2006年05月09日

銀塩写真派としては

 やっぱり気になる、日本を代表するフィルムメーカーの会社名変更。「最後の一社になるまで」カラー/モノクロ/ネガ/ポジその他写真撮影用フィルムを作りつづけるとは言ってますが、ミノルタにニコン、つい最近では国産ブローニー判メーカーの雄、マミヤOPまでついに解散。富士フィルム側の発表では、売り上げに占める写真撮影用フィルムはほんの数パーセントにすぎず、長年のフジクロームファン(とくにVelviaシリーズ)としてはなんとも複雑な気持ちになってしまいます…。

 NHK静岡放送局の夕方のローカルニュース番組「たっぷり静岡」。NHK主催のフォトコンテスト「富士山とわたし」の入賞作が日替わりで映し出されますが、たいていこの手の写真はブローニーと呼ばれる、35mm判より大きなフィルムサイズのカメラで撮影されたものがほとんど。理由は、繰り返しになるけれど画質が断然ちがう、言い換えれば35mmフイルムで撮影されたものとくらべて迫力・臨場感が格段に上の写真が撮れるからです。

 富士が超極微粒子カラーリヴァーサルフィルムのVelviaを発売した1990年以降、フィルムの性能が向上したこともあって、一昔前の写真屋さんみたいに4x5などのかさばって機動力のない大型カメラがあまり必要なくなってから、画質にこだわる向きも35mm判での風景写真が気軽に楽しめるようになった。もっともおんなじVelviaだったら4x5用のカットフィルムのほうが断然いいに決まっているけれど、作品の完成度も考えると、やっぱり35mmか、せいぜいブローニー判というところが妥当な選択だと思う。というわけで、いまだに中高年の風景写真ブームがつづいていますが、単純にカメラ全体の割合で括ればとてもじゃないけどメーカーは採算のめどさえ立たない。いまや完全にデジカメの天下です、いまでは銀塩フィルムなんて使っているのは自分もふくめてすっかりマイノリティーに転落です(ただし写真コンテストではデジカメ応募不可の場合が圧倒的に多い)。

 たしかにデジカメのほうが即写性はあるし、現像に出す必要もないから、いいことづくめのように思えます。でもあれって、画像にモアレノイズがほんの少しとはいえ出るんですよね、いまだに。それにカラーリヴァーサルフィルムのように発色の個性というものが感じられない。逆に言うと、カラーリヴァーサルはメーカーやフィルムの現像処理のちがいによって、おんなじ条件下で撮影しても発色再現性にけっこうバラつきがあります。コダックのKodachromeとフジクロームシリーズとではまるでちがう。おなじメーカーのものであってもVelviaとAstiaとではやはり微妙にちがう。こういった個性が――ぜんぜんないわけではないが――フィルムほど顕著ではない。それに赤外フィルムのような、特殊効果を楽しめるのも銀塩のいいところ。ちなみに最近のカメラ雑誌は、スキャナや画像レタッチソフトの特集を組み、PC雑誌のほうは写真の原理やよい三脚の選び方なんて特集を組んだりする。どっちがカメラ雑誌でどっちがPC雑誌なんだかわけわかりません(笑)。

 まだがんばって上映していた「子ぎつねヘレン」。先日観に行ったのですが、深澤嵐くん扮する太一少年が重度の障害を負った子ギツネを、中古とおぼしき往年の名機、Canon F-1をかついで懸命にシャッターを切っていたシーンが印象的でした(あれ重かったろうな…)。しかも自家現像自家プリント。印画紙に映像がパーっと出現する瞬間のあの楽しさは、デジカメでは味わえないもの。

 デジカメはまだまだ現在進行形なので、どんどん性能がよくなってますます使い勝手が向上するのだろうけれども、銀塩写真が完全に消滅するのはやはり抵抗がある。せめて選択肢くらいは残しておいてほしいというのが正直なところ。

 …連休中、また片倉に寄ってみました。いまさらではあるけれど、カメラをぶらさげて。最後までかろうじて残った、正門前の事務所と蚕種庫を門越しに撮影していたら、おりよく元社員だった管理人さんが出てきて、ほんとは関係者以外立ち入り禁止のところを快く敷地の中へ入れてもらいました。小学生のころ入ったことがあるのはカイコから繭玉を取り出す作業所のみで、水色の事務所の中に入るのはこれがはじめて。がらんとして埃まみれの事務室。残されたのはでかい金庫と事務机、地球儀と黒板。その奥へつづく蚕種庫と呼ばれるカイコの卵を保管していた薄暗い蔵なんかもはじめて見ることができました。建物と蔵のあいだにうっそうと生い茂る樹木。そのせいか、外は暑いくらいなのに、建物の中はとてもひんやりしていました。

 事務所のすぐ後ろ、渡り廊下でつながっていた木造の建物はすでに死屍累々の残骸と化して、広大な空間のそこここに重機が鎮座していました。まもなく切り倒されるシイノキの大木の新緑が、5月の強い陽射しを照り返して輝いていたのがやけに印象に残りました。

 …そして、ほんとうに最後の姿を、これまたいずれ消えて行くであろう、銀塩フィルムカメラで記録しておきました。なんとか間に合って、よかった。

 連休中に、バナーロゴをオリジナル画像(松崎の大規模花畑)に差し替えたまではよかったものの、htmlを書き換えたときに画像表示位置をleftにしてしまったために、IE6で見たらレイアウトが崩れて表示されていたことにいまはじめて気づき、あわてて修正。この間Windows版IEで訪問された方、たいへん見苦しい状態に気づかなくて申し訳ないです…。
 …ふだん使っているFirefoxでは正常に表示されてなんともなかったんですけど、今後は両方のブラウザできちんと確認しなくては…。
posted by Curragh at 02:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・写真関連
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