2009年03月15日

PowerMeter、Kindle2にヘレヴェッヘ

1). まずはこちら。「スマートフォン」ならぬ「スマートグリッド」分野に先月、Googleが進出することを発表したというものですが…まずはじめて知ったのは、米国の家電製品、たとえば「皿洗い機」にはすでに「スマートグリッド」対応型電力計と「対話」できるチップが埋めこまれているという。「スマートグリッド」というのは、情報技術と組み合わせた次世代型の電力網のことで、米国はじめ、アイルランドなどEU諸国でも導入の動きが活発になっているらしい。米国の場合は、電力供給網がつぎはぎだらけでたびたび停電に見舞われるという事情もありますが、「スマートグリッド」対応型電力計(スマートメーター)に交換すると、いままで用なしだった「皿洗い機」埋めこみチップと通信して深夜電力で皿洗いさせる、なんてことが可能になる。同様にハイブリッドカーの場合、スマートグリッド圏内ならどこでもいいから接続して充電をはじめると、自動的に電気代を教えてくれるし、またつなぎっぱなしにしておくと自動的にもっとも安い時間帯に充電してくれる。電気代を払う人からすれば経済的だし、また電気のムダ遣いもきょくりょく減らせる、といいこと尽くしのようなスマートグリッドに――最近なにかと物議を醸してはいますが――Googleが、得意のWeb技術を生かしたスマートグリッド対応ソフト、「パワーメーター」の売りこみ攻勢をかける、ということみたいです。「パワーメーター」は、Web経由で自分の消費した、もしくは売った電力がリアルタイムでわかるソフト。とはいえ「パワーメーター」普及には、これを組みこんでくれる開発元を見つけないとはじまらない。Googleとしては数か月以内にサービス提供したい考えのようですが、あいにくこれを組みこんでくれる協賛企業がまだ名乗りをあげていないようです。それでも国を挙げてこうした取り組みをしているのはけっこうなことではないかと思う。日本はもともと省エネ技術が進んではいるけれど、米国発の「スマートグリッド」という発想はおもしろいと思う。うちには「深夜電気温水器」がありますが、電気を喰う冷蔵庫とかにもこの手のチップを埋めこんで、電力計と通信しながらうまく配電してくれればもっと経済的で省エネにもなるかなという気もしますが…もっとも最近はTV(かなり古いので、地デジ…にはさらさら興味ないけれどいずれ買い換えることになりそう)をあまり見ていないせいか、電気料金がその分安くはなっています。とはいえどうしても冬は高くなってしまいますね(→国内関連記事)。

2). おなじみポーグ氏による新製品レヴュー。今回はAmazonが普及に躍起になっているあのKindleの新型について。すいさんのコメントに返す形で書いたことの繰り返しになるけれど、日本ではたぶん「電子辞書+電子ブックリーダー」という体裁のほうが売れるような気がします。Kindle2って、見た目ちょっと大きくないですか? もっとも「おんなじページを表示しているかぎり電池は喰わない」とか、「携帯キャリアとの提携で、無線LAN接続していなくても書籍のダウンロードが可能、通信代などはすべて書籍・雑誌ダウンロード代金に含まれている」、「初代にくらべてひじょうに薄く、メモリ容量も7倍に増えているがけっして'熱く'ならない」、「将来的には携帯電話など他デバイスへの転送も可能、読みかけの箇所からいつでも読める」、「Wikipediaで調べ物ができる簡易型ブラウザ搭載」、「スクリーン階調は初代の4段階から16段階まで増え、写真画像が鮮明に表示され、文字の大きさも6段階で変えられる」、「音声読み上げ機能もついている(これについては修正版を出すみたい)」。

 もっとも最後の「音声読み上げ」機能はほんとに機械的、抑揚もなにもあったものじゃないから評者曰く、

Kindle voices have some peculiar inflections and pronunciations ― they sound oddly Norwegian, sometimes ― and, of course, they’re incapable of expressing emotion.

だそうで、あんまり期待しないほうがいいみたい。現在Kindle2で読める媒体は書籍が24万タイトル、雑誌が22、新聞がNYTも入れて30紙、ダウンロードして読めるようです。とはいえバッテリーがiPhoneのような内蔵型で取替えできないとか、メモリーカード増設もできない仕様に変更されてもいます。たしかにこれ一台で好きなときに書籍をダウンロードして読める、というのは森林資源の保護には役に立つかもしれない。でもこれは精密な電子機器。落としたら一大事。そうじのときにしょっちゅう本とかバサバサ落としている自分なんかにはちと危ない(苦笑)。そしてもちろん購入書籍は「古本」として売ることもできない。またきょくたんな話、AmazonがつぶれたりKindle事業から撤退した場合、せっかくのライブラリーが全滅になる可能性だってある(当分のあいだは大丈夫だとは思いますが)。でもたとえば絶版本のたぐいがぜんぶKindleひとつで読めるようになったら…辞書についでいよいよ書籍も「電子化」してしまうかもしれない。でもポーグ氏同様、自分も紙の本はなくならないと思いますね――当分のあいだは。

3). 最後に「桃の節句」の日付けのこちらを。リンカーンセンターにリニューアルオープンしたアリス・タリー・ホールで今月1日に開かれた、フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮コレギウム・ヴォカーレ・ヘント合唱団および管弦楽団によるバッハ最後の傑作、「ロ短調ミサ BWV.232」の演奏会評。ベルギー出身のヘレヴェッヘ氏、記事ではじめて知ったけれども、大学時代は音楽のほかに医学と心理学も学んでいたらしい。けっきょく音楽の道へ進むことになったわけですが、そんな異色とも言える経歴が演奏にも反映されていると記者は感じたようです――たとえば冒頭、'Kyrie eleison'の幾重にも重なる合唱の入りの箇所では苦悩に苛まれつつも神を希求する心情というか、不安を感じるいっぽうで、神がこの祈りをきっと聞いてくださっているというしずかな確信といったぐあいに人間の相反する感情が絶妙に表現されていて、それがこの日の「ロ短調ミサ」演奏をすばらしいものにしている、というぐあい。

 また当日の合唱は、力強さと自然な豊かさがあり、'Hosanna in excelsis Deo'の喜ばしい8声二重合唱部分ではホールの音響効果も手伝って、透明感がありとてもクリアな響きで、すこぶる好印象だったようです(とはいえ演奏会評というのはむつかしいもの。CD評なんかもそうですが)。当日は最後の合唱がアンコールされるなど、聴き手はおおいに満足だったみたいですね。

 で、記事ではそんな歌い手さんたちを賞賛しているわけですが、名前を挙げられているカウンターテノールのダミアン・ギヨン氏とテノールのハンス-イェルク・マンメル氏はなんと! こんどのLFJでも出演されるというから、いまから楽しみ(たまたまチケットがとれた公演にお名前が出てました。こういう偶然もあるのですね)。

posted by Curragh at 20:28| Comment(0) | TrackBack(0) | Articles from NYTimes
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