2008年03月29日

IOW, TNX, LOL, :-O!!

 ↑のお題、瞬時に解読できますか?

 地元紙朝刊に短期連載していた「ただいま広辞中」。言わずと知れた『広辞苑』の最新版刊行にちなんだ企画で、最終回に俎上にあげられた「顔文字」と「文字絵」の記事を見て、日本で通用している顔文字と欧米圏の人がメールのやりとりやメーリングリストで使っている顔文字とはえらくちがうな、と思った。そこで今回はこの顔文字と略語についてすこしばかり(ちなみに「顔文字」は今回はじめて『広辞苑』の新版に収録されたという)。

 顔文字は英語でemoticonsと称されます。その中でも使用頻度が高い笑顔マークはsmiley(s)と言ったりもします。

:-) .... regular smile, very happy ふつうの笑顔、とてもうれしい
:) .... happy ちいさな笑顔、うれしい
:-)) ... very happy とても幸福、とてもうれしい

「日本式」表記だと(^o^)とか(^_^)あたりでしょうか。一見してわかる大きなちがいは、なぜか横倒しになっていること。横倒しのemoticonsが向こうでは標準的表記、ということは憶えておいて損はないでしょう。欧米圏の人に「和式顔文字」を書いてもはたして書き手が考えているとおりの意味にとってくれるかどうか…は実験したことがないのでわかりません。orz ←こういうのもおそらくわからない。

 ほかにも欧米式顔文字をいくつか挙げてみます。

悲しみを表すもの:
:-( .... frown, very sad しかめ面
:( .... sad 悲しい
;-( .... feel like crying 泣きたい

怒りや当惑を表すもの:
-< .... really upset とても当惑した
:-|| .... angry 腹を立てている
@@ .... rolling your eyes いい加減にしろ、やめてよ(これだけは横倒しじゃないですね)

驚きを表すもの:
:-O .... wow! うわー、びっくり
8-O .... shocked わー、ショックだ

その他表情を表すもの:
;-) .... winking ウィンク
:-[ .... pouting ふくれっ面
:,( .... crying 泣きっ面

動作を表すもの:
[] .... hugs 抱擁
:-? .... smoking a pipe パイプをふかしている
:-* .... kisses キス、キスしたい
:*) .... drunk 酔っ払っている

感嘆符的な働きをするもの:
:-, .... hmmmmm ふーん
:-O .... uh oh おやまあ
:@ .... what? えっ? 
:> .... what? えっ? 

容姿を表すもの: 
:-} .... bearded 顎鬚を生やしている
:-{ .... mustachioed 口髭を生やしている
8-) .... wearing glasses 眼鏡をかけている

顔文字についでよく使われるのが「略語」やスラングのたぐい。これは洋の東西問わずらしくて、こなた『KY式日本語』なる本が、『ジーニアス英和大辞典』とか『明鏡国語辞典』とか出している大修館書店(!!)から出ていますが、かなたの英国でもなんとおんなじような字引きが出版されているという!! それがThe A-Z of Teen Talk(『ティーンのおしゃべりのAからZまで』)なる本。これ書いたのはやんごとなき坊ちゃん嬢ちゃんが通う名門パブリックスクールの13歳現役女生徒。で、それによると、たとえばjamming。手許の電子辞書に収録されている――便利な世の中になったもんだ――『リーダーズ・プラス』では「すばらしい、のってる(=excellent)」の意味だと書いてあるけれど、彼女によればなんと「ぶらつく」の意味になる!! vanillaは『プラス』にも載っている「つまらない」とほぼおんなじで「退屈でダサい」。zaなる単語はなんとピザ(pizza)のことだとか。ではeltonとは? これわかる人はたぶん英国在住の文字どおり10代の人で、日本人学校ではなくて現地の学校に通っている子どもたちくらいではなかろうか。正解は「男子トイレ」。なんでeltonなのか、については、米国俗語でjohnが「男子トイレ」なので、Elton Johnに引っかけたものらしい。引っかけられたほうの往年の大歌手もいい迷惑ですな。

 この辞書、仲間うちの会話に使う単語を集めたものらしいのですが、なんとなんとこれがまた版元の予想以上に売れているというから、こちとらさらに口あんぐり。『KY式〜』もそうとう売れているようですが、英国でもそんなものが売れるんですねぇ。でも厳密に言えばこちらのほうは省略語よりスラングのほうが多いから、俗語辞典のたぐいですね。略語とくると、やはりWebで使われることばのほうがはるかに多くて、わけわからん略語に出くわすこともしばしば(苦笑)。以下、直接・間接的に知った横文字の略語一覧。
ASAP ... as soon as possible
IMO ... in my opinion
IOW ... in other words
LOL ... laughing out louder
LTNS ... long time, no see
MYOB ... mind your own business
NRN ... no reply necessary
OIC ... Oh! I see.
OTOH ... on the other hand
SO ... significant other
TIA ... thanks in advance
TNX ... thanks
TTYL ... Talk to you later.
TYVM ... Thank you very much! 

とくに4番目の'LOL!'というのはけっこうよく見かける。かくいう自分も最近までこれがいったいなんのことだかわからず、手っ取り早く「'LOLってなに?'」と使っている本人に訊いたりしていたのですが、いま、かなーり古いNHKのテキストをひさしぶりに引っ張り出して見たら、ちゃんと載ってたりして(苦笑)。あと、'OOT'というのもよく見かけます。意味は'out of topic'、「スレちがい(で悪いけれど)」ということ。'FYI'(=for your information, 「参考までに」)もわりとよく使われます。

 「ただいま広辞中」の記事見出しには、「気持ち伝える『顔文字』」なんて書いてあるけれど、顔文字も略語も仲間うちの俗語もTPOが大切。「和式顔文字」は1986年、「パソコン通信(!)」の時代にはじめて登場したものだという。とはいえこのような国籍不明語を乱発すれば相手に気持ちを伝えるどころか、それこそ意味不明以外のなにものでもなくなる。この手の用語は、あんがい使い方が難しいものなのです。

posted by Curragh at 21:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 語学関連
この記事へのコメント
うーん、リンクを貼っていらっしゃる本、どっちも興味深いですねえ。KYだけは娘がよく使っていたので知っていましたが・・・あとは知りませんでした。思春期の娘を持つ親には必読書になるかな? ついでに英語の家庭教師もできちゃうかな?

はげしいもんですねえ。エルトンですか。。。

英語の「略語辞典」はCurraghさんに作って頂かなくては!

Posted by ken at 2008年03月29日 23:42
自分もはじめ、'JK'とか'JC'とかを見たとき、いったいなんのことかわかりませんでした(笑)。しかし'PK'というのはどうも…大修館の例の本ですが、あとの用例に行くほどなんだかこじつけがましくなってくるような(苦笑)。

インターネット上で発達した略語も、使用頻度の高い語句にかぎればあるていど省略してもだいたい察しはつくのでそれはそれでいいとは思いますが、'TYVM!'なんて書かれてもあんまりうれしくないような…やはりきちんとスペルアウトして書いたほうが「気持ち」はしっかり伝わると思います。
Posted by Curragh at 2008年03月30日 03:21
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