2008年03月15日

ハンドベルと伝カッチーニ作「アヴェ・マリア」

1). いまさっき聴いた「名曲リサイタル」。後半に演奏したのはハンドベルグループの「きりく・ハンドベルアンサンブル」。で、「??、はてオルガンも入ってんのかな?」と思いつつ美しい調べになかば陶然としていたら、なんと、オルガンのように聴こえていたのもじつはハンドベルだという。そんな質問がひじょうに多いためなのか、そのへんの事情もしっかり説明してました。なんでもオルガンパイプとおんなじ材料――ということは鉛と錫の合金? ――で作られているからだとか。なるほど、音色までそっくりになるものですね! 

 で、たしかこの前もこの番組で聴いたけれども、カッチーニ作と言われる「アヴェ・マリア」も演奏してくれました。ハンドベルって、おんなじ旋律でもメンバーが代わる代わる、文字どおりベルをとっかえひっかえして演奏するので、耳で聴いているぶんにはなんて心落ちつく美しいハーモニーか、なんて思ってしまうけれども、実演を見たことがある人ならばなんてせわしない楽器なんだろうと思うことでしょう。曽田アナもそんなことしゃべってました。とにかくこの楽器ほど、奏でられる音色とじっさいの演奏風景がしっくり噛みあわないのもないのではないかと思います(ベルの取っ手は白と黒があって、白は白鍵、黒は黒鍵つまり半音用のベルだそうです)。

 で、問題のカッチーニ作「アヴェ・マリア」。前にも、これはちがうよなあ…なんて書いたことがありますが、やっぱり、というか、証拠を見つけました(というか教えてもらった)。なんと英語版Wikipediaに「カッチーニのアヴェ・マリア」なる記事がありました。それによると、どうもこれ旧ソ連の作曲家でリュート弾きだったVladimir Vavilovという人の作品らしい(ついでに日本語版の記事を見たら、今月5日付けでその旨追加されていた)。

 この件について断定するのはまだ早いと思うけれども、すくなくとも「アマリリ麗し」を聴いたあとでこちらを聴けば、アルビノーニの「アダージョ」のような感覚に襲われるはずです。もちろん旋律線の美しさは認めますが。この作品の最初の録音は作曲者自身(?)の伴奏によるヴァージョンで1970年代。その後しばらく経過してから、90年代になってSlava盤とかわんさか出てきた。どうりでいままで少年合唱もののアルバムではこの曲、とんと出てこなかったわけだ。いろいろ検索してみたら、じつは娘のフランチェスカ・カッチーニの作品ではないか、という記事も見つけましたが…引用先の記事に出てくる「アヴェ・マリア」を聴いてみないことにはなんとも…2002年の記事なので、例の作品だったらなにかしら言及があっていいはずなので、たぶんまるでちがう代物でしょう。

2). 地元紙朝刊の地元企業の新製品を紹介した紙面。ふだんは気にも留めないのですが、これには釘付けになりました。電子チェンバロ!! 記事によると、「ピアノを弾いたことがある人やバロック音楽愛好者が主な対象で、国内外の初年度販売予定数は600台」。お値段は破格(?)の約33万円ですって!! 仕様を見ますとなんとチェンバーオルガンの音色まで出るという! しかもキータッチも本物そっくり、「弦を爪で押し上げ、カクンと引っ掻く」あの感覚が忠実に再現されているという!! まずい、ほしくなってきた(お足はないけれど)。

3). BBC Radio3のChoral Evensong。この前の日曜は、キングズカレッジ聖歌隊でした。ラフマニノフの有名な「晩祷」も歌われてましたが、個人的には出だしのオルガンコラールが大のお気に入り。バッハの「マタイ受難曲」にも何度か登場する有名なコラール旋律、「わが心の切なる願い BWV.727」でした(「マタイ」では第62曲目に厳かに歌われる合唱で、いわゆるフリギア終止で曲を閉じる[フリギア終止については引用先記事の最下段に説明があります])。

 BBCついでにこんなページも発見。こちらもなんだかおもしろそうですね。

posted by Curragh at 23:54| Comment(5) | TrackBack(0) | NHK-FM
この記事へのコメント
Curraghさん、ご無沙汰しています。。m(__)m 忙しくて、なかなか音楽記事を書く余裕がなくて、、お恥ずかしい次第です。。。

えっと。。。ローランド(浜松だったんですねー)の電子チェンバロ開発の記事!!!私も釘付けです!!すごいですねえ・・・・いやもちろんこういうものがいつかは出るんじゃあという漠然とした予想はありましたが、、やってくれましたねえ

私も、、「やばい、ほしくなってきた」ですぅ・・・(ピアノだって弾けもしないのに、あはは) Curraghさんと住んでいるところが近かったらなあ、、、「私が2/3出すから、Curraghさん、残り払って買っちゃいませんか。で、Curraghさんちにおいといてもらえれば、私がときどきさわりにいくからーー」なんてバカな提案をしそうです。ぶふっ。

ちなみに私がチェンバロというものを初めて聴いたのは、、、、

おっと、自分のブログに書かねばいけませんね・・・
Posted by Keiko at 2008年03月16日 10:49
Curragh様、こんにちは。
お言葉に甘えてお邪魔いたします。
カッチーニの件、以前こちらで知って動揺していましたが、やはり別人説が有力なのですね。
確かにあの旋律が醸し出す哀切さは、妙に現代的だと思っていました。いろいろな人の歌を聴きたいと探しても、カッチーニのCDには入っていなくて首を傾げたり。
作ったのが違う人だとしても、私は好きな曲なのでどんどん歌っていただきたいです。

それからローランドのチェンバロは私も気がかりです。
音は良いと思うのです。もちろん本物には及ばないのでしょうが、個人で所有可能なレベルとしては上出来ではないでしょうか。

ttp://roland.jp/sneak/C-30/
(先頭にhを付けてください。音が出ます)

お買い上げになったらぜひご紹介ください(笑)。
Posted by すい at 2008年03月16日 11:00
Keikoさん、すいさん

コメントありがとうございます。m(_ _)m

ええっと、音、聴きましたよ。お足もないのにますますほしくなってきたじゃないですか(笑)!

電子チェンバロじたいは以前からローランド社で製造されてはいたのです…拙記事が舌足らずでしたね、すみません。ちなみに以前のモデルはこういうのです。↓

http://www.marushogakki.net/sale.htm

以前のモデルは、チェンバロ奏者による実演に接したことがあります。こんどの新型は、天板に描かれた天使の絵――模写らしいですね――が、まず目を引きますね。音色もまるで本物そっくりです。カシオの電子ピアノとか、楽器売場でチェンバロの音を出して遊んだことがありますが、そのような電子楽器のチェンバロ音・オルガン音にはあきらかに本物とはちがう人工的な音色がするものですが、こちらは人工的な感じがまるでなくて、ほんとうに驚きです。これで30万円台はたしかに安いのかも…しれませんね。個人的な好みとしては、鍵盤の色も選べるとなおいいなぁ(従来モデルの黒白逆になった鍵盤のほうが好きなのです。こっちのお色のほうがいかにもチェンバロの鍵盤、という感じがしませんか?)。
Posted by Curragh at 2008年03月16日 18:03
Curraghさん、音もちゃんと聴いてらっしゃるのですね。。羨ましい。。。!

黒白逆の鍵盤!もちろん私も絶対そちらが好きですね。なんでまた旧モデルでは逆の配色にしてあったのに、今度のモデルでは現代の配色のほうに戻したのでしょうか。。。。
(現行の配色のほうが安くできるのかしら)

え、ネットがパンクする!!!!
私の商売たたまなければならなくなります・・・


Posted by Keiko at 2008年03月23日 09:50
Keikoさん

旧モデルの音はじっさいに聴きました…途中でオルガンの音に切り替わったりと、このへんは電子楽器ならではの便利さですね。

Webについては、米国内のインフラ整備もふまえての話ですので、Web全体にどう影響が出るのかについてはたぶんanybody's guess... でも技術面でも日進月歩――ムーアの法則じゃないですが――なので、そのへんとのかねあいかとも思います。ただ、映画まるごと配信とかYouTubeなど、あきらかに回線にたいする負荷はひじょうに高くなっているのも事実ですので、高まる需要と負荷を、旧来のWebの仕組みが吸収しきれなくなりつつある、ということだけは言えるかと思います。もともとWebは相互通信ネットワークの一手段として案出されたもので、そういう性格のネットワークでTV・映画配信しよう…というのは、少々無茶があるように個人的には感じています(ストリーミングでよく使われるUDPブロトコルは、TCP/IPより信頼性に劣ります。なのでときおり、途中で放送がプッツン、という現象が起きるのですorz)。
Posted by Curragh at 2008年03月23日 15:57
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