2012年02月25日

プラドの「モナ・リザ」を描いたのは ?? 

1). だいぶあいだがあいてしまいましたが、オルガン好きとしては書かないわけにはいかない ( 笑 ) 。10 日の金曜夜の「ベスト・オヴ・クラシック」。「プラハの春音楽祭 2011」から、なんとオルガン四手コンサート ! こういうのがオンエアされるとは、ほんとうれしいのひとこと ( だが、長年つづいてきた良質な音楽番組、たとえば「N響アワー」を終了させるというのは、いったいどういうこと? と思う。後継番組は、この前ちょこっとだけ放映された「ららら♪ クラシック」とかいう番組らしいが、「芸術劇場」といい見応えのある音楽番組はまたぞろ地上波から消滅していく感じ orz ) 。

 「プラハの春音楽祭」にもどって … 演奏者のマルティン・ロストという奏者は、旧東独ハレの生まれで、音大学生時代から早くもライプツィッヒ・ゲヴァントハウスの第二オルガニストを務めた人。歴史的楽器の修復にも携わっているらしい。もうひとりのパヴェル・チェルニーという奏者はパヴェルという名前を見ればわかるように地元プラハの人で、1994 年の「プラハの春 国際音楽コンクール」で優勝後、本格的に演奏活動に入り、来日公演もしたことがあるらしい。プログラム前半は、モーツァルトの残した断片から、彼の死後にマクシミリアン・シュタードナーという作曲家が仕上げたという「フーガ ト短調 K.401」とか、シューベルトがウィーン郊外の村でオルガンを弾くよう頼まれて、たった一晩で書きあげた ( !! ) という「フーガ ホ短調」、1809 年ポーランドに生まれ、生まれ故郷のオルガニストとして生涯を送ったヘッセという人の「幻想曲 ニ短調」、ドレスデンの聖十字架教会オルガニストだったホフナーの「コラール『今やすべての森は憩い』による変奏曲 ( 同名コラールは「偽作」扱いだが、BWV 番号にも入っている [ BWV.756 ] ) 、そしてドイツのちいさな田舎町の音楽家だったというレフラーの「祈り」などなど、聴いたことのない美しい作品ぞろい。プラハのキリスト福音教会にあるオルガンは、現代の楽器なのかどうかわからないけれども、とても暖かい響きをもつ楽器だと思った。そしてメルケルというドイツ人作曲家の作品「ソナタ ニ短調 作品 30」というのは、なんでも四手用としては演奏するのがもっともむつかしい作品なんだそうな。アンコールで演奏された小品では、グロッケンのストップも加わって、なんだか「手回しオルガン」みたいでユーモラスな曲で、クリスマスあたりに演奏するとぴったりだったかも。

 この日はもうひとつ同音楽祭からオルガンのプログラムがかかりまして、こちらはエポック室内管弦楽団、アレシュ・バールタ ( 1960年生まれ ) のオルガンによる、齢 90 を超えてなお現役のチェコの作曲家、カレル・フサ ( 1921年生まれ ) の「オルガン協奏曲」でした。はじめて聴く作品ですが、印象としては冒頭のクラスタっぽいあたりなんか、どことなくトゥルヌミールとかメシアン、ガストン・リテーズみたいな感じ。使用楽器はルドルフィヌム内ドボルジャーク・ホールのオルガン。

 そういえばこの前聴いた「ビバ ! 合唱」では、フォーレの特集を組んでいて、「タントゥム・エルゴ作品 65 の 2 」がかかってました。これをとても澄んだ声で歌っていたのはパリ郊外のヌイイ聖十字架教会聖歌隊のソリストで、ボーイソプラノとボーイアルトのデュエットという珍しい録音。前にも書いたことの繰り返しですが、ここの聖歌隊のアルバムではペルゴレージの「スターバト・マーテル」を持っているけれども、こちらもいいね ! 

2). それはそうと、↓ の報道にはびっくりした。ええ ?! と思って、この前行った「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想展」の図録を引っ張り出して確認。p.104 に掲載されている、「美しきモナ・リザ」というのが、問題の「模写」作品らしい。背景は真っ黒 … そして袖の襞々は、色鮮やかな緋色。ところが今回、修復したら、なんと真っ黒だったはずの背景は後年の加筆で、取り除いたらルーヴルの真筆「モナ・リザ」とまったくおなじ荒々しい岩山と渓流が出てきたんですと !!! ちなみに同ページのレオナルド研究の権威で静岡展の監修にも当たったアレッサンドロ・ヴェッツォージ先生による解説では、

 ―― 原画は、背景の風景がなく、赤と緑の色使いと薄い上塗りという創意工夫をもって描かれたもので、以前はレオナルド作と考えられていたが、近年ではフェルディナンド・ヤニュス・デ・ラ・アルメディーナ作との説が有力である。彼はスペイン人のレオナルド派画家で、1500 年代初期にイタリア・トスカーナ地方で過ごし、レオナルドが「アンギアーリの戦い」を制作していた頃にはおそらく一緒に働いていたと考えられている。

だそうな。でも AFPBB 記事では、なんでもサライだの、メルツィだの、直系の弟子が描いたのではないか、とするプラド美術館のルネサンス絵画主任キュレーターの見解が載ってますけど … 「アイルワースのモナ・リザ」といい、こっちも今後の展開が楽しみではある。というか、「モナ・リザ」直系の模写って、ずいぶんあるもんなんですねぇ。

 … 神話学者キャンベルは、「神話は絵画的な言語」だと言い、レオナルドは、「絵画はもの言わぬ詩であり、詩は盲目の絵画である」と書き残している。なんだか相通ずるものを感じますね。

posted by Curragh at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | NHK-FM
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/54163928
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック