2010年11月14日

フルネ指揮の「レクイエム」を聴きながら

 忘れていたわけではないけれども、今月3日の「文化の日」はまたジャン・フルネ氏の命日でもありました(2008年、95歳で没)。けさの「音楽の泉」ではクリュイタンス指揮によるフォーレの名曲「レクイエム」を取り上げていたので、つい思い出したしだい。そのあとフルネ氏が日本で指揮した音源(1998年に国際基督教大学礼拝堂にて録音されたカメラータ盤)をひさしぶりに引っ張り出して聴いてみました…水谷任佑少年のソロによる「ピエ・イエス」、なかなかいいですね。女性ソプラノ独唱もいいけれど、朗々と響かせるようなベルカント歌唱より、ボーイソプラノの清冽な響きで聴くほうがいい(註:意見には個人差があります)。

 …話はまた脱線して…先日、Good-bye, Mr. Chips を再読し終えたところですが、第一次大戦さなかの英国内の騒然とした世情について、チップス「臨時校長」が思ったこと。

To keep a sense of proportion, that was the main thing. So much of the world was losing it; as well keep it where it had, or ought to have, a congenial home. (p.85)

これって、いまの日本の世情にも言えることではないかと…そんな折も折、地元紙に寄稿しているさる政治評論家も自分の思っていることとほぼおんなじことを12日付朝刊に書いてましたが、例の海上保安官を擁護する意見が世間には意外なほど(?)多い…というのはこれいかに。その評論家は「5.15事件」を想起したんだそうですが、自分は、これはいわば「キッチュなクーデター」だと感じた。いまふうのクーデターはなにも血を流す必要なんてない。ちょっと先にあるマンガ喫茶でUSBメモリーを店のPCに挿すだけで事足りる。奇しくも40年前の今月25日は三島由紀夫が割腹自決した日でもあるし、「将来にたいする漠然とした不安」を感じないわけにはいかない(註:意見には個人差があります)。

 政治ついでにもうひとつ。近年、政治的発言というのがなんだかタブーみたいな風潮があるようですが、人間というのはほんらい社会的動物にして政治とは無関係でいられるはずもなく、ときには政治的傾向が強くならざるを得ない。以前VoAにいたときも「おまえのその発言は政治的だ」と管理人に一喝されたことがあり、まるでそんな意図のない当の本人(自分)はおどろき、あきれるばかりだった。なんだかんだ言ったって、人は「政治的」な生き物だと思う。そうでなければ、どうしていま、ハーバード大学教授のマイケル・サンデル先生の著書とかがバカ売れしているのだろうか。ちなみにこの前、NHK教育TVにて視聴した来日版「白熱教室」は、なんというか、スティーヴ・ジョブズばりの演出ないしはプレゼンテーション技術ないしは一種のパフォーマンス的性格が強かったように思われます。ちなみにサンデル教授はアリストテレスの言う「人間は政治的動物だ」という有名な箇所を引用してもいたが、もともとの意味は「人間はポリス(古代ギリシャにおける都市国家)的動物である」と言っているにすぎない(註:意見には個人差があります)。

 …そういえば先週はNHK-FMで「NHK音楽祭」の生中継がありました…ベートーヴェンの「6番」と「7番」は名演! でした。バッハの「ロ短調 ミサ」とあわせて、地上波での放映も楽しみ。

posted by Curragh at 23:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽関連
この記事へのコメント
メール本当にありがとうございました。

それはとりあえず措きまして・・・

フォーレのソロは、あたくしはボーイソプラノ派です!!!
Posted by ken at 2010年11月16日 23:52
こちらこそ押し付けがましくメールしてしまって、たいへん失礼しました。どうぞよしなにお願いしますです。
Posted by Curragh at 2010年11月19日 20:01
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