2009年05月04日

今日は一日…

 NHK-FM恒例の「今日は一日…」シリーズ。土曜日は「みんなのうた三昧」第三弾(!)でしたが、本日は「ラ・フォル・ジュルネ三昧」。とはいえ放送はすべては聴けません。なぜならまさに放送当日の今日、自分がLFJ会場にいたから(苦笑)。国際フォーラムじたいがはじめて行ったところなので、会場に着いたばかりのときは、トイレの場所の確認に忙しかった(笑、ここのトイレの位置はちょっとわかりにくかった)。NHK-FMのサテライトブースは、ちょうどホールCの出口あたりにありましたね。「N響アワー」でおなじみの岩槻里子アナがしゃべってました。どなたか知り合いの方がいたらしく、ストコフスキー編曲版「トッカータとフーガ」がかかっている間の一服(?)中、窓ごしに手を振ってたりしてました。ふだんは顔の見えないラジオで聴取しているから、なんだかNHK-FMというものがとても身近に感じた。ちょうどガラス棟とホール棟とにはさまれたかっこうの地上広場には新緑眩しいケヤキが何本も植えられていて、気持ちいい風が吹きぬけていました…でもここの屋台村(移動販売車)には驚愕した(笑)。ケバブ屋にチヂミ屋、パエリャにインドカリー、新潟から来たというおむすび屋に、沖縄のラフテー屋にロコモコ屋、ハイネケンのビール屋にグラスワインを出す屋台もある! …でもなんといっても行列がすごかったのが、ローストチキン屋! 目の前で鳥をまるごとローストしてそれを小分けにしてライスとかに盛り付けて売っていたのですが、「おのぼりさん」はただagapeするばかりでした。そういえば地下の「リューベック広場」にもバッハ時代のコーヒーが飲めるとかいう「バッハ・コーヒーハウス」なる店も出てましたね(飲まなかったけれども)。

LFJ2009-1

LFJ2009-2

NHK-FMサテライトブース


 自分が聴いた公演は三つ。朝9時半(!)からの公演番号241、お昼からの212、最後が午後3時の244。朝早くから生で聴くバッハは、また格別! ギタリストの村治佳織さんが奏でる「チェンバロ協奏曲」2&5番、とくに有名な5番の「アリオーソ」はすばらしかった。チェンバロ独奏部をギターで、という試みじたいはじめて聴くものだったから、ひじょうに新鮮でしたね。そのつぎの公演は、村治さんと組んで出演していたおなじポーランドの団体、シンフォニア・ヴァルソヴィアと指揮者ジャン-ジャック・カントロフによる、「ブランデンブルク」1、2、3番(じっさいの公演では2と3が入れ替わっていた)。技巧的で華やかなトランペットソロがすばらしくて、こちらも大満足。団員の使用楽器は、どうも現代もののようですが、3番ではちんまりした11人編成にするなど、当時に近い形で演奏していたのもよかった。最後に聴いたのは「教会カンタータ」二曲(BWV.93,33)でして、生で教会カンタータを聴いたことがなかったから、最後は声楽で締めよう、と思ってこの公演を選びました(お足さえ許せばほかにももっと聴きたい公演があったけれども、一度に三つくらいが体力的に限界だったかも)。こちらもまた出演者がよかったのですよ。クラヴサン奏者としても有名なピエール・アンタイ指揮、ル・コンセール・フランセ。ソリストには、この前ここでもちょこっと名前を出した、カウンターテノールのダミアン・ギヨン氏にハンス-イェルク・マンメル氏が出演ということで、期待していました(予定ではBWV.178、つまり昨年新発見されたコラールファンタジーBWV.1128とおなじ歌詞のカンタータを演奏するはずだったのが、当日行ってみたらBWV.33に変更されていたorz)。アンタイ氏の指揮は、オケの指揮者というより合唱の指揮者みたいな印象を受けました。その前に見たカントロフ氏の指揮ぶりとはぜんぜんちがう。楽団にたいしては必要最低限の指示のみといった感じですが、歌わせるところとか、アーティキュレイションとフレージングの指示は細かく出していたように見えました。楽団員への指揮とは対照的に、独唱者4人にたいしては全身を使ってかなり大振りな感じで指示を出していたように見えた(バッハのカンタータのことはてんで素人なので、なんとも言えないけれども、この二曲はライプツィッヒに赴任してまもなくのころに上演されたもののようですが、当初からSATB合唱によるコラールを4人だけで歌わせていたのだろうか…ここの使用楽器はいわゆるピリオド楽器でした)。「教会カンタータ BWV.33」では、通奏低音担当の鍵盤奏者がチェンバーオルガンとチェンバロを弾き分けていました。オルガン好きとしては、BWV.93の4曲目の二重唱が親しみがあったので、よかったです(「6つのシュープラー・コラール」の「われいずこへ逃れ行くべきか BWV.646」)。

 最後の公演を堪能してホールから出ると、NHKのブースに人だかりが。バロックヴァイオリン弾きとして世界的にも有名な、あの寺神戸亮氏がいました! 手にもっていたのは、ヴァイオリンにしてはでかいから、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラという古楽器だったのかもしれない。またブース近くの「ミュージックキオスク」という野外演奏会場では、なにやらギターの調べが。「気まクラ」でもおなじみだった、あの鈴木大介さんが弾いているではないですか! なんの作品だかちょっと判然としないが、弾いていたのはリュート組曲だったのだろうか。

 地下の広大な「リューベック広場」にも中央に特設ステージがあって、自分がここの「バッハ市場(笑)」をうろちょろしていたとき、国立音楽大学金管バンドによるヘンデルの「水上の音楽」がかかっていた。テーマが「バッハとヨーロッパ」だから、ヘンデルもありか(地上広場とここのコンサートは無料、ただし地下広場へはチケットが必要)。ほんとは地下広場すぐ脇にあるセミナー室で開催されていたマスタークラスものぞいてみたかったけれども、場所がわからなくて(苦笑)、見つけたときにはすでに定員締め切りになっていて、マスタークラスのほうは見られなかった。orz

 「リューベック広場」にはいろんな出展ブースも並んでいて、ドイツ観光局とか(行く予定はないのにライプツィッヒやヴァイマールの観光地図をもらった)、Naxosとか島村楽器とかもありました…で、島村楽器ブースにはなんと、ローランド社の「電子チェンバロ」までありまして、とりあえずカタログだけもらっておきました(笑)。LFJのあとでついでに立ち寄った銀座の某楽器屋にもおんなじものがクラシックフロアにでんと置いてあって、こっちにも少々驚いた。店内に流れていたBGMも、LFJがらみですべてバッハでした(ローランドの電子チェンバロは、ちょこっと触れた印象では、鍵盤がやや小さすぎるような気がした。たしかにチェンバロって「寸詰まり」の鍵盤ですけれども…もっともこれはきちんと試奏してみないとなんとも言えませんが。でもチャーチオルガンのほうも興味津々)。ついでに、島村楽器ブースにはヘンテコな人形までありました――名づけて「Bachッハ人形」。ヘソのあたりを押すと、バハハハと笑い出だすバッハ。小さい子が喜びそう(?、泣いたりして)。

 でもなんといっても驚いたのが、Naxosの音楽ライブラリーのこと。なにげなく会場の一角にあった「試聴コーナー」にて「フーガの技法」とか、適当に聴いていたときに、「LFJ来場者限定! 5月15日までNaxos Music Libraryが全曲無料で試聴できる!」というチラシに目がとまった。一部もらって、帰りの新幹線の中でよくよく読んでみたら、「LFJ会場にて入会申し込みされた方には月額1890円のところを大幅値引きの特典つき!」とある…そういえば「リューベック広場」のNaxosブースをぼんやり通りがかったとき、そこの人から声をかけられたけれども、無視して通過してしまった。Naxosレーベルはけっこう掘り出し物が多いから、その場で入会してもよかったかもね(笑)。というわけで、いまからさっそくライブラリーにアクセスして、「フーガの技法」全曲を聴いてみようかな…それとリュプサムによる「バッハ・オルガン曲集」とかもぜんぶ聴きたい(←がめつい人)。帰宅してすぐラジカセの電源入れたら、ブクステフーデの「われらがイエスの四肢」の生中継でした。音あわせのときにいっしょにキーボードで音出ししたら、ピッチはやはり半音低いカンマートーンでした。

 会場で買ったものは、1000円の「LFJ公式CD」と、10個しか入ってないのに500円もする「バッハサブレ(笑)」、それとG clefの描かれたクリップ(安くて実用的な製品が大好きな人。いまこれでコピー譜を束ねています)。でもこのサブレ、けっこうおいしいのです。もっと買えばよかったかも。ともあれ10時間、岩槻アナはじめ、NHK-FMの関係者の方、ご苦労さまでした。番組の終わりのほうになると、もう岩槻アナも疲れてきて、ちょっとろれつが回らなくなってしまいましたと認めていましたね。たしかに10時間もぶっとおしで生放送というのは超人技。でも音楽祭なるものにはじめて行ってみて、ほんとうに大満足でした。随所に配慮が行き届いて、子どもから大人まで「まるごとバッハを楽しめる」企画になっていたと思う。楽器を背負った人が三々五々、目の前を通過して行くというのも、音楽祭ならではの光景でしたね(↓は、会場で買った公式CDと銀座で買った輸入盤CD)。

当日買ったCD3枚


posted by Curragh at 23:56| Comment(6) | TrackBack(0) | 音楽関連
この記事へのコメント
熱狂の日2009、聴きに行かれたとはうらやましいかぎりです。生で未聴の演奏家も参加していて、ぜひとも行きたかったのですが、残念ながら諸般の事情であきらめました。これほどまとまったバッハ、今後なかなか聴くことができないかもしれません。
Posted by aeternitas at 2009年05月07日 13:25
aeternitasさん

LFJはよかったですよ! たしかにこれだけバッハ尽くしというのは、この手の音楽祭でもないかぎりそうそうないですね。ほんとはレオンハルトも行きたかったです…。それと、NaxosのライブラリーにはファーイウスのCDもたくさん出てますね。バッハから近現代ものと、ずいぶんレパートリーの広い奏者だと思いました。ところでロバート・ヒルという人がチェンバロで「フーガの技法」を弾いているアルバムをたまたま会場で試聴しまして、気に入ったので買おうと思っているのですが、aeternitasさんはお持ちでしょうか? また新発見のオルガンコラール幻想曲BWV.1128をトーマス教会オルガニストのベーメが録音したCDというのも見つけました(Rondeau, ROP6023)。
Posted by Curragh at 2009年05月08日 09:05
ヒルの「フーガの技法」は持っています。これは切れ味のよい演奏で、わたしがブログで紹介したギョー(NAXOS 8.557796)より、個人的には好きですね。
あと、チェンバロではないですが、クラヴィコードで演奏しているリチャード・トレーガー(Lyrichord LEMS8048)の「フーガの技法」もおもしろいですよ。未完のフーガを補筆して演奏していて、しかもなかなかのできです。ナクソス・ミュージック・ライブラリーで、15分間なら無料体験できます。
Posted by aeternitas at 2009年05月08日 09:46
ヒルのCD、お持ちでしたか! クラヴィコードのほうも、LFJから帰ってきたあとにすこし聴いてみました…15日までは聴き放題なので、今夜あたりから気合を入れて(?)ヒル全曲と、クラヴィコードによる「四重フーガ補完版」を聴いてみたいと思います! ギヨーのCDですが、たしか銀座の楽器屋にありました。予算がかぎられていたのでなかなか思うように買えないのが悲しいところではありますが(苦笑、それと、会計カウンター前のモニターにはバッハにかんするDVDも映し出されていて、コープマン&マトーのチェンバロ二重奏による「コントラプンクトゥス 9」がかかっていたのですが、なぜか邦題が「12 対位法」になってました[苦笑]。もっともこれはオリジナルのキャプションじたいがヘンだったのですが…正確には「[新主題と基本主題による]12度転回対位法[4声]二重フーガ」ですね])。

…aeternitasさんは、毎日、あらゆるジャンルのバッハ作品をあのように聴きこまれているので、音源のコレクションもたいへんなものではないかと、想像しているのですが…。
Posted by Curragh at 2009年05月08日 11:45
最近はそうでもありませんが、一時期はたくさん買っていました。ただ、いったいどれくらいあるのか、まったくわかりません。レコードからCDに切り替わりはじめたころ、今度はきちんと一覧を作ろうと思ったのですが、計画だおれになってしまいました。
このところ買っているのは、バッハ以外が多いですね。バッハの場合だと、演奏様式の指標にしている作品のもの(同曲異盤)か、ある種、奇をてらうような演奏(良い意味で)のたぐいです。
Posted by aeternitas at 2009年05月08日 12:43
そうでしたか、ご丁寧にお答えくださって、ありがとうございます。m(_ _)m

やはり相当数の蓄積がなければなかなか書けるものではありません。ちなみに当方は――だれも訊いてないか(笑)――LPは入れずにCDのみですと、200枚くらいですか。でもおそらくその半分近くはボーイソプラノものと思われます(笑)。
Posted by Curragh at 2009年05月08日 20:51
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