2012年05月20日

同一人物だった orz

1). いま、「気まクラ」改め「きらクラ ! 」を「らじる」にて聴きながら書いてます。自分のことをタナに上げて人さまのことを言えた義理ではないが、そうそう、前回放送分を聴かれた方はご存知かと思いますが、つい、「バッハのメヌエット … 」と口を滑らせてしまったチェリストの遠藤真理さん。当方もそのときすかさず「え ? ボッケリーニじゃ … 」と思ったんですが ( しっかり聴いてはいなかった人 ) 、そのうち忘れた ( 笑 ) 。で、いまちょうど、そのことを指摘するリスナーのお便りが紹介されてました。たしかいまをときめく若きピアニスト牛田智大くんが、たった 2 歳で両手で弾いてしまったとかいう作品がこれではなかったかな。でもあいにくこの「メヌエット」はバッハの真筆にあらず、クリスティアン・ペツォルト氏の作品なり ( → 関連拙記事 ) 。

2). ここからが本題。前回記事で、「フィオナン・カムはディングル半島のローカルな聖人か ? 」と書きました。もしや、と思ってアードファート教区司祭だったオダナヒュー師の Lives and Legends of Saint Brendan the Voyager のページを繰ったら、あった。… フタを開けてみればなんだ、なんですが、この人は『リズモアの書』所収の『聖ブレンダン伝』に出てくるフィナン・カムその人でした。orz 綴りが一字、異なっただけだったのに、そのことにまったく気づかずにいた。そしてこの部分、本家サイトでも「少年時代のブレンダン」としてしっかり書いてあった。情けない、書いた本人が完全にこの人のこと忘れているという、ていたらくぶり。

 … とはいえ、「この日からブレナンの顔には神々しい輝きが満ちあふれ、その眩しさゆえに少年の顔を見られるのはフィナン・カム以外、だれもいなくなった」という一文だけじゃ、印象には残らない ( 苦笑 ) 。ちなみに原文はファダなしの Brenainn だったので、「ブレナン」としています ( オショーバン博士の論考の表記は Bréanainn で、本来はこちらのほうが正式らしい。ちなみに『リーダーズ・プラス』はさすがというべきか、ちゃんとアイルランドゲール語表記名 Brenainn [ ただし読みは「ブレニン」としている ]も収録している。さらについでに昔、NHK 教育でやっていた「幻の民 ケルト人」では、『聖ブレンドンの航海』と訳されていた ) 。

 というわけで、オダナヒュー本の、フィナン・カムに関する注釈を読んでみました。それによると聖フィナン・カムは 6 世紀前半、ディングル半島に住むキリスト教徒の両親のもとに生まれ、ほどなくしてブランドン山西麓にあるブレンダン建立の修道院に預けられ、師匠ブレンダンの弟子となり、後年、和風に言えば「衣鉢を継いだ」修道院を建てるよう師匠に言われたんだとか。オダナヒュー師は「おそらく」と条件つきながら、フィナン・カムをブレンダンの親戚筋の人だとしている。Finan ( Fíonán ) という名前の聖人は「『癩病者』聖フィナン」と「レイン湖の聖フィナン」、そしてエイダンの後を継いでリンディスファーン修道院長となったフィナンも含めてなんと 11 人 ( !! ) もいて、とくに「癩病者」と「レイン湖」のフィナンとブレンダンつながりのフィナン・カムはたがいの祝日がごっちゃに混同していることなども書いてありました ( さすがにその件についてここで書き出すのはいいかげん煩雑になるので、全省略 ) 。レイン湖というのは、キラーニー湖沼群のひとつでラテン語版『航海』冒頭で言及される、マンスターの覇権王族オーガナハト・ロッカ・レインの本拠地だったところ。ちなみに 812 年にノースメンがアイルランド南部のマンスターに侵入したとき、当時のオーガナハト族の王が撃破したことがある。話もどってフィナン・カムですが、現在のオファリー州 Kinnitty ( 異綴りあり、オファリー州は「バーの聖ブレンダン」のいたバーの所在地で、アイルランドのちょうど真ん中へんにある ) に修道院を建て、またキラーニー湖沼群に浮かぶ島イニッシュファレンにも修道院を建て、たびたび故郷ディングルに帰っていたという。

 ところで … いまさっき自分の「Google ドキュメント」を見たら、「Google ドキュメントは間もなく Google ドライブにアップグレードされます。Google ドライブをファイルの新しい保管場所としてご利用ください」…。「Google ノートブック」→ いま「Google ドキュメント」となかば強引に移行させられた人としては、「こちとらのあずかり知らぬところでそんなこと勝手に決められちゃ、困る」としか言いようがない。

 … とそんな折も折、こんどは 20 世紀最高のバリトン歌手ディートリヒ・フィッシャー-ディースカウ氏が逝去されたとの報が。… ホイットニー・ヒューストン、ドナ・サマー、クラシックでは別宮貞雄氏や玉木宏氏、グスタフ・レオンハルト氏に名トランペット奏者モーリス・アンドレ氏など、今年は著名な音楽家・演奏家の訃報がやけに多いような気がします … ディースカウ氏はドイツ・リートの名演が有名ですが、個人的にはバッハの受難曲などの録音の仕事も忘れてはいけないと思う。合掌。

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