2022年06月10日

stars we chase 最高ずら

 いま放映中の『ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期の第9話。このTV アニメシリーズはどういうわけか3の倍数回、とくにいままでのグループが9人組だったこともあってか、ストーリー展開の重要回が9の場合が多いような印象を受けますが、今回もまさにそんな展開でした。

 個人的にちょっと驚いたのは、全編英語歌詞の挿入歌が披露されたこと。メインで歌唱されるアニソン(いや、前にも書いたが『ラブライブ!』シリーズの全楽曲はもはやアニソンなどではない、と言い切ってよいと思っている)で全編英語歌詞というのは、これがはじめてなのでは? ミア・テイラー(米国の名門音楽家一族の生まれの14歳で、ニジガクには飛び級で3年に編入)は当初、香港からやってきた留学生で自分の「ビジネスパートナー」の鐘嵐珠(ショウ・ランジュ)のために書いた楽曲を、自分が歌うために「転用(バッハもよくやっていたパロディと呼ばれる技法)」するわけですが、MIDI キーボードでポロンポロンと音出ししていたフレーズ、あれもしっかり楽曲に再現されてましたね。

 それはともかく、あいかわらず攻めているというか、やっぱり『ラブライブ!』シリーズらしいなぁ、と感じたのも事実。『スーパースター!!』の Liella! 5人グループのときもラップ(!)調の楽曲が登場したりと、つぎつぎと新しいことに挑む姿勢は見ていてすがすがしいとさえ感じます。今回の楽曲なんかまんま洋楽、Billboard Hot なんたら、という感じの仕上がりで、向こうの人がなんの先入観もなくコレ聴かされたらブッとぶんじゃないでしょうかね。

 で、その歌詞内容がこれまた刺さりまくりで、このシリーズに一貫して流れているメタメッセージがしっかり歌われているのがまたすばらしい。すばらしすぎて、つい試訳をこさえてしまったほど(後述)。

 じつはこれ、↓ にもあるように、公式さんが限定公開している MV に日本語歌詞が掲載されているんですけれども、こちらに関しては、一部からこんな声も寄せられています。いわく、「公式訳、意訳がすごすぎて原語のニュアンスが伝わらないのでは?」、「stars we chase 試聴動画の訳見てるけど、押韻最優先で書かれてんのか意訳すぎてまったくわからん」……

 また、日本語歌詞が先にあって、それに英語歌詞をアテていったようだという話もあります(真偽のほどは不明、こちらなどが参考になるかも)。

 ワタシも公式さんの公式「訳」を見たとき、こっちがオリジナルで、英語歌詞はそれをベースにしたものではないか、という印象を受けた。双方を比べ読みしてそう思っただけで、なんの根拠もないが …… おおまかな内容はどちらもほぼ同じで(当たり前)、ようは聴く人の好みの問題なんですが、解釈的に引っかかりやすいところがひとつあります。
Shadow walk and dealing, truth inside revealing / Still, a part of me's seeking that feeling
 ここの ‘truth inside revealing’ は、「どうせオラなんてこんなもん」というイジけた気持ちが「現れた」くらいの意味でしょう。そうとらないと直後の歌詞とつながらない。ちなみに c.v. の内田秀さんがこの箇所を的確に説明されていたので、重複も顧みず、ここでも引用しておきますね(発言内容は YouTube で配信されていた、「最新話直前生放送」から)。
(あの輝きは時間とともに小さくなっていった、だから目を閉じたんだ)…… 英語の歌詞もね、“Shadow walk and dealing,”とあるんだけど、「影の中歩いて」、dealing というのがなんだろ、「慣れる」とか、もう長いこと暗闇にいるから(慣れちゃったけど)、でも、“Still, a part of me's seeking that feeling”というのが、一部の自分が、まだその感情を求めてる、ていう。だから、あの輝きを忘れられない、みたいな。……
(また、“It's back and now / Take your hand out, we can reach”のくだりですが、now は take your hand out にかかる。だからほんらいは It's back / and now take your hand out, we can reach となるべきところ)

 本編に「領域展開」して組み込まれた MV もまたすばらしい。暗い部屋(?)の中にぽつんと置かれた空っぽの鳥かごのモティーフは、Aqours の桜内梨子が内浦の海に潜り、求めていた「音」を見つけたときを思い出させるような描写だった。「夜の海の航海」というやつですね(こちらとはまるでカンケイないけれども、昔、『ナイチンゲールのかご』というパリ木の子どもたちが主演した映画があったのも思い出した)。不肖ワタシもすっかりミア・テイラーの熱唱にアテられてしまって、このシングル盤は買うずら、と思ったしだい。というわけで、最後に僭越ではありますが、拙試訳をくっつけておきます。
stars we chase sung by Mia Taylor[TV 挿入歌版]

昔 ぼくは星を見上げて ずっと追いかけてた
手を伸ばせばつかめるって信じてた
でもぼくが思ってたより それはずっと遠くて
あの輝きもずっと小さくて だから目を閉じた

いつだろう 顔をそむけるようになったのは? 
いつだろう 苦しい気持ちばかり大きくなっていったのは? 
いつしか影を見て歩いてた これがほんとの姿なんだと
でも心のどこかで あの輝きを追ってた

きみにささげた音楽に 夢をこめた
それは巡り巡って ぼくの中にもどってきたよ
きみが教えてくれたんだ この光がまぶしく輝く場所を

それはもどってきた
手を伸ばそう ぼくらなら届くよ
解き放たれるときを ずっと待ってたんだ
それはどんどん大きくなって 叫びになる
ぼくらの明日はもっと輝くよ

勇気を出して

あの星にはどんな色も どんな輝きもある
ここから見つけよう
ともに輝こう
きみの輝きを隠さないで



posted by Curragh at 04:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳の余白に
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