2008年09月20日

モーツァルトの未発表曲…らしい

1). まずはこちらのニュースから。なんでも仏ナントのジャック・ドゥミ資料館に長らく保管されていた楽譜が、このたびモーツァルトテウムの専門家が鑑定した結果、モーツァルト本人の直筆だと判明した、というもの。いままで他人の筆写譜だと思われていたらしい。とはいえ…「ニ長調のミサ曲」といっても、見たかぎりでは単声の旋律線のみが書かれているだけのような気がするが…とりあえずC、4分の4拍子で「クレド(ニケア信経)」の部分らしい(出だしにCredoと書いてある)。紙の上のほうに文字どおり「書きなぐって」あるのがなんだかわからないがなにかの草稿譜らしい。調性は――たまたまサブドミナントの――ト長調かな、こっちも4分の4拍子で、G音で終わっているみたい。「クレド」にしても15小節では、「再現演奏」したとしてもあっという間に終わりそうですね(→47Newsサイトの記事)。

2). 木曜朝の「バロックの森」では名前も知らない作曲家がぽんぽん出てきておもしろかった。スウェーデンのヨハン・へルミッヒ・ローマン Johann Helmich Roman(1694-1758)という人のチェンバロ作品とか、オランダ生まれで英国に渡って活躍したというヘレンダール Pieter Hellendaal(1721-1799) というヴァイオリニストの合奏協奏曲、そしてまるで経歴のわかっていないオランダの音楽家ヘンドリク・フォッキングの「ソナタ ニ長調」とかがかかりました(ローマンについてはこちらのblogに言及がありますが…演奏者ペインについてはさんざんですね orz)。また月曜朝は「ドイツ3S」と呼ばれたりするシャイン、シャイト、シュッツのうちシャインシャイトの作品がかかりました。シャイトのオルガンコラールはヴァルヒャ引退記念盤のもので、これはもってるからいいとしても、シャインの声楽曲「イスラエルの泉」から2曲はお初なので、録音しておきました。ちなみにシャインは、バッハのほぼ100年前にトーマス・カントルだった人。なのでバッハの先輩にあたります。演奏は名門ドレスデン聖十字架合唱団。ちなみに昨年横浜で聴いたここの「マタイ」はとてもよかったです。来週の予告も見ましたが、月曜はバッハ、水曜には北ドイツオルガン楽派のリューベックですか! 金曜のヘンデル特集では名曲「祭司ザドク」がかかりますね。自分はキングズカレッジ聖歌隊の録音盤をよく聴いています。また月曜にかかるバッハのライプツィッヒ時代の作品「ミサ曲 ヘ長調 BWV.233」は、「キリエ」と「グロリア」のみの構成による「小ミサ Missa Brevis」、大半がカンタータからの転用からなり、たとえば「降誕節(クリスマス)」礼拝用に書かれたBWV.91のカンタータ冒頭合唱フーガも「再利用」されています。バッハは「いいアイディアは何度でも」という人だったので、それが人様の作品だろうと自作だろうとかまわずあっちこっちで再利用する天才でもありました(註:「再利用」イコール「手間隙を省く」ことではない)。

3). まだリンク切れしていないようなので、こちらの記事も紹介しておきます。むむむ、「クラシック・ファン 自尊心が高くクリエイティヴで、鷹揚。しかし、社交的ではない」ですと!!! 当たらずとも遠からず、かな。もっとも人間というのはかんたんには類型化できないところがおもしろいのでして、「自尊心が高くクリエイティヴで、鷹揚。しかし、社交的ではない」というジャズ好きだっているでしょう。ああ、そういえば以前、地元紙夕刊に連載もってた小説家の方が、バッハとヘビメタは似ているとかなんとか、ほとんど妄想ではないかともとれることを書いていましたが、後日この方は麻薬不法所持の現行犯で逮捕されたりしているので、こういう人は、はっきり言って困る、というかほかのバッハ好きの方にとって迷惑この上ない。ついでにスコットランドのHariot Watt大学によるオンライン調査は継続中…このさいだからのちほど参加してみますか(追記。いまさっきやってみたけれど…はっきり言ってこれ「恋愛診断」みたいな内容。なかには「あなたはバイですか、ヘテロですか、ホモですか?」なんてかなりきわどい、というか失礼な項目もあるし…。おまけに失恋ものやら恋愛ものやら、AかBの歌詞のどっちがいい、とかさんざん訊いてくるし…だんだん苦痛になってきた(笑)。で、終わったら、

Final Page
The questionnaire is finished.

Thank you VERY MUCH for participating in this survey. We remind you that your answers will remain completely confidential.

The aim of this survey is to investigate the importance of musical preference in different aspects of everyday life. We also would like to see if it can have an influence on one's significant relationships.

だってさ。もー失礼しちゃうな! こんなんでほんとうに個人の音楽の嗜好なんてわかるんだろうか??? 人柱になってみて感じたのは、音楽とはあんまり関係ないアンケートだった、ということでした。orz orz とんだくたびれ儲けだったわい)。

posted by Curragh at 14:58| Comment(6) | TrackBack(1) | 音楽関連
この記事へのコメント
モーツァルトの楽譜の写真拝見しました。
自筆に間違いないでしょうね!

でも、ヴァイオリンパートのみのパート譜か何かでしょうか? そんな仮定の上で眺めて「クレド」の方を追いかけて見ると、音型はザルツブルク時代のミサのクレド楽章で多用したものと、たしかに同傾向です。ニ長調のミサの断片は1772年と推定されるものが他にあるそうなので、それと関係があるのかな?
でも、上半分は謎ですし、用紙が切り取られているのも不審です。もしかしたらクレドの方も含め「スケッチ」かもしれませんね。書きなぐったという印象を受けますから。

・・・あ、ニュースそのまんまのことを綴っちゃったようなモンか。。。

ご容赦を。

Posted by ken at 2008年09月21日 20:48
Kenさん

さすがです。コメント感謝いたします。m(_ _)m

すいさんのblogを見ましたら、仏ル・モンド紙サイトの記事が紹介されていて、どうも「クレド」のとなりに「キリエ」があるようなのです。↓

http://lapereauensommeille.blog48.fc2.com/blog-entry-646.html

もっとも再現演奏はあっという間に終わってしまうとは思いますけれども。
Posted by Curragh at 2008年09月21日 23:15
うーん、「クレド」の書法からすると、1787年の作だ、という判定には頷けないなあ・・・
身管のハ短調ミサでも、レクイエムでも、(仮に書かれている音型がヴァイオリンのものだとすると)宗教曲の中でこういうパッセージを使用していることは無いものですから・・・

なんで1787年なんだろう?
Posted by ken at 2008年09月21日 23:33
まことにあいすいません、『ル・モンド』紙ではなくて、『ル・フィガロ』紙のサイトでした…。かなり酩酊しているなぁ…orz orz。

仏語は万年初心者レヴェルでおこがましいのですが、作曲年代推定の根拠はどうやら1783年にモーツァルトが父上にあてた手紙というものも資料館はもっていて、その記述から判断したみたいですね。個人的に気になるのが、最下段に走り書きされた署名入りの文章がなにを言っているのかです。1839年にだれかさんが「これはモーツァルトの直筆です」と書いてあるようなのですが…。
Posted by Curragh at 2008年09月22日 00:15
昨日の時点で思ったことはブログ記事に綴りました。鑑定署名の件は、間違いありませんね。

http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/921-5a79.html

フィガロの映像見させて頂きました。が、私めはフランス語は他の言葉に比べてもなお一層チンプンカンプンなため、さっぱり分かりませんで・・・
(^^;

手紙の中身とやらを知りたいです。それがキーなんでしょうね。


Posted by ken at 2008年09月22日 06:51
> 手紙の中身とやらを知りたいです。それがキーなんでしょうね。

まさにそうですね! そして記事のほうありがとうございました。とても参考になります! m(_ _)m

Posted by Curragh at 2008年09月23日 07:30
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モーツァルトの自筆譜確認:付)9月21日練習記録
Excerpt: Curraghさんのブログの「モーツァルトの未発表曲…らしい」で知ったのですが、
Weblog: がたがたへりくつクラシック
Tracked: 2008-09-21 22:16