2007年03月30日

夏がこわい

1). まだ3月だというのに、日中のこの暑さ。最高気温が24度とは…とにかく今年はおかしい。あまりに極端すぎる。さくらもそう。つい1週間前に、開花…したと思ったら、いまさっき近所のソメイヨシノを道すがら見たら、なんともう7分咲きくらいになっている。そして低気圧が通過するたびにきまって暴風雨。10年前のいまごろも似たような天候で、さくらを撮りに行ったら前日の暴風雨ですっかり葉ざくら、なんてことがありました。今年もそんな感じになりそうです。見ごろはあっという間かもしれません。そしてけさは雷もすごかった。いまからこれでは、夏が思いやられます。

 静岡は――計算がいい加減だったとはいえ――開花が全国一早いとの予報が当初出されていました。最初の開花予想日だった13日、NHKの地元放送局の天気予報担当のキャスターと気象予報士の方が基準木を取材した模様が放映されていました。さてTV画面に映し出された基準木を見ますとどれもつぼみ堅しで、とてもあと数日で咲きそうにない。これでもさくらの写真を撮りつづけて十数年になるので、開花するまであともう1週間、いやもっとかかるかな、なんて思ってました。ところが取材に行ったキャスターは、まだ膨らみきっていないつぼみを指して、この分だと13日ごろには咲きそうですね、と言っていたのでこちらはTVの前でこけそうになってしまった。

 おそらくこれは気象庁の開花予想がまず念頭にあったために、うっかりそんなことを口走ってしまったのだろうと思います。もしそんな「思いこみ」なしに、純粋に目の前のソメイヨシノの状態だけを見ていたら、おそらくそんなことは言わなかったはず。最近は専門家が平気でウソをついたりするので、よくよくの注意が肝要です。

2). 能登半島沖地震が発生してちょうど1週間になりますが、発生直後は地震を引き起こした断層がどんなふうにズレたのか、向きは? ということがしばらくわかりませんでした。おそらく能登半島も佐渡島もおんなじ方向、南西−北東方向に引き伸ばされた形をしているので、ひょっとしたら能登半島がこぶしを突き出している方向とおんなじ向きではないか、と想像していたらほんとにそうだったらしい…。伊豆半島もそれこそ縦横に断層群が走っていますが、その中でも1930年にズレて出現した丹那断層(国指定天然記念物)はほぼ南北に約30kmにわたって半島中央部を切っています。今回ズレた輪島市付近の活断層は確認されただけでも20kmもあるとか聞きました。そうとう大きな逆断層型地震だったらしい。そしてなにより不気味なのは、地震にたいする警戒心がわりと薄い地域がピンポイントで襲われているような気がすることです。いっときはやったジェイムズ・ラヴロックの「ガイア」理論ではありませんが、大自然が牙をむくとわれわれ人間はほんとひとたまりもない。

3). いまひとつ自然の脅威をまざまざと思い知らされたのが、表富士新五合目付近で先日発生した「スラッシュ雪崩」による土石流被害。この時期富士山スカイラインの登山区間は積雪のために通行止めにされていますが、つづら折りになったスカイラインは土石流でズタズタ、新五合目のレストハウスも損壊し、地元警察の派出所として使っている建屋も基礎だけ残して吹き飛ばされたらしい。大沢崩れでも大規模なスラッシュ雪崩が発生しているので、おそらくそれと相前後して発生したものと思われます。自分も10年くらい前、新五合目のすこし上の斜面から下界を見下ろした写真を撮ったり、レストハウスでそばを食べたりしたことがあります。ちょうどそのあたりで今回、スラッシュ雪崩が一気に駆け抜けたらしい。富士山麓のスラッシュ雪崩は江戸時代以前から記録があり、当時は「雪代(ゆきしろ)」と呼ばれていました。一説では噴火活動が盛んだったころ、噴火活動の熱で溶けた大量の雪がいっきに崩れ、そのたびに山肌が削り取られる…ということを繰り返したことが、富士山のあの美しい円錐形を形作ったひとつの要因になったとも言われています。とはいえ今回のような大規模なスラッシュ雪崩とそれにともなう土石流は新五合目までの登山道路が整備されて以来はじめて、ということなので、やはり今年の異常気象が引き金になったということは言えると思います。「世界遺産」指定に向けた活動が活発ですが、いまからちょうど300年前、若きバッハがヴァイマールの宮廷に仕えていた1707年暮れに宝永の大爆発を起こしている活火山なので、またいつ噴火しないともかぎりません。とりあえずわたしたちには「備えよつねに」しかないのでしょう。

 富士山ついでにもうひとつ(以前おんなじことを書いたような気がしますが、確認するのも面倒なので重複も顧みずにいま一度)。2005年の暮れはここ十数年でもひさしぶりの「厳冬」でした。富士山は西高東低の冬型になると、快晴つづきですので当然、黒々とした地肌まる見え状態がつづきます。これをどこかの週刊誌が、いかにも富士山がおかしい…みたいな記事にしていました。12月になってもすっぴんの富士、というのはべつに異常でもなんでもない。逆に暖冬の年は太平洋側でもひんぱんに低気圧が通過し、雪雲が発達することも多くなるので富士山はすぐ真っ白になります。そして例年、積雪量がもっとも多いのは3月〜4月ごろ。どこでもそうですが、春山のほうが雪が多いのです(なので八甲田山系で起きたスノーモービルの事故…ははっきりいって慢心が招いた人災)。とはいえ今年はほんとうに異常な暖冬で、3月、富士の山梨側は麓まで深い雪に覆われるはずなのに、麓の町には積雪すらないそうで、住民の方に言わせると、こんなことは経験したことがないといいます。

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/3622319
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック