2014年04月06日

バルバートル ⇒ テュイルリー公園 ⇒ 「花子とアン」

 先週の「古楽の楽しみ」は、関根敏子先生によるフランス古典期もの。オルガン好きとしては、やっぱりこの人、バルバートルの作品にどうしても注意が行ってしまう。

 バルバートルについては以前にもすこし書いたような気がするけれど、この人は運悪く、大革命の動乱期に当ってしまった人で、ギヨタン医師の考案した処刑道具の魔の手はからくも逃れたものの、晩年は『ラ・マルセイエーズ』とか、市民階級の求めに応じた作品を作・編曲したりして糊口をしのいでいたという … それにしてもちょっとびっくりだったのが、上記リンク先記事にて知った、子だくさんの事実。二度の結婚でもうけた子どもはなんと 18人! おとなりの国で活躍していた大バッハと、なんだかダブってしまいますね。

 絶対王政期のフランス宮廷でのバルバートルの人気はすごかったみたいでして、毎年恒例のクリスマスの「公開リサイタル」には、さまざまな階級の聴衆がどっと詰めかけて、彼のすばらしいオルガン独奏に聴き入ったと言います。関根先生によれば、教会の礼拝ではない純粋な「演奏会」というものの元祖が、どうもこの人だったらしい。バルバートルは西洋音楽史上における最初の純粋な「演奏会」、それもオルガン・リサイタルを開いた人、ということになるようです。

 ところで、先月初めのフランス古典ものの放送は、「パリのテュイルリ宮殿と音楽」と題してリュリとかランベールとかの作品がかかってました … ワタシはこのテュイルリーということばを聞くと、子ども時代のことを思い出してしまう。… 小学校低学年のころ、両親の買ってくれた『美術の図鑑』が大好きで、「モナ・リザ」や「ダビデ像」などの図版を食い入るように眺めてました … で、その当時の本なので巻末の白黒印刷ページなんか、網版印刷というのかな、きめの荒い点々でできたちいさい写真があって、それが「モナ・リザ」の収蔵されているパリのルーヴル美術館を写したものだった。手前になんか公園みたいな植え込みがあって、それが自分とテュイルリー公園とのはじめての出会いなのであった。

 あれからウン十年の歳月が流れたいま、たとえば携帯端末でちょちょいと「テュイルリー公園」とかキーワード検索をかけるとたちどころに空撮画像や、行った人の投稿した画像などがぽんぽん出てくる。それもあの当時の図版とは比べものにならないくらい鮮明に( こちらだって細かな光の点々の集まりであり、かつ圧縮されているとはいえ、あきらかに見た目がよい!)。

 テュイルリー公園は、いまは「公園」ですけどもとはここにもりっぱな宮殿が建っていて、なんでもパリ・コミューン鎮圧時の火災で焼失してしまったとか。ルーヴル宮とテュイルリー公園の間にはなんか幹線道路っぽいのが突っ切っていて、それは昔と変わらないが、いまは美術館の入り口のピラミッド型モニュメントができたりして、子どものころに眺めていた写真図版とはだいぶ様変わりした風景になっているのかなあ、と思う。カルーゼル凱旋門はそのまんまですけどね。

 ちなみにこのテュイルリー宮殿、再建計画があるようなんですが … いつくらいに「復活」するのかしら。

 というわけで、いま、待ちに待った(?)「花子とアン」を見ています … 少女時代の花子さんが、眼を爛々と輝かせて「てーっ! 本じゃ、ほんものの本じゃんけ! 夢みてぇだ !! 」と見入る場面なんか見てますと、遠い記憶のかなたに過ぎ去っていった、みずからの子ども時代のこととかが二重写しになったりして( 勝手にそう思ってるだけなんですが )、またしても涙腺が緩みそうになったりもしますが、いやあ、この朝ドラ、期待にたがわずおもしろい! そしてよく作りこまれている !! と感じた。「おらははなじゃねぇ、花子と呼んでくりょう!」という台詞が、いつぞやの「ポニョ」よろしくアタマについて離れなくて困ってる( 笑 )。そして山梨の方言( 甲州弁 )って、静岡県東部地方の方言とも共通点が多そうな印象。「ずら」ことばとかもあるし。さすがに「てーっ!」はないけど。で、もっとも印象的な言い回しが、「こぴっと」。これなかなか便利そうなことばだ( 笑 )。最近、なにかと「コピペ」してすました顔している向きが多いので、「コピペ」ばっかしてないで、「こぴっと」手を動かして書きなさい! とかって言ってやりたい、今日このごろ( STAP 論文ついでに、記者会見の場で自然科学の研究者ともあろう人が「存在を信じている」などとオカルト[?]じみた発言をしているのを聞きますと、以前ここでも紹介したこっちの「論文」のほうがよっぽどすばらしいかと )。

posted by Curragh at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | NHK-FM
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