2011年04月09日

「前奏曲とフーガ BWV.546 」

 BBC Radio3 のChoral Evensong 、前回は Mersey beat (=Liverpool sound ) で有名なリヴァプールの大聖堂 ( こちらはアングリカン。同市内のメトロポリタン大聖堂はローマカトリック ) からで、ここんところ最後のオルガン ヴォランタリーでバッハの作品がたてつづけに演奏されてます( イートンの回もそうだった )。演奏されているのは「前奏曲とフーガ ハ短調 BWV.546 」。分厚い合唱を思わせる悲壮感漂う前奏曲、それにつづく堂々たるフーガ。ライプツィッヒ時代の 1730年ごろの作品ですが、フーガはもっとはやくて 1715 年ごろ、ヴァイマール時代の作らしい。自筆譜は消失して、ケルナーによる筆写譜しか残っていない。足鍵盤で重厚に奏でられる和音で開始される前奏曲はコンチェルト風で、三つの大きな部分からなる。フーガは5声の厳格な対位法書法で書かれ、いずれも受難曲のような印象を聴く者に与えます ( → リヴァプール大聖堂の大オルガンについては公式ページへ )。今週末再放送でかかるのはセントオールバン・アビイ大聖堂からの中継で、ヴォランタリーでかかるのはバッハの「前奏曲とフーガ ヘ短調 BWV. 534 」。こっちはヴァイマール時代の 1712−17 年ごろの作と考えられていて、やはり19世紀前半の筆写譜しか残っていない。前奏曲は終結近くになって、ブクステフーデばりのはやいパッセージが出てくるけれども、全体的にはいわゆる「イタリア体験」の色濃い作品で、やはり 5声からなるフーガも音楽学者ハインリッヒ・ベッセラーの言う「歌唱的ポリフォニー」によって朗々と歌う。BWV. 546 のあの悲壮感[ 個人的には、チャイコフスキーの「6番」最終楽章をも想起させる ]も好きなんですが、前奏曲とフーガが情感豊かに流れるように歌うこっちもけっこう好きですね。

 …Keiko さんのブログから教えてもらったんですが、たとえばここのサイトを見ると、じつに多くの、錚々たるアーティストのめんめんが今回の大震災に心を痛め、あらたに楽曲を書きおろしたり、また国際赤十字をつうじた津波救援金への協力呼びかけを積極的に呼びかけ、またみずからポケットマネーをはたいて寄付するなど、無力な一市民から見ればほんとうに頭の下がる思いがする。いまだ戦闘のつづくアフガニスタンまでもが支援に名乗りを上げたりしているし、古くからの親日国としても知られるトルコなどは一番乗りでやってきてくれたり、またほとんどの電力を原発で賄うフランスからは、核物質処理の専門会社のみならず、なんと大統領みずから緊急来日して支援の手を差し出してくれた。'All for one ; one for all.' というスローガンを地で行くこれらのあたたかい申し出や支援が、ほんとうに困窮している方々へはやく届くようにと願っています(きのうの「ベスト・オヴ・クラシック」ではベルリンフィルによるチャリティコンサートのもようがオンエアされてまして、こちらにも感動した)。また個人的に思い入れのあるアイルランドからも、たとえばこのような支援の輪が広がっていて、あちらはあちらで財政危機でたいへんだろうに、とてもかたじけなく思います ( ケリー在住の Breandán Ó Cíobháin 先生からも日本を気遣うメールと、初期キリスト教時代のコルカ・グィーネ [ Corca Dhuibhne ] 支配地域に残された固有名詞についてのあらたな論文の抜粋もいただきました。聖ブレンダンがらみでたいへん興味深い知見もありましたので、後日ここでも取りあげたいと思います )。

posted by Curragh at 16:29| Comment(1) | TrackBack(0) | バッハのオルガン作品
この記事へのコメント
例のウドー関係のアーティストのメッセージサイトについても、言及してくださってありがとうございますーー

また見てみたら、ん、さらにアーティストが増えているような。。。。
なんと、あのCurved Airの名ボーカリストSonja Kristinaからのビデオメッセージがあて、びっくり!Curved Airも、EL&Pと変わらないくらい私の好きなバンドなんですよーーー♪ 詳しいことは、また私のブログに書きますね・・・って、いったくいつになるのか。。。(苦笑)
Posted by Keiko at 2011年04月10日 00:13
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