2012年10月08日

セントジョンズ & ドイツバロック期のオルガン音楽

1). 今週の「古楽の楽しみ」は … 「ドイツ・バロックのオルガン音楽」だ !! もっともこれ 6 月の再放送みたいですが、忘れっぽい人としてはこの「繰り返し」はまことにありがたい。心して ( ? ) 聴きたいと思う。

 けさはオランダのスヴェーリンクからはじまり、その弟子シャイトの「新タブラトゥーラ」第二巻からと、フリードリッヒ・ヴィルヘルム・ツァハウというほぼヨハン・パッヘルベルと同時代に生きた人の、あっという間に駆け抜ける短い「前奏曲とフーガ ト長調」を巨匠レオンハルトの音源で。つづいてバッハの有名なコラール編曲がかかりましたが、ツァハウの「ああ主よ、哀れな罪人である私を」というコラール前奏曲、なんかどっかで聴いたことある定旋律だなあと思っていたら、そのすぐあとかかったバッハのコラール編曲 ( BWV.727 ) を聴いて、ああなんだ、ハンス・レオ・ハスラーの「わが心は千々に乱れ」だった。もとはこれ若者の失恋を歌った流行り歌だったのに、あっという間にイエスの受難を思いやる歌詞へと早変わり。ここが、音楽のもつ力の素晴らしいところ。以前も書いたけれどもかの地で「リパブリック賛歌」として歌われている曲が、ここでは「権兵衛さんの赤ちゃん」になったりする。この柔軟性こそ、言語を超越した音楽ならではの最大の強み、長所ではないかと思います。ちなみにツァハウという人は寡聞にしてよく知らないが、1663 年にライプツィッヒの音楽家一家に生まれ、ハレの聖マリア教会オルガニストを務めた人だったらしい。だから流れ的には「北ドイツオルガン楽派」になるのかな。でも手持ちの「レオンハルト ジュビリーエディション」所収の音源では「アルプス地方のオルガン音楽」におんなじ「前奏曲とフーガ」が収録されているけれど … 。

 後半、音源がかかっていたベルギー在住のオルガニスト国分桃代さんは、拙ブログのリンク欄にもある「晴れた日のオルガン」の作者さんでもある。いまさっき確認したら新しい URL に変更されていたので、リンクを貼り直すつもり。ちなみにこちらの記事を見たら、資料画像にスヴェーリンク師のお顔が写ってました。

2). ちょうど 1 週間前の月曜夜の「ベスト・オヴ・クラシック」。なんとあのセントジョンズ東京オペラシティ公演の録音がかかった !! 7月末のサントリーホール公演に行ったとき、「NHK-FM あたりでオペラシティ公演とかかかんないかな ♪ 」なんて軽く期待していたら、ほんとにそうなった ( thanks !! )。で、さっそく全身耳にしてこっちの公演を聴いてみると、おどろかされるのはやっぱり彼らの間口の広さ、レパートリーの幅広さでした。

 英国ルネサンス期のロバート・パーソンズの静謐な祈りが寄せては返す波のごとく幾重にも連なる「アヴェ・マリア」からはじまり、ラフマニノフの「晩祷 ( これは 2006 年のモスクワアカデミー公演で聴いたことあり )」、パーセルにエルガー ( 有名な「アヴェ・ヴェルム・コルプス」 )、ブリテンにパリー (「わたしはうれしかった」)、ヴォーン-ウィリアムズの愛らしい小品「味わい、知れ、主の恵み深さを」にマサイアスの「神よ、諸国の民があなたをたたえ ( チャールズ皇太子と故ダイアナ妃の結婚式用に作曲された作品。プログラム表記では「マシアス」となっているけれど、NHK-FM の放送のとおりこれって「マサイアス」なんじゃ … ?? ) 」、ジョン・タヴナー ( ルネサンス期のタヴァーナーとよく混同される現代の作曲家 ) の「アテネのための歌」、そしてアンコールで歌われたビートルズの 'With a Little Help from My Friends' までかかるという大盤振る舞い !! ヴォーン-ウィリアムズの小品はサントリーホール公演でも歌ってくれたもので、澄んだボーイソプラノソロで開始される、短いながらもとても印象的な作品だった。なのでオペラシティ公演の録音まで聴けて、二度、楽しめた。Thumbs up! 

 サントリーホール公演と同様、オペラシティ公演でもふたりのオルガンスカラーのお兄さんが交替で演奏をそれぞれ一回ずつおこない、最初にかかったのが大バッハの「前奏曲とフーガ BWV.541 」から難易度のとびきり高い 4声フーガ。この作品についてはこちらの拙記事で。

 そういえば BBC Radio3 の The Choir 。先週はなんと 10 年ぶり ( ! ) に英国公演を行なっているウィーン少年合唱団特集 ! でした。司会のアレッドもなんだかうれしそう。ケンブリッジに住むメル友情報によると、キングズカレッジ礼拝堂でも歌ったらしい。公式サイト見たら、キングズの子たちとサッカーの親善試合までしていたらしい。英国に行っているのは「ハイドンコア」で、英国公演は今日まで。

 ちなみに今週の放送は、合唱音楽と伴奏との関係に焦点を当てた特集の再放送。もちろんオルガン伴奏付きの楽曲も出てきました。興味ある方はぜひ ( 'Only Men Aloud' ってヴォーカルバンドは以前、BBC Radio2 の Young Choristers of the Year にゲスト出演していたような憶えがある ) 。

追記:最近、ワタシは TuneIn なる Android アプリを Desire に入れてみた ( iPhone アプリ版もあり ) 。これ、すごいです ! すなおに感動に襲われた、数少ないアプリ。これでいまやどこに行っても、BBC Radio3 の Choral Evensong をはじめ、世界中のネットラジオが聴取できる !! 数年前までこんなこととても考えられんこと。もちろん移動中のお供として「らじるらじる」も活躍中ラジー ( 笑 ) 。なのでいまは PC 経由で聴取するのはやめて、TuneIn で受信した放送をライン接続したラジカセから流して聴いてます。こっちのほうが省電力だし、高音質。もちろん Ottava も聴けます。Ottava で思い出したが、「リサイタル・ノヴァ」支配人のピアニスト本田聖嗣氏。なんとセントジョンズサントリーホール公演を聴きに来ていたらしい。あいにくお顔は拝見できなくて、残念。

posted by Curragh at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | NHK-FM
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/58968087
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック