2009年01月05日

いきなり津波

 インドネシア東部の西パプア州沖合いで発生したM7.6の大地震。べつにむりしたつもりではなかったけれども、年末すこしバタバタしたせいか、大晦日前から風邪気味。正月休みにすこしは進めようと思っていたこともはかどらず、気分もなんとなく乗らないのでしばらく寝ていたら、かけっぱなしにしていたラジカセから「津波注意報」が。正月いきなりの地震を思うと、やはり気分も滅入る。

 「ロバの音楽座」の上野先生から季節のご挨拶メールをいただきました。毎年恒例の「動く年賀状」、凝ったアニメーションの最後に、今年は例年以上に強いメッセージが添えられていました。

都会に出ていった若者は働き口がない
若者が出ていった田舎では働き手がない
もう一度家族が一つになれるなら
隣同士で挨拶できる社会を作れるなら
宇宙的視点で常識を覆せる勇気があるなら
経済活性、雇用問題、食料自給と安全問題、振込詐欺、通魔事件…
これら社会問題がみーんな解決するような気がするのですが

日本には諸葛孔明クラスの頭脳や文化や独創力が沢山ありながら、
なぜか、その力が国を導いて行くようなことはありません。
しかも、多くの人がその内容や価値を知らずに生きていきます。
多くは個人主義、みんな勝手気ままに夢を持ち、
生活に役に立たない学力を放棄する傾向にあります。
今、この世の中を変えるにしても、一人の力じゃあどうにもなりません。
我々にとってはすでに面倒くさい事かも知れないけれど、
家族や友人、もう一歩勇気を持って知らない人とも語り合って、
そして何か形にして行かないと、日本は何も変わっていかないでしょう。


これは心からの叫びだと、噛みしめながら――そして頭を掻きながら――拝読しました。折りしもオバマさんの演説集を読んでいたところだったので、よりいっそう心に深く刻まれる思いでした。

 またアイルランド・ディングル半島付け根の町トラリー在住の――勝手に本家サイトの顧問的存在にしていますが――Dr Breandán Ó Cíobháin教授からも新年の便りが届きました。なんでもヴァイキング由来の地名にかんする記事を発表したとか(congratulations!)。残念ながら英語版ではなくて、現地語のアイルランド・ゲール語で書いたらしい。これとはべつに、ディングル半島の南に突き出すイヴェラ半島の地名にかんするアンソロジーにも寄稿して、こっちのほうはテキストを拝見させていただけるそうで、いまから楽しみ。

 3日夜の「NHKナゴヤ・ニューイヤーコンサート」。司会進行は昨年にひきつづき青島広志先生。あいかわらず軽妙な解説でしたが、クラシックないしは西洋音楽とくると、いまだに「カタいもの」という偏見が根強くlingerしている。青島先生みたいな語り口のよきガイド役がもっとたくさん出てきてほしいところではあります。お楽しみのオルガン独奏ですが、今年は珍しく(?)、コンサートオルガニストではなくて、米国の教会オルガニストの方でした。で、栄えある2009年の「弾き初め」に選ばれたのが――なぜだかわからんけれど、「トッカータとフーガ BWV.565」(苦笑)。正月にいきなり轟く雷鳴、減7度の強烈な下降音型ですか(前にも書いたがフーガ主題も冒頭句から導き出されている)。語法的にはむしろ弦楽器を思わせるとして、原曲はヴァイオリン独奏曲ではないかとする説もあり、以前、ヴァイオリン一丁で演奏した盤をNHK-FMで聴いたことがあります。演奏は暗譜で、やたらせかせかしてなくて、それはそれでよかったのですが、後半のフーガ部分の、スコアで言えば86-90小節あたりで足鍵盤に主題がもどってくる部分でかんじんのフーガ主題がかなり飛んでました。演奏者も生身の人間、たまにはこういうこともある。以前「名曲リサイタル」で、女流チェリストの方がバッハの「無伴奏」から一曲、やはり暗譜で弾いていたら、頭が真っ白になってしまって、本来コーダに入るべきところをもう一度繰り返して、その間なんとか思い出した、なんて内輪話(いやこぼれ話?)を披露してました。そして今年は、ピアノを弾いてくれた若きホープ、地元名古屋出身の北村朋幹くんの演奏をひさしぶりに聴けてよかった。浜松のコンクールで3位入賞したときとおんなじラベルの「ピアノ協奏曲 ト長調」の最初の楽章でした。ジャズっぽい感じのノリのいい――groovy?――曲です。

 バッハつながりでは、いまさっき聞いた「ラジオ英会話」。リスニング問題ではセオドアなんとかいう人にたいする「弔辞(eulogy)」が読み上げられていましたが、BGMがバッハのオルガン曲(「トリオ・ソナタ BWV.528」の第2楽章アンダンテ)だったので、こっちのほうが気になった(笑)。また先週放送のBBC Radio3のChoral Evensong。レディング郊外、ロンドンから車で1時間ほどの場所に建つドゥエー修道院教会からの中継でしたが、名前が気になって公式サイト見たら、やはり『ドゥエー・ランス英訳聖書』ゆかりの地にして、この前TVで見たカリヨン弾きの天才少年のいる古都ドゥエーと深いつながりがあった(キャスターは「ダウエ」のように発音してました)。最後のオルガン・ヴォランタリーはバッハがミツラーの音楽学協会入会のとき提出した、「『高き天よりわれは来たりぬ』によるカノン風変奏曲 BWV.769」で、まさにこの時期にぴったりの選曲と演奏でとてもよかった。

posted by Curragh at 21:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽関連
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