2005年12月31日

Aled, the autobiography

 年末年始は――いつものことながら――たまった和洋書をあっちこっちひっくり返してはつまみ読み、ということの繰り返しです…。

 ブレンダン関連では、T先生より貴重なラテン語文献を貸していただいたり、重複して買ってしまったとのおことばに甘えてこれまた貴重なBrendanianaの復刻版を譲っていただいたり、Celtic Spirituality なる大部のアンソロジーを買ったり聖ブレンダン本としては最新刊のこの小冊子を買ったりと、充実した一年でした。

 あとはサイトのほうにすこしでもこの成果を反映できるといいのですが。
とりあえずはながらく手つかずのまま放置していた英語版作成でもはじめるか…それと、なるべくCSSを導入して異なるブラウザ環境でもだいたいおなじように見えるようにしたい…のですが、あんまりはかどってません。

 中身で勝負とはいえ、accessibility も大切ですので。いろいろ思案中です。

 ブレンダン本に偏りがちな読書ですが、今年読んだなかでもっとも印象に残ったのはAled the autobiography。20年くらい前、100年にひとりの天才トレブル歌手として鮮烈にデビューしたアレッド・ジョーンズ。自分も数年前に中古CD屋でたまたま見かけた廃盤の国内盤を4枚、あわてて買い占めたりしたものですが、華やかなボーイソプラノ時代が終わったあと、王立音楽アカデミーに入学してときおりディースカウに師事して歌の研鑽を積んでいた、ということ以外はなにも知らず、現在でも音楽活動しているんだろうかなどと思っていたら、2001年に「大人」の歌手として再デビュー、ユニヴァーサル移籍後はなんとLiberaのロバート・プライズマン氏プロデュースのアルバムをたてつづけに出すなどみごとな復活を遂げていたのでした…。


inside 'Aled, the autobiography'


 はたち前に一度来日してウィーンの森少年合唱団公演にゲスト出演して「ヘンゼルとグレーテル」で語り役を務めたり「ピーターと狼」の朗読を録音したり、某月刊音楽雑誌に「アレッド・ジョーンズのおしゃべり日記」を連載したりと日本でも引っ張りだこだったアレッド。いまやニ児の父親として子育て真っ最中…みたいです。

 さてそんなアレッドですが、今年の春、ついに自伝本を出した、というのでさっそくAmazonで買って読んでみました(ほんとうは昨年の今ごろ発売されるはずだった)…暇なときにのんびりかじり読みしていたせいか、買ってから約半年後のいまごろになってようやく読了…でも彼がこれまでどんな人生を歩んできたかがよくわかっただけでなく、歌手として人として、とても尊敬できるすばらしい大人になっていた、ということにすなおに感動しました。

 巻頭、チャールズ皇太子/ダイアナ妃夫妻からホームコンサートで歌ってほしいとケンジントン宮殿の居室に急ぎ招かれたことから書き出され、帝王切開で1970年12月29日(!)にこの世に生を受けたこと、やんちゃでいたずら坊主だったバンゴール大聖堂少年聖歌隊員時代、美声を見出されたあとの活躍、エディンバラで女王陛下の御前チャリティコンサートで大失敗したこと(「キャッツ」のMemoryを歌っている最中に歌詞をど忘れ、適当に歌詞をでっち上げて[!]歌ってしまった)、Walking in the airの世界的なヒット、ポップスター並みの熱狂的歓迎を受けた日本での思い出(宿泊先に陣取っていた十代のファンとともにパチンコ[!!]で遊んで、あとで大目玉を食らったなんてことまで書いてあります)、王立アカデミーの学生生活、舞台俳優養成学校時代、ミュージカルに主役としてデビューしたこと、BBCをはじめとする英国メディアへの出演、宗教音楽番組Songs of Praiseのプレゼンターとして酷寒のフォークランド諸島から中継した思い出、生涯の伴侶との出会いなどなど、英国人、いやウェールズ人らしいユーモアたっぷりな語り口で綴っています。

 ただ、いまだに邦訳の話が出てこないのはいささか残念。読み物としても楽しく、かつ良質な自伝なのに…。

 アレッドの自伝中、日本についてこんなふうに書かれてある箇所がありました(p.206, 以下勝手に試訳)。

 …いまぼくは日本にもどりたくてしようがない――こんどは大人のアーティストとして。かつてぼくのファンだったティーンエイジャーの女の子はみな子持ちのお母さんになってるんじゃないかな。アーティストにとってもっとも風穴を開けにくいのは米国だけど、ぼくは一か八か、ここへも進出してみたい。米国にも揺るぎない教会音楽の歴史があるし、ぼくの歌のスタイルもきっと聴衆に受け入れられると思う。

 日本のこと、忘れてなかったんですね。ここを読んだとき、すなおに嬉しく思いました。

ぜひ再来日してほしい…お供はThe Choirboysかな??

posted by Curragh at 18:38| Comment(2) | TrackBack(0) | 最近読んだ本
この記事へのコメント
私も『Aled The Autobiography』が欲しいのですが,どうしたら手に入るのか教えてください。
Posted by 聖歌 at 2006年12月21日 20:24
聖歌さん :

アレッドの自伝、自分はAmazon Japanサイトで注文しましたよ(ちょっと時間はかかりましたが)。↓

http://www.amazon.co.jp/Aled-Autobiography-Jones/dp
/1852272503/sr=1-3/qid=1166746645/ref=sr_1_3/249-33
66224-6842749?ie=UTF8&s=english-books(途中でリンクが切れてしまったので、文字列をアドレスバーにコピペしてください)。
Posted by Curragh at 2006年12月22日 09:24
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