2009年09月27日

1200歳の金木犀と秋の西伊豆海岸

 この前、たまたま近くまで来たので、ついでに三嶋大社名物の国指定天然記念物ウスギモクセイを見てきました。当日はピーカンで、絶好の撮影日和。週末だったせいか、けっこう人出もありました。なかには七五三かな、そんな感じの親子連れも見かけましたね。

 それにしてもここのモクセイの大木はすごい。何年か前に南側に張り出していた大枝が台風で折れたかしていまはないので、そこだけちょっとさびしい感じですが、あとは大木亭々というか、まさに威風堂々たる姿。可憐なクリーム色の花も満開、その芳香は大社境内の外、三島の旧街道筋を歩いているだけでも鼻をくすぐってくるほど強烈。思うに、これだけのモクセイの大木ってほかにあるんだろうか。樹齢1200年という大木はそう見かけないと思うが…。とにかく今年はちょうど満開の盛り(ここの樹は満開が二回あり、見たのは二回目のとき)に運良く見ることができて、よかった。長い長い年月を耐えてきた老木を見ていると、人間の生なんてほんとうにはかなくて、ちっぽけなものだ。富士川で捨て子を哀れんだ芭蕉も三島宿に立ち寄ったさい、この老木を見たのかもしれない。

 きのうは西伊豆へ墓参りに行ってました。先月のM6.5の地震で、墓石は大丈夫かしらと思っていたけれど、見たところずれてもいないし、亀裂も入ってなくて、まずはひと安心。その後親戚と待ち合わせしていたものの、ちょっとした手ちがいから本来行く予定ではなかった黄金崎公園へも立ち寄った。立ち寄ったついでにこちらも崩れてないか確認したけれど、ほんの一部、欠けた部分はあったけれども全体的に目立った崩落はなし。旧研修センター入り口にはなぜかかなーり古い「黄金崎切通しを通過する東海バス」のモノクロ写真が飾られていた(↓)。まだ舗装もしてないころだし、海側のとんがった大岩のひとつが崩れてない(1965年以降?)ころなので、戦後間もないころの撮影なのだろうか? バスの型にくわしい人が見ればわかるかもしれませんけれども。

oldpic.jpg


 その後親戚の家でのんびり休もうか、などと思っていたけれどもあいにくそれはかなわず、急に時間ができてしまったのでこちらもまったく予定外だったけれども急遽堂ヶ島に行くことに。文字どおりI found myself ... と気づけば堂ヶ島の「洞窟めぐり遊覧船乗り場」にぼんやり突っ立っていた(笑)。あいにく持ち合わせがあんまりないけれども、ええいままよ、このさいだから遊覧船にも乗ってしまえ! とばかりに「洞窟めぐり」クルーズへ。何度も来ているくせに、ここの名物にして最大の呼び物である「天窓洞」の中になぜか一度も入ったことはなかった。いまごろにしてようやくここの名物の海蝕洞内に入ってみたのですが、思っていた以上にせまい印象。干潮時だったけれども天井の張り出した岩盤とかにいまにも頭がぶつかりそう。ここの海蝕洞最大の特徴は、洞窟のほぼ中央で天井がすっぽりと抜け落ちて自然の「天窓」になっていること。「天窓」から差し込む光で洞窟内の海水は神秘的なエメラルド色に輝いて、なんというか「東洋版青の洞窟」みたいです。この手の海蝕洞というのはもちろん断層や亀裂に沿って侵食が進むものですが、ここの海蝕洞の構造は複雑で、海側に入り口がふたつ、陸側にも口をあけているところがあって、遊覧船は陸側の口までくるとやおら方向転換して入ってきたのとはべつの海側の口から出てゆきます。あんなせまい洞内で方向転換とはさすがは熟練の技。

 海上から見上げる黄金崎も美しいけれども、堂ヶ島海岸もまた絶景です。ここの地層は1000万年〜200万年前に堆積した「白浜層群」と呼ばれる海底火山の岩石層で、上部はさざ波のような模様(クロスラミナ)の発達した白色軽石凝灰質砂岩、下部には黒っぽい火山弾と礫がゴツゴツと突き出している「水底土石流」によってできた安山岩質凝灰岩層。この岩石層の特徴は、波蝕で崖の脚部がどんどん削られても上部が崩落しにくいこと。言い方を変えれば、海蝕洞ができやすい岩質です。なので「天窓洞」のような大規模な海蝕洞も発達しやすいことになります(→小山真人先生による解説ページ)。

天窓洞内部


 静岡県知事に就任した川勝氏は、伊豆半島全体を「ジオパーク」にしようとする構想をもっているそうですが、個人的には大賛成。以前ここにもすこし書いたけれども、ひとつの半島にこれだけヴァラエティに富んだ地質的景観が楽しめる場所なんてそうそうないですよ。こうした「地元の宝」をもっと有効に生かす道をもっと探っていく必要があると感じます。

 …そういえば伊豆市土肥小学校前でバスが停車したとき、運動会が開かれているのを見ました。八木沢地区にある土肥南小学校の前を通過するときも、やはり運動会の入場門を見かけました。南小は来年4月には土肥小と統合されてしまうので、最後の運動会ということになります。松崎の三浦(さんぽ)・岩科(いわしな)小学校と田子(たご)中学校もいまはなく、こんどは土肥南小と、公立小中学校の統合話を聞くたびに寂しいものがある。

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/32465755
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック