2012年06月18日

ラッター & 吸殻の出てきたチェロ ( ?! )

1). 前回の「きらクラ ! 」。しばし聴いていたら、クレオベリー指揮 / ケンブリッジ・キングズカレッジ礼拝堂聖歌隊によるジョン・ラッターの「ピエ・イエズ」が流れてきた。音源はどうもラッターの「レクイエム」全曲盤らしいから、手許にはない音源だったので、ちょっと得した気分。ふかわりょうさんが、「なんかこう別世界に入っちゃうよね。天使の歌声って言うの ? このまま眠っちゃってもいい ? 」みたいなことを発言していた。たしかに。自分もかつてはアンソニー・ウェイのアルバムでこの「ピエ・イエズ」をさんざ聴いていたし。ふかわさんはラッターはご存じなかったっぽいけれど、合唱好きの人ならこの手の英国系作曲家にくわしい人はかなりいると思う。サー・チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォード、ハーバード・ハウエルズケネス・レイトン、ベンジャミン・ブリテン、ジョン・アイアランドフランシス・グリアジュディス・ビンガムサー・ジョン・タヴナー … そして「ミスター・ビーン」のテーマでもおなじみのハワード・グッドールとか。ちなみにグッドールはこんなおもしろそうな本までものしていたとは、いまはじめて知った。

 「そぐわない音楽」コーナーでは、どこかの学校のランチ開始を告げる音楽 ( ? ) というのが、なんとバッハの「トッカータ BWV.565 」だそうでして … たしかにそぐわないですな。それからこれも番組聴いててはじめて知ったことだが、今年はフレデリック・ディーリアスもドビュッシー同様、生誕 150 年の記念イヤーだそうです。ディーリアス、とくると「夏の庭」とか「チェロ協奏曲」くらいしか知らんのですが、携帯 mp3 プレーヤーに入れて持ち歩いている作品がひとつだけありまして、それが「冬の夜 ( 「そりすべり」と呼ばれることもあり ) 」。かなり昔、日曜朝にオンエアされていた「朝のハーモニー / オルガンのしらべ」という番組があり、あるとき女流オルガニストによってオルガン独奏用に編曲されたこの作品を耳にして、たちまち好きになってしまった思い出があります。数年前に mp3 プレーヤーを買ったとき、これもデジタル化して持ち歩こうと思い立ち、以来クリスマスシーズンになるたびに聴いています。というわけでいまさっき見つけたもうひとつのオルガン編曲版を貼っておきます ↓



こちらの編曲では、使用楽器に「ツィンベルシュテルン」がないのか、「オルガンのしらべ」版とちがって「そりの鈴の音」みたいな効果音がなくて、少々さびしい気がする。

 それはそうと、今週の「古楽の楽しみ」は … 「ドイツ・バロックのオルガン音楽」だ ( やったー ) !! けさは初回ということか、「ドイツのオルガニスト作り」の異名をとったオランダの巨匠スヴェーリンクの作品ではじまり、シャイトの「新タブラトゥーラ 第 2 巻」からと、ベルギーで活躍されている国分桃代さんの弾くバッハなどがかかりました。何曲目だったか忘れたけれど、ドイツのどこだかの教会にある「燕の巣」型オルガンを弾いた音源など、音響のバランスがすばらしくて、うっとりと ―― うつらうつらしつつ ―― 聴き入ってました。ドイツにおけるオルガン音楽というのは、いわば当時の音楽後進国ドイツが唯一、誇れるジャンルだったと言っていいと思う。ドイツのオルガン音楽は欧州大陸の中央部という土地柄もあって、南はフィッシャー、ケルル、フローベルガー ( そしてイタリアからはフレスコバルディやメールロ、アンドレア / ジョヴァンニ・ガブリエーリなど )、パッヘルベルなどの影響を受け、西からは隣国のフランス古典期の巨匠たち、大クープラン、ド・グリニー、ダカン、ダンドリューなどの影響も受けてはいるけれど、なんといってもスヴェーリンクに端を発する「北ドイツ・オルガン楽派」の流れは、その後のドイツのオルガン建造およびオルガン音楽に決定的な影響を与えたように思う。その流れからブクステフーデが現れ、そしてこのすべてを集大成するかたちで大バッハが登場する。前にも書いたけれども、バッハ晩年の傑作「前奏曲とフーガ ホ短調 BWV.548」は、まさしくこの北と南の伝統がひとつに融合した、「二楽章のオルガン交響曲」にふさわしい壮大な作品です。

2). 昨夜見た「ららら ♪ クラシック」。活動休止宣言直前の世界的指揮者、小澤征爾さんによる水戸室内管弦楽団の公演のもようが放映されてました。モーツァルトの「交響曲第35番 K. 385 」に、ハイドンの「チェロ協奏曲 第 1 番 ハ長調」。ソリストは、若き天才奏者の宮田大さん。宮田さんはこの前も「リサイタル・ノヴァ」に出演されていたけれど、ご本人の話によると、現在使用中の楽器はなんとあの齋藤秀雄氏の持っていた楽器だそうで、しかも年季が入っているのみならず、内部から煙草の吸殻 ( !!! ) まで出てきたことがあって困った … とかすごいこと話されていた。小澤さんもご自身の師匠愛用の楽器が次の世代の演奏家によって奏でられるのを聴くのは、感慨もひとしおだったのではと思いますね。

[ 関係のない追記 ]:ご存じの方も多いかとは思うけれど、念のためここでも告知。DNS Changer というマルウェアが数年前から跋扈しているとのこと。これに感染したままだと、来月にもネット接続ができなくなるおそれがある … ということなので、まだ未確認の人は JPCERT コーディネーションセンターの DNS Changer 感染確認ページにて早急に確認されることをお勧めします ( → 関連記事 ) 。

posted by Curragh at 21:53| Comment(0) | TrackBack(0) | NHK-FM
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