2007年10月01日

災害用としても役に立つかも

 電源のないところでも使えるノートPCとしてたとえば「手回しクランク付き」マシンがありますが、'One Laptop Per Child'、つまり発展途上国の子どもたちひとりに一台のPCを、という非営利団体OLPCの運動は今回Timesの記事を見てはじめて知りました。こういうのっていかにも米国らしい、壮大ですばらしい発想ではないですか。

 運動の提唱者はM.I.T.のメディアラボ所長の方で、一昨年くらいから100ドルで買えるノートPCの開発と途上国への売りこみをつづけているらしい(→関連記事)。ここにきてようやく試作機の評価をもとに台湾製マシン'XO'の正式な量産態勢に入り、運動はいよいよ本格始動するらしい。Times記事によるといまのところこの廉価マシンの売りこみという点については当の途上国側の反応はいまひとつのようですが、今回、クリスマス商戦にあわせて「399ドル払えば一台は税金控除扱いで途上国の子どもへ、もう一台はあなたのもとへ届けます」というキャンペーンを米国とカナダで展開、一般の消費者への知名度をいっきに高めて資金調達にはずみをつけたい考え。

 今回のキャンペーンで、かりに4千万ドルの寄付が集まった場合、10万台のマシンが途上国の子どもたちに渡る計算になるそうです。OLPCではイタリア政府が5万台買い上げてエチオピアへ配給する合意も取りつけ、またペルーやメキシコでも今後大量発注を受ける見込みとのこと。

 もともと途上国の子ども向けに開発されたマシンなので、米国内で販売するのは今回が最初で最後の機会になるそうですが、売れなくては話にならないので、国内販売にあたっては検討に検討を重ねてきたといいます。たとえば8月末には国内の子どもたちにじっさいに使ってもらって意見を集めたりもしている。で、「超ダサい!」という意見もなくはないが、「これなら温暖化も防げる」という建設的意見を述べる子もいたり、反応は上々だったそうです。

 かんじんの'XO'という名前のノート型マシンですが、見た目はちゃっちい…感じはするけれど、なかなかどうしてひじょうによくできています。まず途上国での過酷な使用環境にじゅうぶん耐えられる頑丈な設計になっていること、太陽光発電式充電器をそなえ、消費電力は一般のノート型マシンの10%かそれ以下というからすごい。OSはLinuxベース、もちろんブラウザにメーラー、かんたんなワープロソフトまでそなえた搭載アプリもすべてオープンソース。7.5インチのLCDはなんと1200x900pixelの高解像度、LCD画面じたいも太陽光がぎらぎら照りつける砂漠でもちゃんと見えるように造られ、1.5mの高さから落下しても壊れない、クランク式手回し充電などさまざまな電源方式に対応、しかも無線LANまで搭載(液晶画面の両側から突き出た「耳」みたいなものがアンテナらしい)…とこれは製品面から見てもひじょうに完成度の高い、画期的なノートPCではないですか(→関連記事)。

 で、日本では残念ながらこれは買えませんが、途上国の子どものために開発されたマシンとはいえ、たとえば震災などの非常時にもおおいに性能を発揮するのではという気がする。じっさいに現物を見てみたい。

 けっして西洋にかぎったことではないが、こういう話を見聞きするたびに、'Noblesse Oblige'ということばを思い出す。どういうつながりがあるかは知らないが、たとえば晴れて2代目The Choirboysのひとりとなったアンドリュー・スウェイトくんも、自分のCDの売り上げ金を中国山間部の寒村へ通じる道路建設のために投じ、また寄付を呼びかけてもいます(→現在の道路建設状況)。日本人でもたとえばカンボジアの村に井戸を掘ったり、自社製品をたずさえて途上国へ無償提供に赴く方もいる。ノーベル賞とは縁がないかもしれないが、こういう人たちの取り組みには頭の下がる思いがしますし、まだまだ世の中にはこのような'Noblesse Oblige'精神をもったすばらしい人々がたくさんいるというのも事実なのです。静岡つながりでは、二宮尊徳がはじめたという「報徳運動」がこれにあたるかもしれない。

posted by Curragh at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | Articles from NYTimes
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