… いつだったか NHK で放映された吉田氏の特集番組、思い出します。90 過ぎてもあの矍鑠とした、そしてじつにおしゃれないでたち。原稿書きの風景など、はじめて見たけれども、「こういう作業が好きなんですよ」と嬉々としてコピー譜を切り貼りしていた姿とかを思い出していた。
最晩年のホロヴィッツがひさしぶりに来日してリサイタルを開いたとき、たしか「ひび割れた骨董」とかって酷評していたこともありましたね。ううむ手キビシイなあ、と思ったもんです。NHK ホールに国内最大級のオルガンが設置されたときも、「グロテスクだ」と一刀両断していたことも思い出される ( ワタシ自身は、あのデザインはしかたなかったと思っている。むしろあの当時のコンサートオルガンのデザインとしては、世界的に見てもカッコいいとさえ思う ) 。でも吉田氏は水戸芸術館の館長でもあり、ここの玄関ホールのオルガンが震災から復旧したばかりに届いた訃報は、やはり残念だ。
いまごろは、西洋音楽における音楽批評家の草分けでもあったマッテゾンやシューマンなんかとあれやこれや語りあってるのかな ? いや、おなじ釜の飯を食った仲間でもあった齋藤秀雄氏と楽しく語りあっているのかな ? 合掌 ( 追記。「名曲のたのしみ」はあとまだ 5 回分の収録が残っていて、最後の収録回までこれまでどおり番組をつづけるとのことでした ) 。
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