2011年11月06日

やはり音楽は必要

1). 先日、地元紙にリヨン国立歌劇場首席指揮者を務める大野和士氏が、東日本大震災の被災地を中心に「ふれあいコンサート」を開いて巡回している、という記事を見つけた。「音楽の力 被災地に」と題されたこの記事で、大野氏が2008 年以来、「ほんとうに必要としている場所に音楽を届けたい」との思いで病院を中心に巡回して開催していると知り、ああなんてすばらしいことなんだ、と胸打たれる思いがした。

 大野氏いわく、「病状が深刻な患者さんが、音楽を聴くことで少しばかり快方の兆候を見せることもあったと聞いています。音楽の力ですね」。また、今後も被災地でこの手作り出前コンサートを開催していくべきだと考えているそうです。「同じような意志を持つ音楽家はたくさんいる。連携してより大きな取り組みになることを願っている。それが音楽が果たすべき大切な役割だから」。盛岡市の大学付属病院での院内コンサートではオペラ歌手との共演で、みずからピアノ伴奏して「オー・ソレ・ミオ」などのカンツォーネを披露して、患者さんたちや勤務する医師たちから盛大な拍手をもらったといいます。ひさしぶりにいいお話を聞いたという思いでした。やはり音楽にはすごい力があると思う。前にも書いたけれども、もっとも音楽の力を必要としている人は、けっして concert-goers ばかりじゃない。コンサートに行くことがなかなかできない、こうした入院患者さんたちのような人こそ音楽は必要だ。大野氏はそのことをよく理解されている方なんだと思う。また、NHK 総合で放映された「さど☆まさし 題名のある音楽会」もすばらしかった。レスピーギの交響詩「ローマの松」最終曲「アッピア街道の松」は、とりわけ渾身の熱演に思えました … ローマ帝国歩兵隊の「行軍」の音型が、被災地の方を励ましているようにも聴こえて、とても感動的でした。

2). 先週の NHK-FM 。火曜夜の「ベスト・オヴ・クラシック」は「ストラディヴァリウス & N 響チャリティー・コンサート」で、出だしのバッハ ( BWV.1043 ) も快演。また金曜夜の「三浦文彰 ヴァイオリン・リサイタル」には … もうおどろくほかなし。弱冠 18 歳 !! とはとうてい、思えません。ウィーンにて研鑽中 … らしいですが、この人の弾くバッハの「無伴奏ソナタ / パルティータ」って、どんな感じなんだろ、とつい思ってしまう ( 基準がこれしかないもので ) 。バッハのアルバムもぜひ出してほしいですね。明朝の「古楽の楽しみ」は … そのバッハですな ( おもに教会カンタータ ) 。ほかに親戚筋のヴァルターのオルガンコラールやオルガンフーガ、バッハの「協奏曲 ト長調 BWV.592」もかかる ! そしてホミリウスのカンタータ作品の音源は、あのドレスデン聖十字架合唱団 ! 「マタイ」横浜公演にて身も心も震えるような感動をおぼえた者としては、こちらも楽しみ。

 昨夜の「FM シアター」は、三度目 ( ? ) の放送のような気もするが、「東京 Voice 」。変声障害に悩む男子大学生が声帯手術を受けるまでの心の軌跡を丁寧に描写したお話なんですが、再々放送でもやはり終盤はほろり、とさせられますね。秀逸なオーディオドラマだと思います。

 なお前回の「気まクラ DON ! 」について、すこしだけ補足。BWV.1031 ですが、低音部などの「土台」はバッハが作曲し、あとは弟子が作った、という説もあります。表記は女性名詞の「シチリアーナ」でもいいけれど、こちらの第 2 楽章の呼称は男性名詞版の Siciliano のほうがふつうだと思う ( 譜面にもそう表記してある ) 。原曲は「変ホ長調」ですが、第 2 楽章のみ「ト短調」で書かれてます。自分で録音した伴奏を再生しつつ、それに乗っけてフルートのメロディーラインを弾くのが好き ( 笑 ) 。

 … いま、「サンデークラシックワイド・海外コンサート」で、「ハンス・クリストフ・ラーデマン指揮、コンチェルト・ケルン演奏による『マタイ受難曲 BWV.244』」を聴いてます!! ドレスデン聖十字架の「マタイ」の感動が、蘇りますね!!! 出だしの「来たれ、娘たちよ!」なんかもう … 今年はとくに胸に迫るものがある。だれだったか年に一度くらい、洞穴にこもって「マタイ」を聴きたくなるときがあるって発言していた音楽評論家だかいましたが、その気持ち、すごくよくわかる。

posted by Curragh at 14:16| Comment(0) | TrackBack(0) | NHK-FM
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/49938908
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック