2012年04月02日

祝 水戸芸術館オルガン復活リサイタル

1). けさの「古楽の楽しみ」は、「ヴェネチアの古楽さまざま」その 1 。16 世紀、サン・マルコ大聖堂オルガニストだったクラウディオ・メールロという人の「第 1 旋法のトッカータ」、「第 8 旋法によるリチェルカーレ」という作品がかかってました。メールロかあ、ひさしく聴いてなかった。というか最近はめっきり聴く機会が減った ( 「オルガンのしらべ」が現役だったころは、NHK ホールの大オルガンを使った録音でときおりかかっていた ) 。ひさびさのメールロでしたが、… なんか似たようなフレーズやトリルが多くて、個人的にはサン・ピエトロ大聖堂オルガニストだったジロラモ・フレスコバルディのほうが好きだったりする。メールロの作品は、どういうわけか昔からあんまり好きではない。ちなみにこの日かかった「リチェルカーレ」はバッハ晩年の大作「音楽の捧げもの」とはちがって、厳密なフーガではなく、きわめて自由な進行のトッカータに近いもの。リチェルカーレついでに、以前、この作品 ( ?? ) をはじめて見たとき、椅子から転げ落ちたことがある。

2). 水戸芸術館の玄関ホール 2 階バルコニーにある 46 ストップ三段手鍵盤とペダルをもつオルガン。昨年の大震災で被災して、とくにペダルタワーの大きなパイプがバラバラと階下の床に落下して転がっている光景は、オルガン好きとしてはなんともショッキングで、気仙沼の「水を運ぶ」松本少年の写真とともに強烈に印象に残っている。でも建造元のマナ・オルゲルバウのオルガンビルダー父子をはじめとする、関係者各位の懸命なご努力が実を結び、ついにきのう、復活公演とあいなった、との報道には心からうれしく思います ( オルガン復活が、「棕櫚の主日 ( Palm Sunday ) 」当日になったというのは、たまたまだったとは思うけれども。今年はつぎの日曜が西方教会における復活祭 ) 。ほんとは聴きに行きたかったくらいだったが、もうすこし落ち着いてから行ってみようかなと考えてます ( → 関連記事その 1その2。NHK ニュースの動画はこちらで。 )。→ 当日のプログラム ( PDF )

 ニュース見てはじめて知ったんですが、修復ついでに「ツィンベルシュテルン ( Zimbelstern, 「シンバルの星」の意 ) 」ストップが取りつけられたんですね ! これはすばらしい。往年の名ピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプの回想録の書名( 『鳴り響く星のもとに』 )にもなっている。ケンプが子どものころ、この愛らしく軽やかなオルガンのストップを耳にしたことがあり、終生、その響きを忘れずにいたらしい。このツィンベルシュテルン、動画を見ればわかるようにストップを引き出すと先端についた星型の飾りがくるくると回転し、内部に取りつけられた小型の鐘をハンマーが打ち鳴らすという一種の自動演奏装置。このストップをもった楽器は、この近辺だと NHK ホールや東京芸術劇場大ホールの巨大なオルガンとかすみだトリフォニーホールのオルガン、豊田市コンサートホールのオルガンに、愛知県芸術劇場の大オルガンにもある。芸劇のガルニエの楽器は、なんか強風にあおられる風見鶏よろしく超特急で回転する ( 笑 ) 。この手の自動演奏装置はなんというか建造家の遊び心が垣間見えておもしろい。カテドラル聖マリア大聖堂のマショーニオルガンには、「水笛」が備えられている ( ほんとうに水が入っている ) 。

 動画ではバッハの「ハ長調のトッカータ、アダージョとフーガ BWV.564 」がかかってましたが、TV 画面で見たときは滝 廉太郎作曲の「花」が聴こえてきた。昨晩見た「 N 響アワー」後継番組で、ピアニストの舘野泉さんが、「音楽はわたしの人生そのもの」だとおっしゃっていたのが印象的でしたが、オルガン復活リサイタルを聴いた方が、「とてもよかったです。しあわせです」と語っていたのも心に残った。建造した松崎氏が言っているように、この楽器がいかに水戸市民に慕われているか、ということを知ってなんだかこちらもとてもうれしくなった。この復活公演前の先月にも、このオルガンの修復作業を追った企画も NHK で見たんですが、ここの楽器って、子どもが自由に触ったり弾いたりできる市民参加企画をずっとつづけてきたそうで、これこそまさしく市民に開かれたすばらしいオルガンだ、とひとり感じ入ったしだい ( 番組では、仕上げの「整音」作業のもようが映し出されていた。小指ほどの金属パイプの「歌口」を専用の道具で息を詰めての微調整。ほんのすこしの力の加減で音が狂ったりするし、雑音厳禁なので、暖房を止めた深夜に作業していたという ) 。だからこそのあの熱気、あの待望感なのですね ! この楽器に対する水戸市民の思いが伝わってくるようで、ほんと感動しましたよ。La musica è la mia vita !! 

 … ところで AOI の楽器、2004 年ごろは「オルガン体験」みたいな企画を開催していたけれども、そろそろまたお願いしますよ ! そうだ、浜松市楽器博物館にも行かなくては … 。

posted by Curragh at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽関連
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