2012年05月27日

昨晩、あんなにお元気で話しておられたのに …

 絶句した。今年はなんだか音楽関係者の逝去があいついでいるなあ、と漠然と感じていたら、昨晩の「名曲のたのしみ」でシューベルトの「交響曲 第 1 番」と「第 2 番」をいつものようにお元気で紹介されていたのを聞いたばかりなのに … 「来週はまたラフマニノフかな ? 」とかのほほんと構えていたら、もうかなわぬことになってしまった … 日本における西洋音楽評論の草分け的存在の吉田秀和氏、享年 98 。できれば 100 までがんばっていただきたかったなあ。22 日に逝去された、ということは、「名曲のたのしみ」収録分を待っての公表だったのだろうか ? 

 … いつだったか NHK で放映された吉田氏の特集番組、思い出します。90 過ぎてもあの矍鑠とした、そしてじつにおしゃれないでたち。原稿書きの風景など、はじめて見たけれども、「こういう作業が好きなんですよ」と嬉々としてコピー譜を切り貼りしていた姿とかを思い出していた。

 最晩年のホロヴィッツがひさしぶりに来日してリサイタルを開いたとき、たしか「ひび割れた骨董」とかって酷評していたこともありましたね。ううむ手キビシイなあ、と思ったもんです。NHK ホールに国内最大級のオルガンが設置されたときも、「グロテスクだ」と一刀両断していたことも思い出される ( ワタシ自身は、あのデザインはしかたなかったと思っている。むしろあの当時のコンサートオルガンのデザインとしては、世界的に見てもカッコいいとさえ思う ) 。でも吉田氏は水戸芸術館の館長でもあり、ここの玄関ホールのオルガンが震災から復旧したばかりに届いた訃報は、やはり残念だ。

 いまごろは、西洋音楽における音楽批評家の草分けでもあったマッテゾンやシューマンなんかとあれやこれや語りあってるのかな ? いや、おなじ釜の飯を食った仲間でもあった齋藤秀雄氏と楽しく語りあっているのかな ? 合掌 ( 追記。「名曲のたのしみ」はあとまだ 5 回分の収録が残っていて、最後の収録回までこれまでどおり番組をつづけるとのことでした ) 。

タグ:吉田秀和
posted by Curragh at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | おくやみ
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