2008年02月03日

散逸は防いだ

1). まずはこちら。浜松ピアノセンター倒産で散逸が危ぶまれていた歴史的ピアノの貴重なコレクションでしたが、このほどおこなわれた競売の結果、さいたま市のピアノ販売店の方が1億円で一括購入されたとのこと。これで、いちおう歴史的銘器の散逸は防げた格好になり、まずはひと安心と言ったところでしょうか。

2). いまさっきの「気まクラ」。おお、なんと小6にしてメシアンを聴いているというリスナーが! 去年はブクステフーデの没後300年にヴァルヒャの生誕100年でしたが、今年はメシアン生誕100年。メシアンとくると、N響の生演奏で聴いた「トゥランガリラ」で、はじめて耳にしたオンド・マルトノのあの奇妙キテレツなサウンドがやたらと印象に残っています。それと、メシアンはやはりオルガン作品かな。昨年暮れに紹介したNYTimes記事にもあった、「主の降誕」というオルガン曲は「みどり児キリストにそそぐ二十のまなざし」というピアノ曲の先駆け的作品らしい(まだ聴いたことないけれど)。で、番組ではそのピアノ作品から一曲がかかってました。また「酒も煙草もギャンブルもやらない」、聖イグナチオ教会のミサに通っているというローマカトリック信徒の男性の葉書が紹介され、宗教的な作品を希望とのことで葉書に書いてあったのが、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。あと4曲ほどリクエストがあったものの、なぜか(?)ぜんぶ「美しき青きドナウ」とかウィンナワルツばっかり。大介さんがすかさず「一曲しかないじゃん!」って言ってましたがほんとヘンテコなリクエストだ。

 番組中、大介さんがお相手の鈴木久美子さんをイメージしたギター独奏曲を即興で作って弾いてみせたりもしていましたが、曲名をめぐってふたりの意見が紛糾(?)。そのとき久美子女史は黒の斑点柄スカーフを巻いていたそうで、それとメシアンにひっかけてダルメシアンなんとかというのはどう? なんて大介さんがおもしろ半分に提案していましたが、「もっとロマンティックなタイトルを!」と久美子女史は少々おかんむり。自分の受けた印象では、なんとなく潮風に髪なびかせてそぞろ歩くうら若き女性の姿を連想したので、「渚の散歩道」なんてどうかしら。ダルメシアンなんとかよりはましだと思うけれど。それと番組最後にかかったマスカーニの有名な「間奏曲」。これは歌劇 Cavalleria Rusticana中の一曲で、この曲に歌詞をくっつけた「アヴェ・マリア」版も比較的よく耳にします。そこで老婆心ながら、歌劇のタイトルについて。 Cavalleria Rusticanaというのはイタリア語で「田舎の騎士道(=rustic chivalry)」の意味。たしかこれ主人公が決闘で殺されて終わる話じゃなかったかな(ついでながら伴奏途中から、かすかにオルガンも聴こえてくる)。

 今週の「バロックの森」は英国バロックの特集。クリストファー・ギボンズはオーランド・ギボンズの息子。ギボンズの兄に師事したマシュー・ロックは、ちょうど共和制-チャールズ二世による王政復古という激動の時代に生きた人。ジョン・ブロウはヘンリー・パーセルの師匠にして、若死にした弟子よりも長生きしてしまったある意味不運な人で、今年没後300年。

 ギボンズで思い出したが、風邪で伏せっているあいだ、Choral EvensongPipedreams.orgといったストリーミング放送を聴いたりしていたけれど、ほかにはAmazonで買ったばかりのSain音源のアレッドの少年時代のベスト盤に、タワレコ通販サイトで買ったギボンズのこちらのアルバムも聴いてました。アレッドのほうは、もう一枚、おなじ音源から出ている'Hear My Prayer'は持っていて、一部カブっている曲があるもののボーイソプラノ絶頂期の歌声の貴重な録音ですばらしい。でも大当たりだと思えたのは、ギボンズのアルバム。歌っているトゥルーロ大聖堂聖歌隊は前世紀に大聖堂に格上げになった、いわゆるmodern foundationで歴史こそ浅いものの、その歌唱レヴェルの高さで評価が高いらしい。VoAにいたときも、さる毒舌肌の英国人作曲家先生が珍しく(?)べた褒めしていたくらい。Choral Evensongでこれまで何度か聴いたことはあるけれど、音質のいいCDで聴くとその実力にびっくり。ソロの子の声質も個人的にひじょうに好ましくて、一度聴いただけですっかり気に入ってしまった(数曲、オルガン独奏の小品も挿入されていて、こっちもまたいい)。いま図書館から借りているパレストリーナのオルガン作品集という珍しいCDとあわせて、何度も聴いています(パレストリーナのほうもボローニャの歴史的楽器を使ったひじょうにすぐれたディスクで、こちらも借りて正解! マリア大聖堂の楽器もそうだけど、イタリアのオルガンの音色の柔らかさは伝統なのかな、このボローニャの楽器もまた柔らかくて暖かい響きの楽器でした)。

posted by Curragh at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | NHK-FM
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