2011年08月29日

リコーダー四重奏によるバッハもいいもんだ

1). 週末、ふと思い立って本棚の整理をしてました。… すると思いのほか読んでない本が出てきて、つい手にとってながめて … てなぐあいでちっとも進みやしない (苦笑) 。ロバート・フルガムの本だの『シュヴァイツァーとの対話』だのユダ福音書関連本だの、かなり前に買っておいていつのまにか忘れていたなんて本がぞろぞろ (だいぶ前に図書館の除籍本市にて手に入れたロアルド・ダールの自伝もまだだった) 。奥のほうからは、マッキベンの処女作『自然の終焉』が出てきまして、ほんとにひさしぶりに繰ってみたらこの書き手がいかに炯眼だったかを実感した(まだ若かったから、若干、肩に力の入ったところは感じますが)。温暖化にともなうハリケーンの大型化や「過去のデータはもう当てにはならない」ということもすでに指摘している。そしてこちらの邦訳記事を見ますと、
もう1つの選択肢は、わずかに後退を試みることだ。回復力と安全性に重点を置くのである。そのために(ここが問題になるのだが)成長に重点を置くのをやめる。私たちはそろそろ、人間はもう十分にやりたいことをやった(少なくとも欧米では)、これ以上、欲は出さなくてもいい、それよりは少し控えて、もっと余地を持とうと考えてもいいのではないか。具体的には、SUVよりバス、自転車、電車を選ぶということだ。そして、石油の代わりに自らの筋肉を働かせ、より多くの人が田畑に出て、食料自給を目指すのだ。銀行が「大きすぎて倒産させられない」とわかったからには、食料とエネルギーのシステムも同じことになると思っていいだろう (下線強調は引用者) 。
 
 このへん、以前読んだ Deep Economy で著者が主張していたこととも重なりあいます。そういえば先日、さる識者の方が、冷蔵庫やエアコンは最新の製品に買い換えたほうがけっきょく節電になるとか書いてあったけれども、それも量の問題でして、一部屋にエアコン一台とかクルマも一人一台、なんてことやっていたら吐き出される CO2 もエネルギーの消費も増えるいっぽうですよ。「足るを知る」生活様式と持続可能な経済・社会構造というものを真剣に考えないといかんと思うのです。そういえば前掲書 p.98 になんと比較神話学者のキャンベルまで登場しているとは ―― 一度読んだ本なのに ―― びっくりした。世の中、狭いもんだ ( 引き合いに出されている「『聖書』は社会志向の神話」という主張は Myths to live by にも出てきた ) 。

 … 御託はともかく、これからは読書の秋だし (いちおうそれ以外の季節でも読んでるつもり) 、読むペースを上げるとしますか。そういえばGALAPAGOS っていう電子書籍リーダー、いつのまにか (?) Android 搭載端末へと変身していた。といってもいろいろと制限がかかっているみたいでして、Android OS ほんらいの利点はさほどないとか。 … ひょっとして思っていたほど売れてないんじゃないかと老婆心ながら思ったしだい。

2). ここからはいきなりではあるけれど音楽の話。けさの「古楽の楽しみ」は「 17・18 世紀フランスの楽器と音楽」と題して、うれしいことにオルガン音楽三昧。ド・グリニーって、31で早世しているとは知らなかった(バッハはこの人の「オルガン曲集 第 1 巻 [1699年出版] 」の楽譜をもっていた)。クープラン一族ももちろん登場しましたが、ルイ・クープランの曾孫のジェルヴェ・フランソワ・クープランという人の作品ははじめて耳にしてたいへん興味を惹かれました。後半、なにやら聴いたことのある旋律が … 出てきたのは気のせいか? ともかく革命期をはさんだ激動の時代を生き抜いた音楽家です。「芸は身を助く」ですね。あといまさっき聴いた「ベスト・オヴ・クラシック」。今宵はフィンランドからやってきた「ブラヴァデ・リコーダー四重奏団」というリコーダーカルテット。スヴェーリンク編曲による有名な「涙のパヴァーヌ (あふれよ、わが涙) 」なんかはとくにおもしろかった。もとはオルガン曲だったんだろうか … ダウランドではアンコールでも一曲、演奏されてました。でも個人的にはやっぱりバッハ。なんと、オルガン独奏用の「前奏曲とフーガ ハ長調 BWV.545 」のド - レ - ミ - ファ … と上行するフーガをリコーダーで合奏してくれました! 感謝感激!! もちろん録音。バッハ作品では「平均律クラヴィーア曲集 第 2 巻」から「前奏曲とフーガ BWV.885 」も演奏してくれまして、こちらはBravo! のお声までかかってました。総じて快演だったと思います。リコーダーカルテットとくるとオランダの ALSQ とかを思い浮かべるけれども、はじめて聴いたこのフィンランドのカルテットもいいなあ、気に入りました。

3). 最後は残暑見舞い代わりとして、美声の持ち主の少年歌手二名の紹介。グレイソン・チャンスという子とロナン・パークという子。グレイソン少年のほうはシングル盤を買ってみた。例の5段階評価では「うまうま」と「うまい」の中間くらいでしょうか (5段階評価というのは「うまうま」、「うまい」、「ふつう」、「へたうま」、「うまへた」の順) 。これはもちろん、個人の趣味の問題なので、独断と偏見についてはご容赦を。彼の特徴は、「ピアノ弾き歌い」のスタイル。ピアノの腕もそうとう達者なものです。バッハなんか、ポップ風にアレンジしたうえでオリジナル歌詞とか乗っけて歌っちゃいそうですね。

 以前ここでもカナダ出身のジャスティン・ビーバーを取りあげた NYT 記事とか紹介したことがありましたが、「第二のジャスティン (?) 」みたいな子がこんどは英国から現れた。それがロナン少年。スーザン・ボイル女史やポール・ポッツを輩出した例のオーディション番組の最終審査に残ったんだそうですが、あいにく優勝は逃したとのこと。で、さっそく歌声を聴いてみますと、たしかに雰囲気は似ているかも。もっともご本人は BBC の報道によると、

Despite already having hoards of young fans, the singer - who turns 13 in August - is keen to stay away from comparisons with Canadian star Justin Bieber.

"Ronan doesn't want to be compared to anybody because he wants to be himself, but obviously the success [Justin's] had is fantastic and Ronan would love to be as successful," said Mrs Parke.

そりゃそうですよね。こちらはこれだけではなんとも言えないが、やはり「うまい」と「うまうま」のあいだくらいですか。ちなみにワタシはグレイソン少年のシングルにて、はじめてレディ・ガガの歌というものを聴いた (苦笑) 。

 それともうひとつ、NHK-FM の番組経由で知ったこちらのアルバムも買いました。あるとき「クラシック・カフェ」で、フォーレの「小ミサ」がかかりまして、酷暑がスーっと引いていくような、清冽なボーイソプラノのソロがなんとも耳に心地よい演奏でして、即、これは買いだと思いました (笑、録音は20年ほど前とちょっと古いのですが) 。ちなみに演奏者のウェストミンスター大聖堂聖歌隊というのは古株ぞろいの英国の教会聖歌隊にしては比較的あたらしいほうで、1903 年の創設。ロイヤルウェディングが挙行されたほうのウェストミンスター・アビイとは関係なくて、こちらは英国におけるローマカトリックの総本山です。

追記。米国東海岸を北上するハリケーンの進路図が NYT にあったのですが、↓を見ればわかるように東海岸を舐めるように北進し、まもなくラブラドル半島に達するという。しかもこれよくよく見たらセヴェリンの復元カラフが到着したニューファウンドランドとかの間近を通過しています … しかも先をたどってゆくとアイスランドのすぐ沖にまで達する予想。かつてこんな進路をたどったハリケーンなんか、あったのだろうか … こちらも台風には要警戒ですが。

irenetrackingmap.PNG


posted by Curragh at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽関連
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