2006年10月30日

VoIP、SONY、iPodウィルス騒動

1). VoIP、つまり「ネット電話」がアナログ回線にくらべて安価なので、このところ急速に普及しつつあり、街を歩けば電柱のてっぺんあたりでなにやら工事のおじさんたちが作業している。おそらくは無線LAN関係か、光ファイバーか、IP電話関係の工事だと思いますが、ここにきてかねてより懸念していたことが。

 たとえばNTT西日本管内の大規模なIP電話の不通騒動。解約した方も多いと聞く。また携帯電話では「番号ポータビリティ」制度導入にあわせて携帯電話料金の「価格破壊」を仕掛けた某会社(東海デジタルフォン→ツーカーセルラー東海→J-phone→Vodafone…)も、「予想外」の事態に陥っているとか…。

 SEでもなく、WWWネットワークについても素人だけど、そんな素人目にもはっきりわかっていることがあります…かんたんに言えば、「現在のインターネット網という仕組みは電話インフラの代用にはならない」ということ。なんでかって、今回の一連の騒動が雄弁にそれを物語っています。

 インターネット、つまりWWWは全世界中に張り巡らされたサーバとルータによって中継される仕掛けで、本来は、核攻撃を受けた地域の中継サーバが倒れても安全に通信できるようにと開発されたコンピュータネットワーク網技術。VoIPとも言われる「IP電話」はなんか現在のメタル回線電話に取って代わるもの、というイメージを植えつけられそうになりますが、今回のことで明らかになったごとく、じっさいにはアナログメタル回線の固定電話以上に脆弱で、しかも一度トラブルとなかなか復旧しないものなのです。なんですぐに復旧しないのか、については上で書いたとおりの、WWWならではの「利点」がここでは最大の「欠陥」に化けてしまうからでして…ようするにトラブルを起こしたのがどの中継(処理)サーバなのか、しらみつぶしに調べないとわからないからです。ひとことで言えばデータ通信経路が毛糸の玉よろしく複雑怪奇にこんがらがっているため。原因特定はいわゆる「干草の山から針一本」を見つけるのとおんなじようなものなのです。

 携帯…の騒動については、これははっきり「見切り発車」以外のなにものではないのではないか。こうなることはあるていど予測できたはず。

 これではいざというときが心配で困ります。このニ例を見てもわかるとおり、なんでもかんでもデジタル化すればいいとか、アナログなFM放送なんかやめてネット放送にしたらいいというものではないのです。固定電話は100年以上の「地に足のついた」歴史とノウハウがあるいっぽう、こちらはデジカメ同様、海のものとも山のものとも、いまだどう転ぶかわからない発展途上の技術。使わされるほうも、この点をしっかり認識しなければなりません。

2). 事実上のリチウムイオンバッテリ開発元のひとつSONYによる、一連のノートPC用バッテリ発火騒動。つい先日もNHKテレビの夜のニュースで、紅蓮の炎を噴き上げるノートブック(どこのメーカーかは不明)の衝撃的な映像を見たばかりなんですが、もうやってることが支離滅裂。個人的にもSONYっていい印象はなくて、以前使っていたCDウォークマンも「メーカー保証期間」が切れてしばらくすると動かなくなったり…もっともうちの場合、家電は松下がほとんどで、テレビもラジカセもみんな20年選手。ところがいままで買った2台のCDウォークマンはあまりに短命、これがいわゆる「SONYタイマーか」と溜息をついたものです。

 今回の騒動も、やっぱりどこかつながっていると思います。SONYの有能な技術者は、会社側のリストラがはじまるとさっさと見切りをつけて離職した人が多いとも聞きますし、また生産拠点の海外移転も遠因だと聞きます。

 ついでに――する人はいないだろうと思うけれども――リチウムイオンバッテリはけっして分解しないでください…これってけっこう危険な電池なのです…へたすると腕が吹き飛びます。もし自分みたいに「バッテリ昇天」してしまったら、専門の換装業者に相談するのがいちばんです。と言っておきながら、あまりにお高い換装代金のためいまだバッテリは死んだまま…orz。

3). iPodでただいま業績絶好調らしいApple。ところがWindowsユーザにとっては信じられない事件が。なんとiPod製造用マシンに混入したウィルスに感染した状態で出荷されたiPodがあるというのです。しかもApple社側の発表も遅すぎ、おまけに謝罪と言っておきながら、Microsoft側に責任転嫁するかのような不注意な表記をめぐってまたしてもひと悶着。…たしかにセキュリティ対策万全、どこもアナはなし、なんてOSありはしませんが、責任は当然Apple社のおざなりな管理体制にあるのだから、やっぱりまずいというか、こういうところで米国の名の通った企業の顧客軽視、「大名商売」が見てとれる。もしこれが自社製品の次期OSX Leopard だったら、こんなのんきなこと言ってられないでしょうに。

 …デジカメは、気に入らないカットがあればいつでもどこでもかんたんに消去、リセットできる。RAW画像データがフラッシュメモリに記録されているにすぎないから。フィルムカメラは一度、フィルムに光が当たれば感光して映像は半永久的に焼き付けられる――失敗作も傑作も。なんでもかんでもデジタルへ、というのは、なんでもかんでもかんたんに「リセット」してしまえるという恐ろしい「誤解」をあたえかねないと危惧してしまう、今日このごろ。

 …記事とは関係ないけれど、こちらの記事も興味深いですね。↓

 ウェブ文化圏・ケータイ文化圏とネット文化圏の深い溝

 追記。ちょっと古いけれど、いましがたこんな記事も見つけました…。

 WindowsパッチとiPodの注文書を装うスパムメール詐欺に注意を

 「ナイジェリアの手紙」はいつまでたってもなくならないものですね(嘆息)…。

posted by Curragh at 02:25| Comment(0) | TrackBack(1) | Web関連
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