2008年06月01日

美術史を塗り替える大発見

1). きのうの夕刊を見てびっくり。バーミヤン遺跡の石窟内に描かれた仏教壁画が、じつは世界最古の油絵だったという!! この壁画が描かれたのは7−10世紀にかけてらしいので、これは美術史を塗り替える大発見ではないですか。しかもこれ日本の調査隊の一大成果。そしていましがた、宇宙ステーション「きぼう」の心臓部である船内実験室と日本人宇宙飛行士を乗せたスペースシャトルがぶじ打ち上げ成功。暗いニュースばかりが目立つ昨今、こういう知らせを聞くとやはりうれしくなりますね。もっともバーミヤン遺跡については、あのような暴挙さえなかったら、もっとよかったが…。県立美術館で開催していたバーミヤン展、けっきょく行けずじまい。そうそう、行けなかったといえば、東京駅前の大丸ミュージアムで「20世紀の写真の巨匠たち」という写真展をやっていたらしい! ここでも取り上げた「児童労働」写真のルイス・ハインやエドワード・ウェストン、アンセル・アダムズに『ライフ』で活躍したユージーン・スミス…うう、こっちも見に行きたかった。でもハイン作品の所蔵館は、お隣りの山梨県・清里にある写真美術館に行けば見られるようだ。身延線とか乗り継いでいけばなんとか行けそう。

2). そしてこちらもちょっとびっくり。長いこと謎だったストーンヘンジの建造目的がついにわかった?! というニュース。でも中身をよーく見ると、言い出しっぺのこの教授先生の「仮説」にすぎない。支配者一族の共同墓地説は以前からあったし、そもそもそれが証明されるには人骨とか、なにか証拠が出てこないと*。 バッハ研究の小林先生も、この前読んだ著書の中で言っていたけれども、向こうの研究者って、たとえば「フーガの技法」の「未完の4重フーガ」をめぐる謎についていろいろ考察するのはいいけれど、「自説こそ謎を解決した」と言わんばかりの書き方が目立つ気がする(聖ブレンダンがらみの論文でもそんな書き方のものがまま見られ、あとから反駁されたり…)。今回発見されたばかりのBWV.1128にしても――出だしと終結部の画像だけで判断などできるわけもないけれども――すなおにバッハの真作だと受け止めることができずにいる。ハレ大学の発見者の先生は太鼓判を押しているようだが…。ストーンヘンジ関係では、なんとこんな記事も。昔、イタリアにてイタズラ描きした罰として、自分で汚した文化財をきれいに掃除しに行かされたという邦人観光客の話を聞いたことがあったけれど、削るとはまたなんと不遜な。たしかに昔のストーンヘンジはだれでもサークル内に出入り自由だったが、いまでは高いフェンス越しに眺めるだけ。四六時中警備員が目を光らせていますが、今回はその隙を突いたかっこうになったらしい。なんとも情けない話ではある。

 …蛇足ながら、さっき見た「THE 世界遺産」。はじめて知ったが、昨年、カッパドキアでは偶然にもまた巨大な地下空間が発見されたんだとか。カッパドキア、とくると、以前地元紙で読んだ大林宣彦監督の話も思い出します。なんでもあそこの「地ワイン(赤)」は絶品だったとか…飲んでみたい。

* ... こちらの記事によると、人骨ではなくて、「遺灰」は多数見つかっているようです。でも「初期」段階はまだ石造りではなかったし、巨石を組み上げた時代も「墓地」として使われていたのか、までは証明できないと思うのです(cremation=火葬のこと)。また遺灰があるからといって、即そこが埋葬地とはかぎらない。ストーンヘンジの複雑な石の配列からしても、墓地というのは複合施設に付属したもののひとつにすぎないのではないかと思います。たとえて言えば、教会の墓だけ見て、礼拝する場所としての教会を見ていないような気がする。

posted by Curragh at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・考古学
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