1). まずはMET関連の記事から。初耳だったがMETは自前で児童合唱団をもっているようで、そこの合唱団を20年以上にわたって引っ張ってきたエレナ・ドリア女史。寡聞にして知らなかったが米国では有名な合唱指導者らしくて、METの児童合唱団の卒業生には女優のエミー・ロッサムもいるとか。名伯楽、と言いたいところではありますが、昨年のシーズンしょっぱなの1月、突然、辞職してしまったという。この件について当初MET側からはなんの公式発表もなくて、最近MET側が明らかにしたところでは、ドリア先生は「退職した」。でもシーズン途中の突然の辞職というのは常識的に考えにくい。ということで辞めた本人に取材を申し入れたら、取りつく島もなく断られたという。
こちらの記事に動画がありますが、かなーり強面の女性とみた。じっさい、子どもたちにとってはそうとうおっかない鬼(?)先生だったようで、その指導方針をめぐって子どもたちの親と対立することがあったらしい。辞任した直接の原因となったのは、言うことを聞かないある女子団員との揉めごとだったようです。
記事によるとここの児童合唱団は総勢約125人という大所帯で、今シーズンは「トスカ」や「三部作」、「魔笛」などに出演していた。合唱のクラスは週一回、90分から2時間ほど。オーディションで出演者を選び、本番および長時間の稽古にも報酬が支払われるけれども、学校を休んでいいのは週二日だけという。
でもいくら指導が厳しいとはいえ、たとえばこういうのはどうなのかと思う。
Corkie Jarrett said her son Sky was a member of Actors’ Equity when he joined the chorus but dropped out when he won a part in a workshop for the musical “How the Grinch Stole Christmas.” That angered Ms. Doria, Ms. Jarrett said.
“She felt that Sky was kind of not being loyal,” Ms. Jarrett said. “I was intimidated by Elena’s kind of fierceness, but it was clear to me that she was fierce about the children’s chorus because she wanted it to be great.”
これって「二重契約」にならない? こんなことされたらだれだって怒るわな(引用中のミュージカルは、米国では有名なDr.Seussの絵本が原作)。
ドリア先生がとくにうるさかったのは行儀作法と時間厳守。とはいえただガミガミ厳しいだけじゃなくて、入団試験のときに子どもたちに歌わせるのはなんと'Happy Birthday'の歌。かつてNYTの取材を受けたとき、ドリア先生は基本的な指導姿勢として、「子どもたちには舞台上でやってはいけないことはぜったいにさせない。あくびしたり、時計をちらちら見たり、鼻に手を当てたりとか。それとつねに自分のほうを見る癖をつけるつけるようにしている。自分が指揮者の代わりだから」とこたえたそうです。
インタヴュー番組に出演したときは、「子どもたちにはMET最高の歌い手になってほしい。それに耐えられないのなら、テニスでもしていればいい。いまのところ、みんながんばっていますけれども」みたいにこたえていたドリア先生。大多数の団員はドリア先生が好きだといいます。音楽にとどまらず、人としていろいろ学んだと感じている子どもたちが大半のようです。
いまの指導者はもとニューヨーク市立オペラ児童合唱団を率いていたアンソニー・ピッコロ(なんかかわいらしい名前だ)氏。あたらしい指導者のもとでもおおいに活躍してほしいものですね。
2). 音楽つながりではこっちの記事も目にとまった。カナダ・オンタリオ出身の15歳のシンガー、ジャスティン・ビーバーなる少年。こういう記事を見ますと頭に思い浮かぶのは天才少年カントリーシンガーのビリー・ギルマンですが(1988年生まれだからもう21になるんだね。ということはけさ再放映されていた辻井伸行さんとおない歳か)、時間がないからほんの二、三のみ、歌っている動画を見たけれども、見たかぎりでは例の五段階評価でいくと「うまうま」ではなくて「うまい」と「ふつう」のあいだくらいか(「紅白」で歌っていたボイル女史は「うまい」かな?)。身長が160cmあるかないかのようだから、声変わりの進み方がゆっくり目みたい(この数か月で半音、下がったとのこと)。ビリーくんと決定的にちがうのは、記事の扱いにも現れているけれども、シンガーというよりいわゆるティーンアイドル。でも従来のアイドルとまるでちがうのは、一般のファンが彼をスターダムへと押し上げたこと――YouTube世代のスターということですね。
ジャスティン少年が12歳のとき、地元のタレントコンテストに参加したら二位に入り、当日見にこられなかった家族や友だちのためにYouTubeに自分の歌っている動画をアップしたときからことははじまったみたいです。まったく偶然にそれを見た、アッシャー・ロスなるラッパーを「発見した」マネージャー氏が興味をかきたてられ、ついにジャスティンくんが住んでいたオンタリオの小学校を突き止め、学校側を説き伏せて彼の家に電話を入れたのだという。その間、YouTubeの動画――アッシャー自身やクリス・ブラウンの曲のカヴァーも含まれていた――は口コミで広がって、すでに彼の固定ファン層が形成されていたらしい。彼の家庭はいわゆるシングルマザー世帯で、貧乏だったという。地元のコンテストに出たあと、ギターをかついで劇場前の路上で歌ってみたらなんと3000ドル(?、米ドル換算??)近くも稼ぎ出して、その金ではじめて母親とディズニーランドに遊びに行ったという(彼はギターのほかにピアノとトランペットの演奏も自己流で身につけ、またドラムも習っていたという)。いまは母親とともにアトランタに移住して、アッシャー氏とともに共演したりとたいへん忙しいようです(この記事の取材のときにはロードアイランド州プロヴィデンスのホテルでライヴ、つぎの日はアトランタへとんぼ返りでまたライヴ)。
思春期まっただなかのジャスティン少年、最近はちっとも言うことをきかないと母親は嘆いておりますが、本人はけっこうけなげなことも言ってます。
“I grew up with not a lot of money,” Justin replied. “We never owned a house. I want to buy my mom a house.”
ティーンエイジャー(と彼女たちの母親も)の追っかけがすごいらしいジャスティン少年のもっかの楽しみは、アトランタの自宅に帰ったら、現地でできた友だちとビデオゲームをすること。そして、運転免許試験を受けに行くことも楽しみにしているようです。
声変わり後、この子がどんな歌い手になるのかはわからないけれども、お手本のアッシャー氏のような感じの歌い手になるのかな?
おまけ:ウィンチェスター大聖堂の構内って、なんと冬場はアイスリンクになるんですねぇ。知らなかった。それにしても手袋もはめずに、みんな元気だな…(人一倍の寒がり)。
2010年01月11日
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ちょくちょく拝見してます(^^)
この記事で合唱団のお話が出ていて思い出したのですが、今日の夜19時からNHKでギャレス・マローンが出演の番組をやるみたいです♪♪もうご存知ですよね☆一応コメントしてみました!!
楽しみですね♪♪
YouTubeでドリア先生を少し見ました。パワフルで良い先生に見えます。でも間違いなく遅刻を許さないタイプですね(笑)。
ところでBCSDが閉鎖されるってご存知でしたか。コンサートやCDの新しい情報が完璧に網羅されているわけではありませんが、ちょっとソリストが気になった時などに重宝していたのでとても残念です。なによりあれだけのデータがなくなるなんてもったいないです。
コメントありがとうございます。m(_ _)m
後編しか見てませんが、いちおう記事にしてみました(笑)。ちょくちょく訪問してくださっているとのことで、話がいつも横道にそれてばっかのブログですが、またお気軽にコメントしてください。
すいさん:BCSDの件、情報ありがとうございます。m(_ _)m 突然のことで、驚いています。
「ヨナ書」ではありませんが、いつも当たり前のようにあったものが突然、消滅してしまうのはやはり悲しいことです。サイト管理者のマークさんとはVoAにいたころ、ときおりやりとりしてました。当時は米国からオーストラリアへ移住したばかりで、2004年のBAC来日公演のプログラムをクリスマスカードとともに送ったらとても喜んでくれました。あのサイトの造り方を見てもわかるように、プロのWebエンジニアらしいです。仕事がすごく忙しいのでしょうね。ちなみに右上の「日の丸」バナーをクリックすると一部表記が日本語に切り替わりますが、サイトのローカリゼーションで使う日本語表記は自分が提供したものです…もう店じまいだからこのさい明かしてもいいかなと思いました(笑)。
すみません、ずいぶん遅い反応になってしまいましたがものすごくびっくりしています。その昔「すごいな、日本語まである」と感心したのですが......どこにどんな秘密が隠れているかわからないものですね(笑)。う〜ん、すごいことを聞いてしまった。
私は恥ずかしながら今回のお知らせを見てようやく「ここって個人サイトだったの?」と気がつきました。個人でなければ誰が作るのだという話ですが、あの完成度の高さは趣味の域を遥かに超えています。
先ほど覗いてみたところ、まだちゃんとあって安心しました。「404 Not Found」だったらどうしようかとドキドキしました。ユーザによる書き込みも変わらずできるようですし、Markさんの更新がないだけでサイト自体は残るのでしょうか。ぜひそうであってほしいです。