きたい防災ママバッグ」 幼児を抱えたお母さん向けに、必要最小限の用品を入れたバッグを用意しよう! という情報をまとめたもの。

ちなみに不肖ワタシが、たいしたことではないけれどふだん実践していることは ――

 ・懐中電灯を含む、携帯用 LED ライトをいくつか携行する。うちひとつはカバンにくっつけていて、夜間の発光材代わりにもなっている。
 ・ふだんからよく歩く。ブロック塀など、危険個所の点検という意味もあるが、津波がきたらこのルートで、とか、ここが使えなくなったらどうするかとか、安全に避難可能なルートを頭に入れておくため。
 ・「ハイレモン」とか飴玉類やハサミ、手袋、タオル、絆創膏、ポケットティッシュのたぐいもいつも持ち歩いてます。
 ・はじめて行く場所[コンサートホールとか美術館とかも含む]の避難経路の確認

 災害がとくに多かった印象を受ける今年の夏でしたが、最後にあの2歳の幼児をみごと発見救出したヴォランティアの師匠的存在の方について率直に感じたこと ―― それは、いくら当該分野の専門知識や経験があっても、「幼い子どもは上へ行く習性がある」という一見、まるで畑ちがいにも思える児童心理学的直観にはまるで歯が立たなかった、ということ。いまひとつはあまりに人任せな人が多い、ということ。たとえば大水害に見舞われた岡山市の低地地区の方が、「浸水予想区域地図」なんか見たことがない、と嘆いていたのを TV で見たとき、地元自治体広報紙にはさまってなかったのかなってちょっと信じられなかった。周知のしかたに問題ありかもしれないが、やはり「自分の命は自分で守る」のが、最強の初動態勢なんじゃないでしょうかね。危ないと感じたらさっさと逃げる、その場を離れる。大津波がきたら「てんでんこ」に散り散りになってとにかく高い場所へ高い場所へ逃げる。避難訓練はもちろんだいじだけれども、天災には、人間の都合でこさえた避難マニュアルなんて通用しない。そのときそのときの判断で生き死にが分かれる(昔見た風景写真雑誌に、「自然が発する警告にまるで気づかず、『わたしは危険がわからない』みたいな人が増えている」という趣旨のコラムを読んだことがあるが、最近、とくにそれをつよく感じる。台風接近時にサーフィンしに行くなんて、論外ずら)。

 また、こんどの地震でもこんなコメントを伝え聞く。「ここでは起きないと思っていた」。固定していない家具の下敷きになって亡くなった方もまた出てしまった。液状化とかはほんとどうしようもないですけど、せめてできることからはじめましょうよ。大阪の地震だって、あんな危険なブロック塀が何十年も放置されていたとは信じがたし。40年ほど前の宮城県沖地震の教訓がちっとも生かされてなかったってことでしょうね。人任せにしてはいけません。

posted by Curragh at 11:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近のニュースから