2014年05月17日

教会カンタータ 149番と「吹奏楽+オルガン」!! 

1). ここで書くのは二回目になりますか、「吹奏楽のひびき」という番組。いま再放送聴きながら書いてるんですが … 今回のテーマはなんと …「オルガンと吹奏楽の共演」!! 

 のっけのロン・ネルソンという人の作曲した「ペブル・ビーチ・サジャーン」は、なんともノリのいい、いかにも日差し燦々カリフォルニアの海辺のゴルフコースでプレー、という感じで出だしにふさわしい。ヘブルビーチって、有名なゴルフ場のあるところですよね、たしか。もとの曲名はたぶん Pebble Beach Sojourn なんだろうけれど、でもなんでまたペブルビーチの楽しい思い出(?)を描いたであろう作品で、吹奏楽のほかにオルガンも入れようって思ったのかな ?? 

 つぎにかかったヒンデミットの「室内音楽第7番 “オルガン協奏曲” 作品 46-2」は、もっとすごいぞ。使用音源の指揮者は … なんとあの惜しくも物故された、名指揮者クラウディオ・アバドだ! パウル・ヒンデミット … は、オルガン好きにもわりと知っている人が多いんじゃないかな。でも寡聞にしてこういう毛色の変わった(?)作品があることは知らなかった。

 でもたしかに案内役の中橋先生のおっしゃるとおり、吹奏楽もオルガンも原理的にはおんなじ。風を送りこむか、演奏者の息かのちがいだけで。なので相性はいいはず。たとえばアラン女史とモーリス・アンドレによる「オルガン+トランペット」というかたちの二重奏の音源があってわりとよくかかったりするんですが、この手の組み合わせは昔からわりと録音されてきた。いまひとつそれで思い出したこと ―― 前にも書いたことの二番煎じながら、バッハが新オルガン落成前の監査でまず最初にしたことは、すべてのストップ( レギスター )を引っ張りだして前奏曲を演奏することだったという。「この楽器がよい『肺』を持っているか調べないと」が口癖だったようです。吹奏楽とオルガンって、意外と近い親戚だったようですね。

 「吹奏楽とオルガンのための協奏曲」の作曲者は、なんと日本人。オルガンは松居直美さん。作曲者の中村隆一( 1941〜 )という人は国立音大出身で、この作品は母校の講堂に完成したオルガンのこけら落とし用として作曲したんだとか。その楽器ってこれのことかしら? 冒頭はやわらかい音色のストップを組み合わせたオルガン独奏。しばらくしてクラリネットを皮切りにウィンドアンサンブルが絡み合う。途中のオーボエソロもいいですね。ここのオルガンの音はこの音源ではじめて耳にしたけど、総じてバランスのとれた美しい響きだと思う。あんまりわんわんうるさくないのがいい。

 最後の「アレルヤ! ラウダムス・テ」は、読んでわかるように教会の合唱音楽なんかでよく歌われる神の讃歌、ローマカトリックふうに言えば「アレルヤ頌」ってとこですか。1973年に作曲された作品。「て」なんて聞くと、「花子とアン」にすっかりハマってしまっている重症患者の耳にはつい、「てっ !? 」と聞こえたりして … もちろんこれは you ですよね。'I praise you( thee )' くらいの意味。作曲者アルフレッド・リードという人は、「アルメニアン・ダンス」という作品がつとに有名らしい。この作品は「オルガンと吹奏楽のかけあい」ではなく、エルガーの行進曲「威風堂々 第1番」のような、オルガンの響きと吹奏楽の響きが渾然一体となった語法で書かれてます。でもなんというか、いかにもアメリカンな感じはする。悪く言うと、押しつけがましさが感じられる。なんか、ファンダメンタリズムの人からいきなり「あなたは、救われてますか?」とかなんとか、質問される場面とかをつい「想像の翼をひろげて」思い浮かべてしまったり( 苦笑 )。バッハの場合は、そんなことないのにね。

 ここまで聴いてきて思ったのは、探せばまだいくらでも「吹奏楽+オルガン」という音源は出てくるんじゃないか、ってことです。そう、中村先生の言うとおり、この手の作品って、「オルガンによって加わる音の厚みがおもしろ」いんですよね。

2). きのうの「古楽の楽しみ / リクエスト・ア・ラ・カルト」。テレマンや大クープランの作品がかかってましたが、なんといってもすこぶる印象的だったのが、埼玉県上尾市の方のお便り。お遊戯会でがんばった幼稚園児のお孫さんへのごほうびとしてリクエストしたのが ―― なんと、バッハの「教会カンタータ 149番」!! でも、この選択は正しいかも。この教会カンタータ、ソプラノ独唱パートがあるんですが、この音源でそれを歌っているのが、この手のものが好きな人なら耳にしたことがあるであろう、往年の名ボーイソプラノ、セバスティアン・ヘニッヒ。父上のハインツ・ヘニッヒ氏の創設した北ドイツの名門ハノーファー少年合唱団で活躍していたころのもので、指揮はレオンハルト。たぶん「カンタータ全集」の音源でしょう。おっと「カンタータ全集」と言えば、もうひとりの指揮者アーノンクールも思い出す。この前のN響定演のあとの「ガットのしらべ」では、そのアーノンクールがヴィオラ・ダ・ガンバ( ヴィオール )を弾いてましたね! ある意味貴重な音源じゃないでしょうか。

 幼児とバッハ … つながりでは、「リサイタル・ノヴァ」でも以前、若手ギタリストの方がこんなこと言ってましたよ。高知県だか、とにかく四国のどこかの地方で幼稚園児集めて生のギターの響きを楽しんでもらったんだそうです。みんな食い入るように静かに聴いていたとか。で、あとで「どんな曲がよかった?」と園児たちに訊いたところ … なんと! アニメの主題歌とかじゃなくて、バッハがよかったって答えたんだそうです … うーむ、やはり本物というのは、どこのだれが聴いても通用するんだな。

 ↓ は、そのヘニッヒがソロを歌ったもの( 57分40秒くらいから )。


posted by Curragh at 21:13| Comment(0) | TrackBack(0) | NHK-FM
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