2010年01月09日

石英ガラスの眼だったのか

 いまさっき見たこちらの番組。ときおり、トピックの取り上げ方によっては? マークがついたりしますが、今回はよかったんじゃないでしょうか。個人的に収穫だったのが、ツタンカーメン王の「第三の人形棺」の「眼」について。どの写真を見てもただの「くぼみ」にしか見えなかったのですが、今回、カメラが接写してくれたおかげであの眼がどういうふうに作られているのかがはじめてわかった。人間の目玉のガラス体を模したのか、なんと本物の天然ガラス、それもめずらしい天然の石英ガラスでこさえた「目玉」が象嵌されていたんですね! これは驚いた。はたち前に早世したファラオでこの贅沢さ――しかもこの人形棺は100kg近い純金製――なんですから、長生きして業績を残したファラオの墓にはいったいどんなものが副葬品として埋葬されていたのか、もう想像もつかない。

 幻の石英ガラスを求めてうねうねとつづく砂漠の海を縦断する場面とかもおもしろかったし、風と砂粒に削られてできた文字どおりの「奇岩怪石」の数々も地学好きにとってはたまらなかった。キノコ岩にトド(?)岩ですか。完全に石化した「化石木」も転がってましたね。あのへんは数万年前は「森」だったらしい。1万年前と思われる「岩絵」もすごい。人間や動物がわりと単純化された構図で描かれていたけれども、なんといってもあの「動き」の描写の芸の細かいこと。目を見張りました。踊っているような動きの集団とか、いまにも動き出しそうです。ここに住んでいた人々は高度な文化をもっていたなによりの証拠ですね(こうした岩絵が残っているということは、あの窪みもしくは半洞窟の空間は、1万年このかた崩れていないということになる)。

 リポーターの竹内さんも言っていたけれども、ひょっとしたら古代エジプト文明を築いた最初の人々ってこのあたりから移動してきたのかもしれない。6000年前になると、もう森林は消滅して半砂漠のような感じだったらしいから、当然、緑と水が豊富にある場所へ移住するんじゃないかしら? またかつて先祖が住んでいた場所という「土地勘」がなければ、とてもじゃないけど天然の石英ガラスを求めてこんな砂漠の奥深くまで来ないだろう、というのが素人なりの推測(冗談抜きで命がけです)。ここの石英ガラスが隕石の衝突によってできたらしいということもはじめて知ったけれども、それにしても美しい天然ガラスだ。ひとつほしいかも…(「砂漠の薔薇」ならもってます)。

 …ツタンカーメン王ついでに、いよいよ玄室の修復工事がはじまるようですね。昨年暮れにそんな記事を地元紙にて見かけました。そういえば、「王家の谷」すべての王墓について、「観光客による墳墓内の撮影禁止」措置を講じるとか。天才考古学者(某民放の言い方を借りれば)ザヒ・ハワス博士がそう決めたらしい。博士はあいかわらず、「ネフェルティティのバストを返せ! ロゼッタ石も返せ!」と猛抗議しているそうですが、あきらかに「違法に」国外に持ち出された場合、これはやはり「泥棒」なので、返して差しあげるべきではないかと…。

posted by Curragh at 23:56| Comment(4) | TrackBack(0) | 歴史・考古学
この記事へのコメント
あの岩絵ですが、1万年ぐいらい前に描かれたものと言ってましたか?ぼくは聞き逃したので知らないんですが、だとすると、スペイン北部のアルタミラ洞窟壁画が描かれた時期とも近いのかも知れませんね。とにかく、白く抜いたハッピーな手形が、アルタミラのものとそっくりなんで、驚いて見てました。ジブラルタルを渡って移動した人類の祖先なんかがいたのでしょうかね。
Posted by オンブズ at 2010年01月16日 17:41
オンブズさん

コメントありがとうございます。

たしか1万年前だと思いました。リンク先のページにもそう書いてありますね。アルタミラ洞窟壁画…言われてみればたしかにそうですね! あの岩絵を描いた人々は、砂漠化の進行とともにいっぽうはナイル流域へ、いっぽうは地中海を渡ってイベリア半島へ上陸したのかもしれませんね。古代史はわからないことだらけだから、おもしろいですよね。
Posted by Curragh at 2010年01月17日 16:41
返信ありがとうございます。
ハッピーな手形、どちらにもあったと記憶しているんですが、アルタミラの方は、穴の開いた棒2本を直角に交差させて、一方は絵の具に突っ込み、もう一方から口で吹きつけたんだろうと、BS NHKでいってました。ぼくは、木炭画を書いた後に、フィキサチーフという固定液を似たような金属の道具で吹きかけたことがあるんで、よく覚えています。岩絵の方はどうしたんでしょうね。
天然シリカガラスのある場所と岩絵のある場所が近かったのかどうか関連がよく分からないんですが、岩絵が描かれた当時は湖か何かがあって、泳ぐ人の絵も描かれてましたね。ぼく、正解したんで、よく覚えています。
Posted by オンブズ at 2010年01月20日 13:03
オンブズさん

運よく、番組を録画した友人がいまして、DVDに焼いたものをいただくことができました。さっそく番組を見直してみたら、「絵の谷(ワディ・スーラ)」のあるギルフ・ケビールというところはシリカ砂漠の南200kmにあるそうです。いまはからからに干からびた砂漠ですが、1万年前は湖(?)があったみたいですね。へんてこな奇岩怪石の林立する「白砂漠」だけでも楽しめました…。^^);
Posted by Curragh at 2010年01月23日 12:17
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