2015年11月30日

シベリウスはお好き? 

 昨晩の「クラシック音楽館」は、来月8日でちょうど 150 年目の誕生日を迎えるジャン・シベリウス尽くし! でした。

 フィンランドとくると、叙事詩「カレワラ」や、第2の国歌とも言われる「フィンランディア」… と言いたいところだが、少年合唱好きとしてはかつて NHK BS2 で放映されたヘルシンキ大聖堂少年聖歌隊の来日公演とかがどうしても思い出される( 苦笑)。で、今月はじめにサントリーホールで開かれた公演の録画を見たんですが、これ名演だったと思います! 

 シベリウスの音楽って、じつは「フィンランディア」以外はほとんど聴いたことがなくて、Ottava を聴くようになってからちょくちょく耳にするようになってきた( もっとも NHK-FM でもかかってましたが )。シベリウスの交響曲作品で日本でウケがすこぶるよいのは「2番 ニ長調」… のようだけれども、ワタシは2年ほど前だったか、なにかの番組で聴いた「5番 変ホ長調」が、なぜか自分の感性とフィットして、大好きになった。そしてつい最近、音楽学者の皆川達夫先生が案内役をつとめる「音楽の泉」にて、シベリウス最後の交響曲「7番」をたまたま耳にして、こちらも好きになった[ 以前 BBC Music だったか、作曲者が北の人か南の人かでできあがった音楽作品の「温度」が決まってくる、みたいなコラムを読んだことがある。シベリウスはやはり、夏のクソ暑いときこそふさわしい。冬は … どうなのかな ]。

 いま、ユッカ−ペッカ・サラステ指揮、フィンランド放送交響楽団による音源をいつも行ってる図書館から借りてきて聴きながら書いてるんですが、昨夜見た公演というのが、まさにこの音源のフィンランド放送交響楽団の来日公演だった。まったく知らずに借りてきたので、これはまことにうれしい偶然。

 現首席指揮者ハンヌ・リントゥ氏の説明によれば、「2番」を純粋な音楽作品として聴いてほしい … みたいなことをおっしゃっていたのが印象的だった。ロシア支配からの独立、民族自決 !! みたいなフィルターを通さずに、ただひたすら一音楽作品として楽しんでほしい、そんな趣旨のコメントでした。「ヴァイオリン協奏曲 ニ短調」もすばらしかった。リントゥ氏はソリストの諏訪内さんを、「ひじょうに軽やかに表現してくれた」と評価してました。ヴァイオリン弾きでもあったシベリウスのこのヴァイオリン協奏曲は、それまでの同ジャンルの作品とはたしかに異質というか、とてもユニークだというのは、ワタシのような門外漢が聴いても感じられる( カデンツァの配置の仕方とか )。そして当然の事ながら、と言うべきか、技巧的にも困難を極める難曲だということもリントゥはおっしゃっていた。「2番」と「ヴァイオリン協奏曲」は、ほぼ同時期に作曲されたんだそうです。

 ワタシの好きな「5番」については、終楽章で金管が鐘のような動機を朗々と吹奏する場面が、やっぱり好きですね … 作曲者自身はこの特徴的な動機について、湖面で鳴き交わす白鳥をイメージして作ったとかって読んだことがあります。シベリウス作品とくると北欧の厳しい自然の描写、という先入観がどうしてもつきものですが、なるほど、たしかにこりゃ白鳥の鳴き声だわ。それがまたじつに神々しい。

 最後の交響曲の「7番[ 調性はハ長調 ]」についてはリントゥ氏曰く、「無駄な音などひとつもない」傑作。単一楽章しかない、演奏時間わずか 20 分ほどのこの作品を交響曲と呼んでいいものか、と疑問に思う向きもいるかもしれないが、長けりゃいいってもんでも、またないんじゃないかって個人的には思います。だからってマーラーやブルックナーは長すぎ、なんて言わないけれども … ふだんは短いものだと数分ほどで終わるバロック音楽ばっか聴いているものだから、たまーに「巨人」とか「ロマンチック」とか聴くと、いつの間にか夢の世界へ旅立っていたりする( 苦笑 )。

 サントリーホールでの公演ではアンコールをふたつ(「ベルシャザール王のうたげ」から「夜の音楽」と「4つの伝説」から「レンミンカイネンの帰郷」 )も !! 演奏するなど大サーヴィス。TV 画面を見ていても当日の興奮というか、会場の雰囲気は伝わってきた。この実演に接した人は、幸せだったと思う。

 そんなわけできのうの夜は宅配ピザをつまみつつこのすばらしい演奏会を TV 鑑賞して、ボージョレ・ヌーヴォーを開けてたんですが( 笑、それにしてもアルコール度数 13 % というのは … ヴィラージュ・ヌーヴォーにいたっては、13.5 % !! パンチは効いてるけど、その分軽やかさがやや削がれている気はした。色も例年に比べてカベルネ / シラーかと思うほど濃厚ですし )、その 29 日というのは、聖ブレンダンつながりでは「バーの聖ブレンダン」の祝日でもあったりする。だいぶ前に書いた拙記事の二番煎じではあるが、ついでに思い出したのでご参考までに。

 … 「クラシック音楽館」のあと、BBC Radio 3 の Choral Evensong で毎年この時期恒例のセントジョンズカレッジ聖歌隊による待降節礼拝の中継に耳を傾けてました … 今年もあっという間に 12 月、去来する思いはいろいろあれど、とにかく皆さまも ――「きらクラ!」の決まり文句じゃないけど ―― どうぞ時節柄ご自愛くださいませ。

追記:明日、NHK-FMにておなじ公演の放送があります。

posted by Curragh at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽関連
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