2013年12月24日

「七宝焼」つきオルガン! 

 … いつもこの時期になると、決まって去来する思いがひとつ ―― 今年もぶじにクリスマス( ほんらいは冬至祭、あるいは太陽神ミトラの祭日 )を迎えられたことにただ感謝あるのみです。

 でも日本人ゆえか、「師走」まっただ中のこの時期は人並みに雑事に追われ、せっかくの「クリイマスもの」音楽 CD とか時間があればかけっばなしにしたり、あるいは Organlive.com のクリスマスステーションをかけっぱなしにしたりしてはいるけれども、どうも心ここにあらず … という日がつづいてます。なんでこうなのか、暗いニュースばかり耳にしているせいなのか、ただたんに心の余裕がないためなのか、その両方なのか … それはともかく、この時期はみなさんおんなじようなものかとお察しします。なのでたとえば「名曲アルバム」とかで「きよしこの夜」なんか見ますと、欧州の人はこの時期一家団欒、暖炉の前に集まってギターつまびいたり歌ったりしている … そんな映像を見ているかぎりでは、向こうの人って年末の片付けとか「大掃除」とかっていう発想はあんまりないみたいですね。

 と、そんな折も折、NHK-FM で個人的にひさびさのヒット。題して「西村由紀江の古楽器さんぽ」。古楽器さんぽ、ということはチェンバロやリュート、ヴィオールとかも出てくるのかと思いきや、どうもオルガン特集のおもむき。登場する楽器はドイツのユルゲン・アーレント工房が建造した「聖グレゴリオの家」にある楽器( ポジティフオルガンと大きいオルガン )、東日本大震災で被災し、今年ようやく復活した、ミューザ川崎シンフォニーホールのスイス・クーン社建造のコンサートオルガン、おなじくミューザが所有する、フランスのマルク・ガルニエ工房製作のポジティフオルガン( 東京芸術劇場にある「回転式」オルガンを建造したオルガンビルダー、番組のインタヴューではなんと流暢な日本語[ !!! ] を操っていてビックリ )。

 「聖グレゴリオの家」… 懐かしい響きだ。バッハ生誕 300年だった 1985年、NHK教育、いまの「Eテレ」ですが、たしか二日連続でバッハ特番が放映されまして、当時「新発見」の、バッハ十代のころの秀作とおぼしきオルガンコラールが何曲か、ここのポジティフオルガンにて演奏されたのを食い入るようにして見ていた( 当時は初々しい高校生だった )。公式サイト見たら、聖堂はほぼ当時のままのようです。

 ところでここのアーレントオルガン、日本ということを意識してか、演奏台( コンソールと言う )直上のケース前面に、なんと七宝焼で象嵌された「天平の天女」像があるという !! 番組サイト見ますと、うん、なるほどたしかに … 公式サイトのほうはあいにくモノクロームな画像なのではっきりわからなかったが、極彩色な派手目な楽器です … 彩色を眺めているうち、かつてヴァルヒャが弾いた、ストラスブールのアンドレアス・ジルバーマン建造の歴史的オルガンとかも思い出した。その土地らしさ、ということでは、横浜みなとみらいホールの米国フィスク社建造のオルガンには「かもめ」のレリーフが彫りこんでありますね。

 ミューザの楽器、こちらはさすがにコンサートオルガンなので、いわば万能型の楽器。こちらも「古楽器」で括ってよいのかなあ … という気もしないではないが、こうして収録してくれてそれが聴けるのはありがたい。まだここのオルガンは生で聴いたことがないので、近いうちに聴きに行きたい( ミューザ公式にもこの番組関連のページがありました )。

 それと、番組サイトの画像見てはじめてわかったんですが、西村さんが、「このスイッチみたいなのがストップ ? 」みたいに訊いていたので、あれ、あそこの演奏台のレジスター( レギスター、ストップの独語呼称 )って、たしか「ドアノブ」型じゃなかったっけ、なんて思っていたら、ステージ上の「移動式」演奏台だった。あれは電線でつながっているので、完全な電気式スイッチ。だいぶ前、アンドレ・イゾワールがサントリーホールのオルガンを「移動式コンソール」で弾いていたら、ひとつだけ、押してもランプがつかなくて何度か押していた姿を NHK の番組で見たことがあります。昔ながらの「トラッカーアクション」のストップだったら、そういうことはぜったいにない( はず、原理的に )。

 いまのオルガンはコンサートホールの楽器を見ればわかるように、演奏台だけ見ているとなんか「エレクトーン」みたいな外観です。ランプ点灯式「親指ボタン」とか、足鍵盤の上にも「爪先ピストン」とかずらっと並んでいるし … でも機構上、外せない部分にはちゃんと昔ながらのすばらしい伝統技術を頑固なまでに守って建造されています。職人芸ってやつですね。

 ちなみに出演されていた演奏者のおひとり、塚谷水無子さんは、たしかオランダで活動している方だったように思う。塚谷さんの「癒しのパイプオルガン」というアルバムはほんとすばらしくて、一時期、就寝時の音楽として寝る前によく聴いてました。ちょうどバッハが生きていた時代に建造されたオランダの古楽器を使った録音でして、その豊かな響きとパイプの音色の繊細な美しさ、暖かみのあるサウンドは秀逸だと思ってます。このアルバムでいちばん好きなのは … やっぱ「小フーガ BWV.578 」かな( 笑 )。



 今宵からサンタさんは大忙しになりそうですが、みなさまも楽しいクリスマスとよき新年を。それと、忘れちゃいけない、今年の「9つの日課とキャロルの祭典」from キングズカレッジ !!! 今宵は明けて 25日の午前零時からです。

追記:いまさっきこんなページを偶然、見つけました … こういう配信音源があったとは、まったく知らなかった。

posted by Curragh at 16:57| Comment(0) | TrackBack(0) | NHK-FM
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