小川国夫氏が逝去された。80歳、まだまだ召される歳ではないと思っていたのですが…。文学関係では、今月2日に児童文学者の石井桃子さんが亡くなったばかり。大物があいついで逝かれ、まさに巨星堕つ、という感じです。もっとも小川作品をまともに読んでいない者が、こんなこと書くのははなはだお門ちがいであることは百も承知なんですが、やはり静岡県ゆかりの作家なので、座視するのも忍びない、と思ったので…(→関連記事1、→関連記事2)。
小川氏は1956年、単車で欧州各地を放浪した体験をもとに綴った『アポロンの島』を世に問うて以来、ずっと生まれ故郷の藤枝市を拠点に活動されてきた。小川氏は生前、「故郷にあるのはことばであり、それこそが母国語であり、故郷に生きることでしか文学は生まれない」と語っていたそうですが、これはなんと深みのあることばではないですか。静岡県で文学同人活動をされている人にとって、文字どおり燈台みたいな偉大な書き手だった、という印象がある。小川氏同様、静岡で文学を志す人の精神的支柱、ということでは、おもに児童文学で活躍された谷本誠剛氏も思い出されます。小川氏はついこの前、たしか新年に地元紙に記事を寄稿されたばかりだったのに、残念でなりません(故郷藤枝には、小川氏の作品もふくむ郷土ゆかりの作家の貴重な資料を展示した文学館が昨年秋に開館している)また小川氏は、ローマカトリックの信徒でもありました。遅まきながら、氏のキリスト教関連の著作をなにか読んでみようかと思います。自分の読書の好みとして、随筆とか紀行ものが好きなので、そちらのほうも探してみようかな。とにかくいまたはただ、ご冥福をお祈りするばかりです。合掌。Requiem aeternam dona ei, Domine: et lux perpetua luceat ei. Requiescant in pace.
2008年04月12日
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