2006年08月20日

「黄金のハーモニー」

 さきほどまで、NHK-FMで「ハンガリー・カンテムス少女合唱団(本家サイトでの呼称はCantemus Children's Choir)」のすみだトリフォニーホール公演を聴いて過ごしてました。

 ハンガリーは英国、ラトヴィア・エストニアとならんで合唱音楽のひじょうにさかんな国で、コダーイやバルトークといったハンガリーの国民的作曲家も子どもの合唱向けに多く作品を残しているし、最近、NHKの学校音楽コンクールなんかでも、現代ハンガリーの作曲家コチャールやオルバーンのけっこう難易度の高い作品を自由曲として選ぶ小・中学校の合唱部が増えています。

 ふだんはボーイソプラノ(treble)専門で、NHK東京放送児童合唱団や東京少年少女合唱隊くらいしか「女声」による合唱はあまり聴いたことはないのですが、こうしてオンエアされた公演をじっくり聴いてみますと、少年の声とはまたちがう魅力があって新鮮でした。女声のいいところはやはり声変わりという障害がないこと、年齢と経験を重ねるごとに少年には望むべくもない高い表現力を獲得することができる点でしょうか。もっともこれは最近の男の子の声変わりの低年齢化ゆえの問題でして、たとえばバッハがトーマス・カントルを務めていた18世紀までは声変わり時期がだいたい17歳くらいだったらしいので、昔のボーイソプラノは大人のオペラ歌手も目じゃないほどすごい歌手がふつうにいたそうです(バッハ自身もリューネブルクで17歳くらいまでトレブルの聖歌隊員として歌っていた)。もっとも物事にはつねに例外があり、アレッド・ジョーンズは16歳の誕生日まで変わらず高音が出せたそうです。声変わりの低年齢化はことに英国では深刻な問題らしいのですが、それでも最近ですと、テュークスベリーのCD、Light of the world で聴くアンドリュー・スウェイトくんの歌声は、11歳の少年の声とはにわかに信じられないほど表現力豊かで、歌い方もしっかりしています。

 …今回のカンテムス、どこが招聘元なのかな…と思っていたら、なんとカンバセーションでしたか…BACのときはいつもここでしたね。Liberaも初来日のときはここでした(なんでサモンに変わったんだろ?)。そういえば、…と思って机の周りを探してみたら、昨年、カンバセーションからもらった、「ハンガリー・プロムジカ女声合唱団」の優先予約案内が出てきました…プロムジカはカンテムスのOG団体です。…でも今年のカンテムス公演はなにも案内が来なかったので、こういう演奏会をやっていたことさえ知らなかった。すみだトリフォニー公演ではNHKなど4つの国内児童合唱団が客演していましたが、個人的には星美学園小学校聖歌隊のAmazing Grace がよかった。日本の児童合唱ついでに言えば、3月に聴きに行った東京FM少年合唱団もすばらしい。とても男子小学生だけで構成されているとは思えないほど美しい歌声を聴かせてくれます(CDがほしいけど、どこに行けば手に入るのかな?)。日本では少年合唱団じたいの数がそもそも少ない(自分は広島少年合唱団や鎌倉のグロリア少年合唱団くらいしか知らない)ので、ぜひがんばっていただきたいところです。これまでもマーラーの3番や二期会のオペラにも出演したりと、実力は折り紙つきですので。

 ブリテンの「キャロルの祭典」から、ふだんなじみのうすいコチャールやコダーイの民謡を題材とした作品まで、いろいろと聴けてひじょうにおもしろかったです。こういう番組をきちんとやってくれるところがNHK-FMのいいところ。ただしオンライン番組表では、オルバーンの Pange Linguaバンゲ・リンガになってましたorz。

 とにかくこの手の番組をきちんとオンエアしてくれるところはNHK-FMしかないので(できれば教育TVの「芸術劇場」でもやってほしいけど)音楽ファンとしてはNHKにもがんばってほしいところです…。

 でも「黄金のハーモニー」というタイトルを聞くと…ふと、 King's Group から出ているL'Or des Anges、「黄金の天使たち(国内盤タイトルは「輝ける天使たち」)」という、ヨーロッパを代表する少年合唱団・聖歌隊に取材したドキュメンタリービデオを思い出したりして…。今回の来日公演、カンテムスの公式サイトにもいろいろと写真が掲載されています。
posted by Curragh at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | NHK-FM
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