2013年01月28日

ケーテン時代のバッハ

1). 最後の回の放映は本日で終わってしまったけれども、今月の「名曲アルバム」では大バッハの「ブランデンブルク」の 5 番 ( BWV.1050 ) が流れてましたね。

 最新映像で見るバッハゆかりの地ケーテンは、とてもおしゃれで美しいところだなあ、と思いました … 映像から察するに、どうもクリスマス時期に取材に行ったらしい。ケーテン城前にも大きなクリスマスツリーにかけられた電飾が煌々と輝いていたし、「鏡の間」でのコンサートのもようなんかも、いかにも楽しそうで見ているこちらはちとうらやましくもなったり ( ケーテン城内礼拝堂にあった、あの数ストップほどの一段手鍵盤のオルガンが個人的にはすごく気になる )。バッハはヴァイマール公と事実上のけんか別れとなって放免されてケーテンへと赴任したわけですが、バッハをして「骨を埋めるつもり」だったケーテン時代は、たったの 6年間しかつづかなった。芸術家にとって、幸福な期間というのはかくも短かしという典型例かもしれないが、この短期間のあいだにも「平均律」や「フランス組曲」、「半音階的幻想曲とフーガ」、「 6つのヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ」、「 6つの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」、「無伴奏チェロ組曲」、「インヴェンションとシンフォニア」の初期稿などなど、名曲をつぎつぎと生み出している。

 6 曲からなる「ブランデンブルク」もそんなケーテン時代の傑作のひとつ。とりわけ、「ピアノ協奏曲の誕生」とものちに評されることになる第 5 番第 1 楽章はひじょうに有名だし、バッハ作品のなかでも人気の高い曲だからけっこうひんぱんに演奏会のレパートリーとして取りあげられてもいます。あの浮き浮きとした通奏低音だけ聴いても、バッハ作品にしてはひじょうに明るくて、親しみやすさではまず筆頭格なんじゃないかと思います。チェンバロを弾くほうは、それどころじゃないかもしれないが。

 以前、ここでも書いたことと重複するけれど、ケーテン時代のバッハのオルガン作品、とくると、やはり「大フーガ」で知られる BWV.542 くらいのものですが、だからといってオルガンを忘れていたわけでもなく、ケーテン宮廷赴任直前にもハレの聖母教会に新造された 65 ストップの大オルガンの鑑定に招かれたり、ライプツィッヒのパウロ教会の新オルガンの鑑定をしたりしてます。鑑定後の試奏あるいはこけら落とし独奏会では、たぶん前任地にて書きためていた旧作か、あるいはライプツィッヒ時代に浄書された一部の「前奏曲とフーガ」の初期稿版なんかを、即興演奏とまじえて聴衆をおどろかせつつ、弾きまくったんだろう … ということは想像にかたくない。

2). けさの「古楽の楽しみ」はバッハの息子たちの作品が流れてました。次男坊カール・フィリップ・エマヌエルの「ロンド ホ短調 『ジルバーマン・クラヴィーアからの別れ』」もかかってましたが、印象的だったのが「フーガ 変ホ長調 Wq.119/6」というオルガンフーガ。演奏者は往年の名手マリー-クレール・アラン。のちのモーツァルトにつづくギャラントな雰囲気はたしかに感じられたけれども、がっちりとした構築性というか、巧みに絡みあいつつ進行する対位法書法は、あきらかに「旧時代」の父親バッハ直伝のものなのでした。

 ところで「きらクラ ! 」の「DON ! 」コーナー。出だしを耳にするなりふかわさんが、「なにこれ、このビョ〜ンは ?! 定規かなんかみたい ! 」と声を上げていましたが ( 笑 )、そうですねぇ、ヤナセ語ふうに言うと、「ヅェ〜ンバロ」ってやつですかね。

追記:tunein 経由でこれを聴きながら書いてたんですが、ちょうどいま、こんなアルバムが流れてました。おどろいた。ネットラジオ探索の旅は、まだまだつづく ( 笑 )。

posted by Curragh at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | NHK-FM
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