2014年05月05日

もはや新幹線? 「カノンとジーグ ニ長調」

 先々週の放送になってしまうが「古楽の楽しみ」、オルガニスト / チェンバリストの大塚直哉先生案内による「カノンの魅力」と題した回がすこぶるおもしろかったことをすこし書いておきます。

 のっけから超有名なパッヘルベルの「カノンとジーグ」。で、演奏を聴いてまたびっくり。以前、最近の古楽の演奏テンポがどんどん速くなってきて、速けりゃいいってもんじゃないでしょみたいなことをここで言ったことあるけれども、いやあそんなもんじゃないです。ムジカ・アンティクァ・ケルンのこの音源、とにかく速すぎという印象で、ボンヤリしていたらあっという間に終わる。なんというか、ここまで高速だと、「特別快速( 言い方が古い? )」を通り越して、もはや新幹線並みですな( 笑 )。

 つぎの「14のカノン BWV.1087」は、やはりムジカ・アンティクァ・ケルンによる多重録音( だったかと思う )で聴いたことがあるが、ほんらいの姿(?)であるチェンバロ独奏盤で聴いたのはこれがはじめて。演奏者はリチャード・エガー。なかなか聴き応えあり。はじめわりと単純なベースライン主題(「ゴルトベルク」の低音主題 )が、「バッハの数」へと進むに連れて複雑さを増し、リズムも活発になり、高潮してゆく。カノンは、たしかに高度な作曲技法が要求され、バッハ以前の、たとえばローマに渡ったフランドル派の音楽家たちにとってはカノン形式の「音楽クイズ」など一種の名人芸披露の場みたいなところがあったけれども、パッヘルベルにせよバッハにせよ、とっつきにくさは微塵も感じさせず、とにかくただ聴いているだけでも楽しい。

 大塚先生の回では、その前の日に放送した「幻想曲」特集もまたをかし。ウスタシュ・デュ・コロアという人は寡聞にしてまったく知らなかったが、「修道女モニク」にもとづく幻想曲は、あれ、どっかで聴いたことあるかも、という印象。モニカだったら … そういえば昔、そんな歌がはやってましたねぇ( ちがう )。

 けさ聴いた「吹奏楽のひびき」もけっこう楽しめました … 「バンド維新 2014 」、へぇー、こんなのがあるんだ … あの西村 朗先生の書き下ろしもかかってましたが、なによりおどろいたのが、なんと「鍵盤ハーモニカ」を大胆に使用(!)したという、'WINDS SINGING A SONG' という作品。あの園児が吹くような音色かと思いきや、まるで「笙」ではないですか! これには一本とられた、という感じ。鍵盤ハーモニカでもやりようによってはあんな効果が出せるんですな。もっとも笙にしても鍵盤ハーモニカにしても、「リード」で発音する楽器である点はおんなじだけど( 原理的に、笙はオルガンの「リードパイプ」とおなじ構造 )。

 そういえば今日は、この時期のもはや定番になった感ありの LFJ( La Folle Journée au Japon )の足かけ 10時間(!)の生放送の日でもあった。この音楽祭ももう 10周年なんだー。自分が会場にのこのこ出かけていったのは、2009年の「バッハとヨーロッパ」だったんだが、生中継開始早々、10年間に登場した作曲家の紹介でなぜか(?)バッハの名前がなかったような気が…。

 それはともかく、こういう企画はもっともっとあっていいと思う。これは「ロバの音楽座」の上野哲生先生の受け売りになるけれども、音楽は「心の石焼き芋」、「精神の糧」だと信じているので。

posted by Curragh at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | NHK-FM
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