2007年07月28日

2. 国道136号、地すべりで崩壊!

 …英国もたいへんなことになっていますが、個人的にはこっちのほうがもっと切実だったりする。

 全国ニュースでも取り上げられたりしたのですでにご存知の方もいるかと思いますが、国道136号線が地すべりによる崩壊のため、船原峠西伊豆バイパス−土肥新田区間が不通になっています。ここはバス道路でもあるけれど、もちろんバスも折り返し運転・戸田峠経由で迂回運行(→東海バスの告知ページ)。

 崩壊地点は、よりによって中伊豆と西伊豆とをつないでいる場所(船原峠旧道との合流点−「大平」バス停との中間地点)。というか、自分もまさかあんなところが地滑りを起こすなんて予想だにしなかった。つい先日も通過したばかりなので。梅雨前線に台風で雨つづきだったし、ついこの前も雨降ってたし、地盤がひじょうに緩んでいたのが原因らしい。後日地元紙報道ではじめて知ったのですが、ここは1961年の西伊豆集中豪雨のときにも地すべりを起こしたらしい。現在の国道はその崩壊箇所を盛土して整備したとのこと。崩壊箇所のすぐ先には新鮮な牛乳からアイスクリームを手作りして売っている土産物屋兼ドライブインがあって、本来ならば書き入れ時なのに、とても気の毒に思う(→お店の応援リンク追加しました)。

 月曜の朝、長さ50mにわたって国道に複数の亀裂が走っているのを通行者が通報したのがはじまり。その後、1時間に10cm(!!)の速度で急激にずりずりとすべりはじめ、こちらのページでご覧のように、桜並木とカーブミラーもろともいまでは5mほども沈んでしまい、道路は完全な切断状態に(すでに危険なため、正確な沈下幅は計測不能とのこと)。道路の山側斜面を削って応急工事をしているさなかにもその削った斜面がまた崩れたりと、いまだ地すべりは止まらず。まだ1時間当たり4cmほどの速さですべりつづけています

 28日現在、土木事務所では国土交通省が保管しているという、災害時用の仮橋を架ける工事をしてひと月以内に復旧させたい…としているものの、数日かけて現場の地質調査をしないといけないし、いまだ地すべり運動がおさまっていないことから、いつになったら復旧するのか、具体的にはめどが立っていません(追記。つぎの記事でも書いたとおり、旧盆前の12日までには仮復旧できる見込みになりました)。

 西伊豆方面にお出かけの場合は、以下の各サイトで案内している迂回路を利用されるか、もし車でなければ沼津港から高速船「ホワイトマリン」を利用するという手もあります(→戸田運送船サイト)。また静岡方面から来る場合、カーフェりーが出ていて車ごと直接土肥港まで行けますよ(→駿河湾フェリーのサイト)。



 なお船原峠のてっぺんにはりっぱな立体交差(!)があり、戸田方面へは西伊豆スカイライン、南方面へは、棚場山稜線づたいに南進する西天城高原線へと連絡しています(→2005年春に撮った船原峠立体交差橋から土肥方面の眺め)。ふだんは対向車両さえ見かけない、こんな山の稜線づたいになんでこのような高規格道路が走っているのか? については、こちらのblog様がこたえてくれます。10年前、西天城のマメザクラを撮りに行ったとき、まさに西天城高原線建設の真っ最中でした。こんなかたちで役に立つとはまたなんとも皮肉な話ではあるが、迂回路があるのはまったくないよりはましか。

 ついでに船原峠てっぺんの立体交差から旧道へ下る取り付け道路のかたわらに、「頼朝公の運試し石」なるものがしずかに佇んでいます(こちらもおなじく2005年春の撮影。このとき、西伊豆バイパス途中にある「平石」バス停から歩いて旧136号に入り、写真を撮りながらそのまま湯ヶ島方面へ下ろうとしたら、なんと前年の台風22号で決壊した道路の復旧工事がまだ終わっていなくて、全面通行止め。画像はこのとき撮影したもの。撮ったあと、やむなくもと来た道を引き返しました orz)。なんでも伊豆半島に配流されていた源頼朝が、鷹狩りかなにかで船原峠にやってきてこの石を見かけたとき、「運が自分に味方するのならこの岩切れよ」と刀を振り下ろしたところ、みごと真っ二つに裂けた、という伝説の石だそうです。案内看板もすっかりサビつき、石じたいもクマザサに隠れて見えにくいので、よほど注意していないと気づかずにそのまま通過しそうになります。

 いずれにせよいまは早く地すべりが収まるようにと念じるしかない。やはり船原峠西伊豆バイパスが使えないのは、痛い。

 追記です。

 国道136号の決壊現場は仮橋設置工事が予定より早く進んだおかげで、11日の土曜日から片側交互通行にて通行可能になりました。ただし規定雨量を超えた場合や地すべり運動量が増えた場合や地震があった場合には通行止めになります(→土木事務所の告知ページ)。現在、地すべり運動は時間当たり数ミリていどで落ち着いています。

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