2014年04月14日

ブルックナー ⇒ 「カルミナ・ブラーナ」⇒ OTTAVA 終了( 泣 )

 ひさしぶりに NHK ラジオ第2の「攻略!英語リスニング」を聴取しながら書いてます。ほう、「チューリップ・バブル」ですか。「ヤマをはる」=投機するの意味の speculate、「球根」の bulb( electronic bulb はかたちが似ているからそう呼ばれる )とか、けっこうおもしろい。そしてためになる。たしか沼野先生解説の「英語で読む村上春樹」のとき、その前にこちらの番組もついでに聞いていたけれど、そのときも時事問題から宇宙、考古学、歴史ととんでもなく幅広い分野を取り上げていたことにいまさらながら新鮮なおどろきを感じていたものでした。

 昨晩の「クラシック音楽館」。いつものように N 響定演からでしたが、カール・オルフのふたつの合唱作品もの。「カルミナ・ブラーナ」… はひじょうに有名、というかアマの合唱団でもよく取り上げられる定番みたいな作品なので、こっちはそんなに意外な感じはしなかったものの、当日のプログラム前半に演奏された「カトゥリ・カルミナ」という作品のほうは、はっきり言ってたいへんおどろいた。まず編成がヘン。ピアノ4台、マリンバ、大太鼓、銅羅など打楽器群と、混声合唱。なんでも古代ローマの詩人カトゥルスという人の詩集から抜粋したもの … らしいが、これがトンでもない内容で、いまごろ知ったのだがオルフ作品に詳しい向きでは「いったいあのお下劣な歌詞の字幕をどう放送するのか」という、まるで音楽とはカンケイない方向ですでに盛り上がっていた … らしいです。いずれにせよはじめて聴いた印象としては、そんな歌詞内容とかカトゥルスという詩人がどんなやつだったか知らなくても、音楽じたいが一種の「破格構文」で、哄笑あり、拍手ありと脱線してばっかいるこのブログ記事みたいな作品だった。なのでこの手の音楽は、はっきり聴き手の好みが分かれるところ。ワタシは … BGM としてはいけるかなあ、と。嫌いじゃないですね、こういうのも。もっとも朝に見たこちらの番組のように、「ノイズミュージック」と言うのですか、ああいうのはちょっと困るが( 今回、大友さんのおかげで、英国人即興演奏家・ギタリストのデレク・ベイリーという人の作品も知ることができた。番組でかかった音源はわりと「静か」で、ミニマル音楽のようで、ワタシとしてはこっちのほうが好き )。

 話もどって「カルミナ・ブラーナ」のほうですが、児童合唱は東京少年少女合唱隊。総勢 20人くらいいたかな。とはいえ前半の「カトゥリ・カルミナ」ほどではないけど、「ゴリアール」と呼ばれる中世ヨーロッパ版「アウトサイダー」たちのものした戯れ歌恋歌諷刺歌なので、よくこんなの子どもに歌わせているなーとときおり思ったりもする。でも 'In Trutina' とかは大好きですけどね。そしてやはり、この作品で熱燗、じゃない、圧巻なのが出だしと最後の「運命の女神」の大合唱。これはいつ聴いても心揺さぶられるものがある。キャンベル本にもよく出てくる中世ヨーロッパにおける「運命の輪」ってやつですね。

 その部分の歌詞については、こちらのサイト樣ページを見ていただくとして … アタマの中が「葡萄酒色の海」となりはじめたとき、TV 画面に映し出される邦訳歌詞を眺めているうち、これなんかに似ているな … と思った。そうだ、『平家物語』だ !! とりわけ「貧困も権勢も 氷のごとく溶かし去る」という箇所は、
… おごれる人も久しからず、
唯春の夜の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ、
偏に風の前の塵に同じ

とみごとに共鳴しあっている、と感じるのは、ここにいる酔っぱらいだけだろうか。

 そういえば、その前のNHK-FM「N 響定演」のライヴ中継。ブルックナーの「5番」で、ゲストの西村 朗先生がいいこと言ってました。「ブルックナーのこの作品は、根底にオルガンの音響というのがある。オーケストレーションも、音楽語法も、すべてオルガンのレジスター( ストップのこと、独語の Register )を引っ張りだしたりといった効果をそのまま移している」という趣旨のことをおっしゃっていて、さすが、本質をみごとに捉えていると思ったしだい。最近、シューマン、メンデルスゾーン、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスといった主要作曲家の交響曲をよく借りて聴いているので、こんど図書館に行ったらブルックナーの「5番」をあらためて聴き直してみよう、と思う(ブロムシュテット指揮「ロマンチック」はすでに聴いた。とはいえショスタコーヴィチの全交響曲には、いまだ手が出ないけれども )。

 ところで … ええッ、と思った。まさかの OTTAVA 放送休止 !!! あらら、日本版 'Classic FM' を目指していたんじゃなかったの、と言いたいところですが、決定したことは仕方ない。夜、寝るときはかっこうの BGM だったんですがね … ときたま、リュプザムの弾く「小フーガ BWV.578」に「バビロンの流れのほとりにて BWV.663 」やジュリア・ブラウンの弾くブクステフーデの「シャコンヌ BuxWV.160 」とか、けっこうよかったんですけどね。6月末で終了、ということなので、しばらくは気合入れて聴取するつもり。関係者の方々、いままでご苦労さまでした。

posted by Curragh at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽関連
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