2008年07月27日

iPhoneとUMPC

1). まずiPhone関連記事から。こちらの記事は、米国では文字どおり第二世代iPhoneの発売当日早々、端末の認証をおこなうApple社のサーバーがさっそく倒れた、というもの。昨年は買った人が自宅のMac/Windowsマシン経由でアクティヴェーションする方式だったのが、今回は日本同様店頭での認証に切り換えたことと、第一世代iPhoneユーザーがファームウェアを我先に最新型のiPhone2.0にアップデートしようとしてアクセスが集中した結果、ダウンしたという。でもこうなることって予測できていたんじゃないかと思うけれども…。iPhoneという製品じたいは完成度は高いと思うが、こういうところがあいかわらずというか、AppleもMSも某セキュリティソフトヴェンダーも大差ないなぁ、というのが偽らざる感想です。

Apple did not comment publicly on the problems, but privately executives acknowledged the missteps and said the combination of the software upgrades and new iPhone 3G owners trying to complete their activation swamped the company’s servers.

公式サイトも見てみましたが、お詫びみたいなことはどこにも書かれてないようです。またMacユーザーのなかには有償Webベースサービスの.Macが突然、MobileMeなるiPhoneとの連携を強化したサービスへと変更したことについてもなんらかの問題を抱えている人がいるみたい。

 また技術コラムニストのポーグ氏の記事によると、米国では日本ほど3G通信網が発達してないから、たとえば10州では3G通信できるところがゼロだったりする。この件について、こちらのサイトによるとAT&T社に非難が集中しているようです。またポーグ氏の記事では、たしかにiPhoneの端末じたいの価格は大幅に下がったものの、2年縛りの契約が終わるころまでに払った合計金額は、旧世代のiPhoneより安くなることはないらしい。でも、音質は飛躍的に向上しているという。

True, iPhone 3G service now matches the plans for AT&T’s other 3G phones; still, by the end of your two-year contract, the iPhone 3G will have cost you more than the old iPhone, not less.

The third improvement is audio quality, which has taken a gigantic step forward. You sound crystal clear to your callers, and they sound crystal clear to you. In fact, few cellphones sound this good.

 第二世代iPhoneには「本物」のGPS機能搭載が売りでもあるが、受信アンテナが小さすぎて、カーナビのようには表示できないし、なにか障害物があると受信できなくなったりするようです。とにかく空がきちんと見えないと使えないのかもしれない。

 第二世代機には初代から未搭載のままになっている機能も多い。ヴォイスダイアルができない、コピペができない(これは近いうちに可能になるような話も耳にした)、メモリカードスロットがない、などなど。でもポーグ氏に言わせると、そういった失望の声をだまらせる「大津波」のような目玉機能がある、それがiPhone App Storeだと言います。

 携帯端末、とくにスマートフォンにインストールできるサードパーティ製ソフトというものをちっとも知らないからどんなもんだかなんとも言えないけれども、開発者にとってはこれかなりおいしい話らしい。なんでもiPhone売り上げの70%分が支払われるらしい(→国内関連記事)。App Storeは、言ってみればiTMSのソフトウェア版みたいなもの、一種の囲い込みとも言える。ジョブズ氏の本音は、「とにかくiPhoneを売れ!」ということに尽きる。で、じっさいそうなっているのだから、してやったり、というところでしょうか。

“We are not trying to be business partners,” Mr. Jobs said of the App Store. Instead, he said, the goal is to “sell more iPhones.” Apple gives developers a 70 percent cut of sales.

 開店当日の品揃え(?)は500本ほど。ジョブズ氏によると「うち三分の一はゲーム」という。それでも25%はフリーウェアだし、有料ソフトでもほとんどが10ドル以下で入手できるという。

 さて昨年NHKで放映された「グーグル革命の衝撃」でも取材を受けて、日本でも有名になった(?)青年の運営するサイトは、携帯電話のレヴューサイト。さっそく見てみたら、AT&T社の遅いEDGEネットワークではたとえばNYTimesのようなCSSの複雑に絡みあったページを表示するのにまるまる1分はかかるという。

The combination of a "2.5G" data technology and a HTML/CSS compatible browser can mean some heavy wait times (expect about a minute to render a complex page like nytimes.com).

 とはいえいまさっきTimesサイトを見ていたら、iPhone/iPod touchに最適化したサービスウェアをすでにApp Store経由で配信しているようです。オフラインでも読める機能とかはたしかに便利そうですね。

 しかしながら、いまのところiPhoneは使いやすいとは言いがたいと思う。ジョブズ氏がデモをやっていた中国語では「手書き」入力ができるのに、なぜか(?)日本語版にはなし。おまけに予測変換もかなーり遅いらしい。このへんはいずれコピペともども、ファームのヴァージョンアップで解消されるとは思うけれども、やはり2年縛りの契約を考えるとそうおいそれとは手は出せないなあ、というのが正直なところ(キャリアが…ねぇ)。それに、PCをもっていることを前提にするスマートフォンというのはどうなんでしょ? iPhoneの全機能を使えるようにするためには、どうしてもiTunes経由で認証する必要ありとはっきりキャリアのサイトに書いてある。またバッテリの扱いにくさも相変わらず。うまくすれば2年はもつようですが、充電不能になったら、なんと9800円にて端末ごと店頭交換! しかも2-3営業日は待ちされるという!! デザインはたしかにすばらしいけれども、こういうほんとうの意味での使い勝手のよさまで犠牲にしているところが個人的には納得いかない。

 ちなみに米国では日本みたいな「携帯メール」というものは存在せず、かわりに字数制限つきのSMSというテキストメッセージサービスが主流らしい。ポーグ氏によるとAT&T社提供の基本プランだと、無制限ネット接続+450分の通話、200文字以内のテキストメッセージつきで月額70ドル、それに手数料と税金がかかる(→国内関連記事)

2). つづいてはこちらの記事。ウルトラモバイルというあらたなPCの出現に大手PCヴェンダー各社は戦々恐々、というもの。もとはと言えば台湾(それと日本)の中小のヴェンダーが開拓したマーケットで、途上国向けを想定して出荷していたらしい。それが日本でもそうですが、予想以上に引き合いが来て、気がつけば安価な「ウルトラモバイル」PC市場ができてきた。でも記事にもあるように富士通やDell、IntelにMSといった業界大手は当然のことながら、参入にはいたって慎重。米国富士通の人は、最低価格ラインがさらに下がると懸念しているし、Dellのマーケティング部長という人もしょせんこの手のマシンは出張移動時とかに使うていどの製品にすぎないと言ったり。とはいえIntel社は、2011年までに4千万台を出荷するほどの市場規模が見込めるとも予測。MS社も――しぶしぶながらも――こうした低価格マシン向けにのみ、WindowsXPの出荷をつづけると言ってますし(それ以外のXPはすべて出荷終了)。ただでさえ利ざやの薄いPCヴェンダー各社は板ばさみのディレンマに陥っている、という趣旨の記事です。

 一エンドユーザーとしては、選択肢が増えることはいいことだと思うし、早く日本国内向けモデルでもLinux搭載の安価なマシンをだしてもらいたいところ(Linux搭載機は300ドルで売られている)。たしかにこれ以上の値崩れは長期的に見てあまりよろしくないことだとは思うが、買っている人だって「出先でちょこっとネット接続」みたいな使い方が多いのではないかな。アプリケーションだって、いまやWebベースアプリを土台とした「クラウド・コンピューティング」に移行しつつあるし、Webに接続さえできればたいていのことはできちゃったりする。いらんお世話的機能がごてごてくっついて値段を吊り上げたようなマシンはもうだれも見向きはしないと思いますが、どんなもんでしょうか。できればXOマシンみたいに、発電用「手回しクランク」付きのノートブックも出してほしいと思います。この分野のマシンのラインアップが充実するのはこれからですね。

posted by Curragh at 21:29| Comment(0) | TrackBack(0) | Articles from NYTimes
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