2010年01月17日

こんどは町中みんなが合唱団

 あいにく前編は見逃したけれど、前回の放映分はしっかり録画(いまのTV受像機といっしょに買ったVHSつきDVDレコーダー)。で、見てみましたが、今回も企画もの? かどうかはわからないけれど、けっこうおもしろかったですね。

 マローン先生は現地ではアイドル(?)的な人気者らしいけれども、ロンドン交響楽団の合唱指導や「マタイ」で福音史家を努めるなど、とても30代前半の若い先生とは思えないくらいの活躍ぶりです。以前見たThe Choirboysのときもそうだったけれども、教え方がとてもうまいですね。乗せ方がうまいというか。とくに児童合唱では長時間のレッスンに飽きて好き勝手なことしはじめる子どもたちに、結成わずか5年で英国ではすでに知られる存在となった児童合唱団の歌声を聴かせて奮起させるとか。もっともみんな合唱経験のないずぶの素人、'Tears in Heaven'はやや危なっかしかったけれども、数か月間でよくこれだけの人数の歌声をひとつにまとめあげるものだと感心しきり。大人の合唱団も負けじと大健闘。窓拭き職人のディーンさんのことばだったかな、たしかに人間というのはなんらかの「帰属意識」というものが不可欠なのかもしれない。とくに欧米では行き過ぎた個人主義がはびこっているようなところがあるから…この欧米流の個人主義、個人的にはデカルトの「われ思う、ゆえにわれあり…('Je pense donc je suis')」あたりからはじまっているんじゃないかと思ってるけれども…。それはさておき、サウスオキシー・コミュニティ合唱団の初舞台では、地元のCDショップで働く青年くんのソロもなかなかだったけれども、やはり大勢の聴衆を前に緊張(?)したのか、もうすこし声量があるともっとよかったように感じた。それでもこの青年の声の素質を見抜くマローン先生の耳はさすが、という感じ。もうすこし場数を踏めばもっとよくなるでしょうね。またこの青年は正規の音楽教育を受ける機会に恵まれなかったから、いまはこうして日々の生活のために働いているけれども、音楽の夢はあきらめきれないと話してました。サウスオキシーという町は――英語版Wikipediaによるとかつてはマナーハウスがあったとか――労働者層の多く住む町で、いまだに偏見の目で見られたりもするようですが、そう、ほんとうに自分のやりたい事があるんなら、かんたんにあきらちゃいけないですね。がんばれ! 

 …先週のBBC Radio3のChoral Evensongは「御公現の祝日(主の公現)」で、聴いていたら、聖書の朗読(「東方の三博士」訪問のくだり)にまじってイヴリン・ウォーのHelena(邦訳『十字架はこうして見つかった――聖女ヘレナの生涯』)の一節が出てきました…ウォーってこういう作品も書いていたんだ! こんど図書館に行ったら探してみよう。最後のヴォランタリー、バッハの「オルガン小曲集」から「汝にこそわが喜びあり BWV.615」が、いかにも小躍りしそうな快活なテンポで演奏されてました(バッハのこの編曲の場合、コラール定旋律はかなーり最後のほうになってから足鍵盤で出てくる)。



 …現日本ハム一軍投手コーチの小林繁氏が急死したという一報には驚かされた。また桑田真澄氏の父上の悲報にも…ほぼときおなじくして、N響でもおなじみだったドイツの巨匠スウィトナー氏も亡くなった(8日)。先週の「N響定演」では、スウィトナー氏を追悼して、バッハの「管弦楽組曲 第三番 BWV.1068」から有名な「エア」が演奏されてました。合掌。

posted by Curragh at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽関連
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