2008年02月23日

ミッション成功?

 NYTimes記事を見るかぎり、国家偵察局(NRO)のスパイ衛星L21は、米国東部時間の22時30分前、ハワイ沖のイージス艦「レイク・エリー」から発射された一発のSM3ミサイルによってぶじ(?)破壊されたらしい。ミサイルのターゲットは直径わずか1m弱のヒドラジンの入った燃料タンク。この偵察衛星、一昨年の打ち上げ直後から遠隔操作不能状態になってしまったので、タンクに入っている約500kgのヒドラジンはほとんどが使われずに凍りついた状態で残っていた。統合参謀本部(JCS)の発表によると、爆破したあとに飛び散った細かな破片(debris)については追跡調査中とのことですが、いまのところは宇宙ステーションやその他人工衛星には影響なし、大型の破片については今後2週間以内に大気圏に突入してそのまま燃え尽きるという見通しです(→CNNの関連記事)。今回の作戦は、衛星が周回軌道からはずれて大気圏突入をはじめる来月1日までには実行する予定だったし、お供の2隻の艦船にあと2発、予備のSM3ミサイルまで用意していたので、まずは成功したと言っていいらしい(作戦成功と断言できるのはもうしばらくかかりそう)。

 こちらの記事にも書いてあるのとおんなじような懸念が前に引用したワシントン発の記事と同様、今回引用した記事にもまたぞろ書いてあるのですが、たしかにスパイ衛星なので、なにか知られてはまずい情報でもあったのかもしれませんね。2003年のシャトル・コロンビアの事故のときには燃料タンクが燃え尽きずに落下してきたことから、国防筋は当然、ヒドラジンの入ったタンクが燃え尽きずに地上に達するのを防ぐ、ただそれだけのためでほかの意図はまったくないとしていますが…今回の衛星破壊はたとえば、米国が他国の衛星を撃墜したり、その逆もできるという「正統な言い分」に使われてはまずいということでもあるので、この問題はしばらく尾を引きそうですね。でも中国は以前の実験で、大量の「宇宙ごみ」を撒き散らした前科があるので、米国のことをとやかく言う資格はないようにも思えるが…。もちろんSM3ミサイルを発射したほうもそのへんの反発はよく承知しているので、中国のみならず、懸念しているほかの国々にも積極的に情報開示してゆく、という一言も忘れずに追加していました。(→関連動画)

 …関係ないことながら地元紙夕刊連載の各界著名人が交替で寄稿するコラム。「仏教が発祥したのはインド半島、キリスト教はアラビア半島」なんて一文を見て文字どおり目が点になった。もっとも「イスラム教」のつもりが思わず筆が滑ったんだろう…とは思いましたが、ちょっとびっくり。

posted by Curragh at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | Articles from NYTimes
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