2007年02月26日

ふたつの紙面から

 ほとんど備忘録。手短に書きます。

1). せんだってNYTimes電子版を見ていたら、このようなローカル記事に目がとまりました。2学期制が一般的な米国では新入学の季節は9月なのですが、新入学シーズンでもなんでもないこの寒い季節に、ニューヨーク市当局がスクールバス路線の大幅見直しにもとづく路線統廃合を実施、新路線・新運行時間となった翌朝から親御さんたちと子どもたちは大混乱、ということを伝える内容。ブルームバーグ市長いわく、市当局はかねてから周知徹底を図ってきたし、バスが必要ない生徒のいる地区にまでバスを走らせていた従来の無駄遣いをなくしただけ、「バスを必要とする生徒のいる地区にのみバス路線を維持し、そうでない生徒のいる地区を受け持つバス会社には税金を使わないようにしているにすぎず、限られた予算内で手助けできる人に手を差しのべるにはどうすれば効率的かを考えなくてはいけない」と釈明…でもじっさいには説明の食いちがいのせいで来るはずのバスが来ない。またある生徒などバス停で40分待てど暮らせどバスは来ず。「このままじゃ凍えちゃう。ぼくの足先にはもう感覚がない」とけっきょく父親に電話して車で送ってもらうことにしたとか。さらには運行時間に大幅な遅れが出て、文字どおりすし詰め状態で登校したとか。対象地区に住む父兄の多くが、変更の一週間前になるまで市当局からなんの通知も受け取らなかったとか…。市当局側は、ほんとは新学期にあわせて実施するはずが父兄に周知するのに時間をとられ、またバス会社からも路線変更中止命令を出してもらおうと裁判沙汰にされるなどで、計画を何度も延期せざるをえなかったなどと言い訳しています。

 もし学校までの距離が徒歩1時間圏内であれば、暖かい季節ならばむしろ歩いて登校したほうがいいような気もしましたが(小学生の時分、毎日30分以上かけて歩いて登校してました。いまでもなるべく歩くようにしています)、これではやはり父兄も子どもも納得せんだろうなぁ。…と思ったけれども、日本と単純比較はできないとはいえ、1時間くらいだったら歩いたほうが速いんじゃない? 大雪でも吹雪でも歩け、とは言いませんが。

2). こんどは地元紙。けさの朝刊に、南極大陸のかつて棚氷で覆われていた海域から、12本の脚をもつヒトデや新種とみられる甲殻類、深海魚が見つかった、という記事を見ました。おりしもつい先日、2040年夏には北極の海氷が消滅するかも…という記事を見たばかりだし、今年の異常な暖冬ともダブってなんだかうすら寒くなりました。気候変動…というのはいくらデータをかき集めてスーパーコンピュータに計算させても完全にはつかめない…つかみようのない研究分野だと思いますが、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告を待つまでもなく、この100年で急激に平均気温が上昇したはあきらかに「人間活動の結果」と言えるでしょう。そしてこれは前々から思っていたことですが、半世紀ほど前の写真とくらべて、どうも西伊豆の海岸に打ち寄せる海面の高さが若干上がっているような…とくに大潮時なんかは。たとえば安良里漁協前の岸壁なんか、以前だったら大潮のときは海水が岸壁ぎりぎりにまで上がることはあっても超えるほどではありませんでした(長年漁師をやってる伯父もそう言っている)。ところが最近では、なんと海水があふれて漁協前は完全に「冠水」してしまうようなのです…岸壁だけにとどまらず、漁協前の道路まで浸水するとか…。で、じっさいに海面の高さは過去100年でなんと20cm近くも上昇していると聞いたとき、自分の感じていたことは思い過ごしではなかったと確信するようになりました。『不都合な真実』という本も話題になってますね。ウェンデル・ベリーの本に、「自分の生活は一般的なものにすぎない、というのはもはや言い訳にはならない」みたいな一文があったのを思い出します。つまりは各人がよっぽどつましい生活、環境に負荷をかけない「生き方」を選択しないかぎり根本的な解決にはならないという趣旨だったのですが、ベリーの求めるレヴェルは無理かもしれないが、これはひとりひとりが真剣に取り組まなければならない問題…だろう(こんなもん書いている場合じゃないか)。

 …さて本日の朝刊には地元の大学2校の前期試験問題と解答も掲載されてまして、ついでに見てみるとここでも引用したくなってしまいました。

 ↓に引用するのは「『英語』というと、単一の言語、というふうにとらえられがちだが、書き言葉はともかく、話し言葉の場合には人それぞれに身につけた固有の『方言』がある。方言にはそれぞれ正しい・正しくないという区別もなければ、上下関係もない。あるのはちがいだけだ」という論旨の、colloquialな英語における「方言」について書かれた文章です。

 ... It is also important to point out that none of these combinations --- none of these dialects --- is linguistically superior in any way to any other. We may as individuals be rather fond of our own dialect. This should not make us think, though, that it is actually any better than any other dialect. Dialects are not good or bad, nice or nasty, right or wrong --- they are just different from one another, and it is the mark of a civilized society that it tolerates different dialects just as it tolerates different races, religions and sexes. American English is not better --- or worse --- than British English. The dialect of BBC newsreaders is not linguistically superior to the dialect of Bristol dockers or Suffolk farmworkers. There is nothing you can do or say in one dialect that you cannot do or say in another dialect.

…ちょっと引用部分が長かったかな…設問は下線部を和訳せよというものです。

 現役高校生で、これ見て一発で文意がわかった方は、高校英語がきちんと身についていると自信をもっていいと思います…すくなくとも自分はそうじゃなかった。orz 

 文意は「一方の方言で言い表せるものが、ほかの方言では言い表せない、なんてことはない」です(正答例はもっときちんとしたことばで綴られた模範訳。さすがはプロ。自分のはちょっと言い方をくずしてみました)。ポイントは、nothingにうしろふたつのclauseがかかっている、ということがわかるかどうか、かな。

 もしこれ見てわからなくても、悲観することはありません。いまや英語は金なんか出さなくても、その気になればWebを駆使して、家にいながらにして学べるという、ある意味たいへん恵まれた時代に生きているのだから(自分のころは当たり前だが場所を取らない電子辞書なんてものもなかった。ひたすら紙の辞書をひきひき…紙の辞書でいまだに現役なのは『リーダーズ』くらいかしら…)。たとえばNYTimesみたいな海外新聞の電子化がひじょうに進んでいるからそれらを利用するもよし、海外のメル友を作るもよし。もし金をかけてもNHKのテキスト代くらいでじゅうぶんではないでしょうか。英語にかぎって見ても、いまのNHKの語学番組の質の高さはダテじゃありませんよ。あ、今夜は仏語会話に伊語会話だ、見なくては! 先週はなんとダンテ・アリギエリ(え、知らない? 世界史の教科書のどっかにかならず書いてありますよ)の墓まではじめて見ることができたし…。

 …けっきょくあんまり短くなってない…。orz

posted by Curragh at 22:25| Comment(0) | TrackBack(0) | Articles from NYTimes
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